にゃんこのBL徒然日記

BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

群青に仇花の咲く :神奈木智

4344810457群青に仇花の咲く (幻冬舎ルチル文庫)
神奈木 智
幻冬舎コミックス 2007-07

by G-Tools

読み応えのある遊廓ものでした。
このシリーズ、嵌りそう!
【群青に仇花の咲く/神奈木智/穂波ゆきね/ルチル文庫(2007年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!

【あらすじ・感想など】
「翠雨楼」で育ち、男花魁として色街で生きている佳雨。
馴染みの客である老舗骨董屋「百目鬼堂」の若旦那・久弥に密かに想いを寄せているが、久弥はいつになっても佳雨を抱こうとしない。
花魁で、しかも男である自分にはそれ以上は望めないと割り切っていたが、ある日色街で起こった心中事件を切っ掛けに、久弥の事情を知ることに。
事件の真相を一緒に追うことになった佳雨だったが…。

幼い頃両親を亡くし、「翠雨楼」に買われた佳雨と姉の雪紅。
売れっ子の花魁になった雪紅はその後身受けされたが、翠雨楼に自らの意志で残った佳雨は男花魁となることを決める。
姉と同じく美しい容姿の佳雨は、その努力もあり、「翠雨楼」の裏看板として何人もの馴染みを抱える花魁となった。
その馴染みのひとりである久弥は、佳雨にとって特別な存在。
佳雨がまだ花魁となる前、学生だった久弥と町で偶然出会っていた。
その時かけられた久弥の言葉は佳雨の心の中にずっと大切にしまわれていたが、再会後、気付いていない様子の久弥に佳雨は何も告げていない。
久弥に対して抱いてきた想い、それが恋愛感情だと自覚するようになった佳雨だったが、客である久弥から愛される事を期待してはいけないことも分かっていた。
そんなある日、久弥が他の見世の花魁の元に通っている事を知った佳雨はショックを受けるが、その花魁が心中事件で亡くなってしまう。
この事件を切っ掛けに、久弥が密かに抱えていた事情を知り、協力する事を決めた佳雨だったが…。
遊廓の設定にもいろいろなパターンがありますが、今回は通常の遊廓に男花魁がたまにいるというパターンです。
時代設定は示されていないけれど、雰囲気的に明治から大正あたり?
片手で足りるくらいしかいない男花魁はイロモノ扱いされがちですが、佳雨は美しい容姿と独特の雰囲気で花魁としての立場を確立しています。
それを支えているのが馴染みの面々で、久弥もそのひとりなのだけれど、佳雨にとっては掴み所のない相手です。
お金は落とすし優しいのに、何故手を出してこないのか。
それにはもちろん理由があるのですが、久弥はなかなか明かそうとしません。
ふたりがお互いに惹かれ合っていると感じながらも駆け引きし続けているのは、久弥のこうした態度が原因ですよね。
立場上、佳雨は好きだからといって相手を求めることは出来ません。
久弥はそれを分かっていながら煮え切らないので、読んでいて焦れったかったです。
でも、最後まで読むと久弥の気持ちは理解できる。
ちゃんと佳雨の事を考えた上での行動で、久弥自身も苦しんでいたことが分かり、それを乗り越えて手を取り合ったふたりなら、この先頑張っていけるのだろうなと感じられました。
佳雨は花魁で客をとる仕事をしているけれど、芯がしっかりしていて、美人な容姿の中身はとても男らしいです。
自分の境遇を悲しんでいるのではなく、自分がどうあるべきか真剣に向き合っている姿がとても好感もてました。
それが正解であろうと無かろうと、前を向いて努力しているから、結果も人徳も得られているのだろうなぁと自然と感じられるキャラクター。
しっかりしているけれど、久弥に対しては心が大きく揺れていて可愛い。
佳雨が何故久弥が好きなのかを、引込新造である梓に語っている場面が好きです。
佳雨の「嬉しかった」という言葉がジワジワと胸に来ました。

メインふたり以外のキャラクターもとても魅力的!
新造の梓、馴染みの客である鍋島、同じ男花魁である銀花。
梓の存在は癒しですね~。
もうすぐ水揚げって一体どんな相手なの?!とドキドキです。
あとがきの後に収録されていた短編に泣かされました。
鍋島は佳雨の水揚げの相手、つまり初体験の相手です。
その後もずっと佳雨を抱いていて、他の男に恋をしている佳雨もいいとか言うその懐の深さが、佳雨にとって恋愛とは別のところで近い存在になっているのかなぁと思ってみたり。
まぁ、既婚者で帰る場所がある人なので、ただ遊び慣れているとも言いますが。
そして、銀花…。
佳雨よりも砕けたノリで明るい性格だけど実は…みたいなところを出されたら、私は確実に萌え転がりますよ!
どのキャラも気になります~。

遊廓モノなので佳雨は客と肉体関係がありますが、濡れ場描写は少ないです。
本命の久弥との場面しかありません。
しかも、久弥がなかなか手を出さないので、本編中はキス止まり。
キスだけでも十分萌えます。
初エッチはその後の話である『初夜』で解禁なのですが、不意打ちできた濡れた襦袢に萌えまくり。
しかも下着つけてないって…!!
穂波先生の絵柄と妄想で、ページ数以上に堪能させていただきました。

