にゃんこのBL徒然日記

BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

他人じゃないけれど :樋口美沙緒

419900615X他人じゃないけれど (キャラ文庫)
樋口 美沙緒
徳間書店 2011-04-27

by G-Tools

穂波先生の挿絵で萌え倍増!
不器用で一生懸命なふたりが可愛くて面白かったです。
【他人じゃないけれど/樋口美沙緒/穂波ゆきね/Chara文庫(2011年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!

【あらすじ・感想など】
幼い頃父を亡くし、父の友人であった渡会久代の家に引き取られた一ノ瀬篤史。
久代と、久代の息子である忍と3人の暮らしは、経済的には苦しくても、篤史にとっては大切な繋がりだった。
そんな日々の中篤史は久代に特別な想いを抱いていたが、ある日、酒に酔った忍に襲われてしまい…。

画家であった篤史の父は、篤史が7歳の時病気で他界。
父子家庭であったため施設に入ることになりそうだった篤史を、父と画の仲間であった久代が引き取り、それ以来、篤史は久代と息子の忍と3人で暮らしてきた。
画家の久代は生活能力が低く、忍も社会人になってからは家に帰る時間が遅くなり、高校生になった篤史は自分の世界に入ってしまいがちな久代の心配をしながら家事をひとりでこなしている。
家族のように暮らしていても久代に対して遠慮のある篤史だったが、それは久代に抱いている想いも大きく関係していた。
忍にはそれを気付かれているかもしれないと感じながらも、3人での暮らしを壊したくないと必死にその想いを隠してきた篤史。
しかしある日、酔っぱらった忍に襲われてしまったことで、関係が大きく変わってしまい…。
というホームドラマBL。
家族のように暮らしながらも、篤史はまだ渡会父子にどこか遠慮がち。
血の繋がりがないのだからという理由もありますが、篤史が久代に想いを寄せていて、それを知られてはいけないと思っているから余計に本音でぶつかれないという部分も大きいです。
大切で壊したくないからこそ、本心を見せられない。
そんな日々は、忍と身体の関係を持ってしまった事で一変します。
忍に恋人と間違われてセックスしてしまったというショックと、隠していた久代への想いを忍に気付かれていたというショック。
以前から忍に家族として受け入れられていないと感じていた篤史は、益々忍への態度を硬化させ、忍もそんな篤史にきつい言葉をぶつけてしまいます。
この話、篤史と忍とのカップリングだと分かって読んでいるのに、なかなかこのふたりの気持ちが噛み合いません。
亡くなった篤史の父が目の前で倒れて帰らぬ人になってしまったため、篤史にとって父との思い出がトラウマのようになっていて、渡会父子に対しても、自分が負担になっているのではないかと不安を感じています。
明るい性格で、必要以上に卑屈になるわけではないけれど、そんな後ろめたさが篤史の心の中に常にある。
そうした背景があるため、篤史が久代に向けている想いは複雑で、その状況から忍に対して恋愛感情を持っている事を自覚するまでに少し時間がかかってしまうのは仕方ないかなと思います。
問題は忍なんですよね~。
篤史に対する距離を取った態度の裏には、そうしないと抑えられないくらいの恋愛感情があります。
家族なのだから当然それは隠しておくべき感情だと考えるのは分かるけれど、忍は態度が極端すぎて、逆に誤解されて傷つけてしまっている…。
そして逃げているから篤史の気持ちにもなかなか気付かない。
大切にしすぎて本末転倒ですよ!
忍…最初はクールなのかと思っていたのに、知れば知るほどただのヘタレで不器用な人で、化けの皮を剥がしてみたら篤史も吃驚のダメな男でした。
そのおかげで一気に身近に感じられましたが(笑)

そんな忍に気持ちも身体も振り回されながら、篤史は次第に自分の気持ちや、自分の周囲の人たちの気持ちを理解していきます。
そうした中で、篤史が「本当に見たいのは、自分の心だったのかもしれない」と気付く場面がよかった。
読みながら私の中でぼんやりしていた感覚が、胸にストンと落ちました。
自分の心は自分の中にあるのに、なかなか理解できなかったりしますよね。
もちろん、他の人の気持ちを理解するのも難しいけれど。
だからこそいろいろ悩んで失敗して、前に進んでいく。
なかなか噛み合わずドタバタしていますが、ちゃんとこうした心理描写が組み込まれているので心を掴まれました。

そして、萌えもしっかりあるのがいいんです!
篤史が可愛い~。
穂波先生の挿絵の効果も大きいのですが、体格差のある忍に経験値も知識もまだ乏しいだろう篤史が抑え込まれているという構図に妄想が膨れあがって萌えまくり。
エッチの最中に泣いてしまう受が好きです…!
そして素股シーンの挿絵にドキッとさせられましたよ!
体位も大好きだけれど、露骨に描き込まれていないからこそエロい。
読む前に挿絵をパラパラ見て大興奮していたので、読むのが楽しみで仕方なかったです(笑)

ということで、樋口先生の新刊は家族ものでした。
とても個性的な設定だった今までの作品と比べると、今回はとてもノーマルな設定。
組み立て方が巧いのでどんな話でも面白い!と再認識しました。
登場人物たちが抱えている環境や想いがしっかり伝わってくるし、それ故に不器用になってしまうところにも共感出来るので、気持ちが通じ合うまでが遠回りになってもちゃんと納得出来ます。
自分の気持ちがうまく伝えられなかったり、相手の気持ちが分からず苦しんだり。
恋愛では当たり前のことだけれど、そこが読んでいて理解できるかどうかで読後感がかなり違ってきますよね。
センチメンタルな部分と、ふっと心が緩む部分が良い塩梅で組み込まれていてとても面白かった!
穂波先生の描く篤史と忍もピッタリでした!
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2011.05.06 01:12 | 樋口美沙緒 | trackback(0) | comment(4)
            

にゃんこさんこんばんは~♪「他人じゃないけれど」読みました~!!さすが樋口先生!という感じに面白い作品でしたね~(*^_^*)

途中までは忍を好きになれずにいたのですが..本当の頑張っていない忍を知った瞬間に、とても身近に感じて、それまでの全ての言動が許せました~(笑)

そしてそして、にゃんこさんがおっしゃる通り、穂波先生の挿し絵の効果がかなりありますね!!! 優しさと繊細な感じが、場面によっては危うくもあって..本当にぴったりでした。

ちなみに私も、泣いちゃう受けって大好きで、とにかく萌えました!(≧▼≦)

樋口先生の作品、これからも期待したいですね~♪

2011.05.06 22:16 URL | さち #- [ 編集 ]

にゃんこさん、こんにちは~
樋口先生は、最近このブログで拝見して、読み始めたんですが、『八月七日~』がいちばんスキです★ 
今回のホームドラマも面白かったです!
にゃんこさんのおっしゃるように、自分の気持ちが整理できなくて気づけてない主人公がだんだんと…というのイイですね~。
樋口さんは、まだ著作が少ないようなのですが、期待大の新人の方なのですか?
それとも超寡作の方なのですか? 教えてください、にゃんこさん!

モグ

2011.05.07 21:59 URL | #- [ 編集 ]

さちさん、こんばんは!

忍は後半一気に身近な人になりましたね~。
落差ありすぎだろう!と突っ込みながらも、そのダメさに親しみを覚えました(笑)

穂波先生の挿絵の効果大きいですよね!
健気な篤史が可愛いし、そんな篤史が泣いたりしている姿に萌えを刺激されまくりでした。
挿絵を見てワクワクしまくり!むふふふふ。

コメントありがとうございました♪
樋口先生大好きなので、次の作品が待ち遠しいです!

2011.05.09 02:43 URL | にゃんこ #fwkSvwQ6 [ 編集 ]

モグさん、こんばんは~

私も「八月七日~」大好きです!

樋口先生の作品は昨年あたりから読み始めたので詳しくは分からないのですが、デビュー当時から人気のある作家さんだと思いますよ♪
昨年のランキング(「このBLがやばい」や「ちるちる」さんなど)にも入っていましたし。
オンラインや同人活動は以前からされていたようで、私も嵌ってから何冊か購入しちゃいましたv

樋口先生、これからも楽しみですね!
コメントありがとうございました。また是非どうぞ~(^^)

2011.05.09 02:52 URL | にゃんこ #fwkSvwQ6 [ 編集 ]













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