ということで、神奈木先生の遊廓シリーズ(仇花シリーズ?)の第1弾。
遊廓モノに特別萌えがあるわけではない私ですが、とても面白かったです。
元々美しい容姿はしているけれど、花魁と言っても、髪を結っているわけではないし、意識して女性的にしているわけではない。
でも、花魁としての職業意識やプライドはしっかり持っています。
そんな佳雨のキャラクターに好感が持てるし、ただ不幸な境遇の受をお金持ちの攻が助けに来るという構図だけではない、遊廓モノの楽しみ方を改めて感じられる作品でした。
ふたりの恋愛部分は焦れったく進展しますが、それと同時に心中事件の真相を追いかけるという探偵的な部分も盛り込まれているので、テンポよく読めます。
事件が出張るわけではなく、程良いバランス。
まだ根本的な解決はしていないので、今後もこれが関係してくるのかな?
ワクワク!
シリーズは現在4作出ています。
続編はもう手元にあるので、早く読まなきゃ!!

■仇花シリーズ
「群青に仇花の咲く」
「薄紅に仇花は燃ゆる」
「桜雨は仇花の如く」
「銀糸は仇花を抱く」
「橙に仇花は染まる」
「夕虹に仇花は泣く」

群青に仇花の咲く (幻冬舎ルチル文庫) 薄紅に仇花は燃ゆる (幻冬舎ルチル文庫) 桜雨は仇花の如く (幻冬舎ルチル文庫)
銀糸は仇花を抱く (幻冬舎ルチル文庫) 橙に仇花は染まる (幻冬舎ルチル文庫) 夕虹に仇花は泣く (幻冬舎ルチル文庫)
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2011.05.24 01:36 | 神奈木智 | trackback(0) | comment(2)
            

にゃんこさん

こんばんは。

ねぶそくの中、全部駆け足で読んでしまったので、なんだかもったいなかった・・・そんな気がします。いわゆる萌えとは違うんですけど、お互いの生き方をまるごと受け入れようとする二人の生きかたが沁みました。
遊郭ものでこういうのって初めて読みました。以前、こちらのブログでたしかご紹介されていたエダさんの遊郭ものを読んだときも、フツーのとちょっと違うと思いましたが、あれは最後に身受けされたんですよね。でも今回は続編があるというのもありますが、お互い粘ってがんばってますよねv
ワキキャラも魅力的ですし。
BLを読むと、多かれ少なかれ、社会的にしいたげられている、もしくは、心や体に規制をかけられて生きている人物が主人公じゃないですか。そんなところも、女子がBLにハマる理由のひとつかもしれない、と最近思ったりしてます。(超初歩の気づきかもです・・・)
もちろん理由はひとつじゃないですけど。にゃんこさんのおっしゃるとおり、いろんな要素があるんだと思うんです、奥深いですね~。そのあたり、また何かあったら、感想のところにときどき盛り込んでください!
ところで、この作家さん初めて読みました。他もおすすめですか?
巫女シリーズは同じイラストレーターさんが挿絵なので、ちょっと気になりました。
もし読まれていたら、お手すきのときにでも教えていただけるとうれしいです!

なんかオールリクエストの書き込みになってしまってすみません!
適当にご放念くださいませ~

モグ

2011.06.01 00:04 URL | #- [ 編集 ]

モグさん、こんばんは!

仇花シリーズ読了ですか?早いっ!
私はあと2冊あるので早く読みたいです…!
遊廓モノでハッピーエンドというとやっぱり身受けですが、それだとどうしても「大金を払って身受けしてもらった」という気持ちをずっと持ち続けると思うんですよね。
エンターテインメント的に読むなら遊廓モノの王道パターンは楽しいですが、精神面まで含めて読ませる話として読むなら、それだと私は不満が残ります。
このシリーズはその点佳雨の主張がすごく納得出来るもので、「そうだよね!」と思わされるところが何カ所もあり、そこが新鮮でした。

モグさんのおっしゃるように、ハンデを背負った主人公だから共感出来るというのはあると思います!
男女の恋愛よりも「何故その人を好きになったのか」というところをしっかり読めるところも嵌る理由かも?
でも、それに当て嵌まらないBLもたくさんありますよね。
深く考えずストレートに萌えエロが欲しい!と思って読む作品もありますし(笑)
読んでいて気が付いたところがあれば、また感想に盛り込んでいきたいと思います~♪

神奈木先生は私も多くは読んでいなくて、巫女の話も未読です。
穂波先生の挿絵は私も気になっているのですが~。
もうすぐ続編が出ますよね。
今のところ、神奈木先生の作品の中ではこのシリーズが断トツお気に入りです!
また他に面白い作品があったら感想を上げますね。

コメントありがとうございました!
以前は「どうしてBLが好きなんだろう」とよく考えていたのですが、コメントをいただいて、改めて考えるいい機会になりました。
またぜひおいでくださいませ(^^) ではでは~

2011.06.03 00:24 URL | にゃんこ #fwkSvwQ6 [ 編集 ]













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