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is in you :一穂ミチ

4344822048is in you (幻冬舎ルチル文庫)
一穂 ミチ
幻冬舎 2011-03-15

by G-Tools

香港に行きたくなりました。
でも、こんな人にガイドされたら観光どころじゃないですよ!
【is in you/一穂ミチ/青石ももこ/ルチル文庫(2011年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!

【あらすじ・感想など】
親の仕事の関係で7年間香港で暮らした鳥羽一束。
中学3年から日本の学校に通い始めるが、馴染めないまま高校へと進学した。
毎日のように旧校舎に入り込み、ひとりでぼんやりしていた一束だが、そこへある日3年生の弓削圭輔がやってくる。
気さくに話しかけてくる圭輔に戸惑い、警戒しながらも、いつしかその訪れを待つようになる一束だが…。

7歳から14歳までという多感な時期を香港で過ごした一束は、日本人だけど、言葉も生活も日本より香港の方が馴染んでいる。
日本での学校生活は、そんな一束にとってストレスがいっぱい。
日本人からは距離をおかれ、帰国子女のクラスメイトの感覚にもついていけない。
本当は不安なのに不安を表に出す勇気もない一束は、ひとり孤立していて、学校で落ち着ける場所は誰もいない旧校舎の教室だけ。
そこへ現れた圭輔は下級生にも人気のある有名な先輩なのに、一束に対して同じ目線で、気さくに話してきた。
最初は自分のテリトリーに踏み込まれるのを拒んでいた一束も、構えることなく話すことの出来る圭輔に次第に心を許すようになっていく。
その気持ちは恋心へと変わり、圭輔も同じ気持ちを持っている事を知るのだが、臆病は一束はそれを拒んでしまった。
それから13年。
香港で偶然仕事仲間として再会したふたりだったが…。
という、再会もの。
多感な時期に香港にいた一束は、日本語、広東語、英語といろいろな言葉を話せるのですが、それは同時にパーソナリティの不安を招いています。
日本人にも香港人にもなりきれない。
そうした揺れに加えて、日本語は話せてもボキャブラリー不足なので自信が無い。
性格的に外向的ではなく、不器用な一束は、日本の学校生活に馴染めません。
圭輔が現れたことで本当は寂しさを抱えていた一束の心は癒され、次第に恋愛感情へと発展し、そして圭輔も同じ気持ちを持っていてくれた事を知り…と、順調にふたりの仲は進展していたのに、何故一束は圭輔を拒んだのか。
それにはある事情があったのですが、この難しい年頃で、周囲に馴染めないことを苦しく思っている一束にとっては、好きな相手を拒んでしまうくらいに大きな事なんだろうなと思います。
一束も圭輔も傷ついてしまう結果にはなってしまうけれど…。
好き合っていても、それ以上に傷つくことを恐れてしまったふたりが離ればなれになってしまったのは、仕方のないことなのかもしれない。
年上で一束からしたら大人に感じる圭輔だって、所詮まだ高校生ですもんね。
そんな過去がありますが、大人になって再会したふたりは表面上何事もなかったように言葉を交わします。
でも、本当はお互いに心は揺れている。
それを掻き回す立ち位置にいるのが、佐伯という圭輔の先輩社員であり、一束の恋人でもある男です。
圭輔にとって佐伯は仕事上尊敬してやまない人物だけど、佐伯は結婚しているし、一束が絡むと嫉妬せずにはいられない存在。
一方、一束にとっては、佐伯はドライな感覚で互いに慰め合っている相手。
一束と佐伯は互いに好意を持っているけれど、それは恋愛感情というより、寂しさや孤独と戦う同士といった感じです。
似たもの同士なんですよね。
一束が圭輔と向き合えたのは、佐伯との日々があったからなんだろうと思います。
圭輔も、佐伯に刺激されている。
3人の関係が、とても効果的に働いていました。

それにしても佐伯…かなり存在感あります。
佐伯は冷めた態度を取っているけれど、中身は結構熱い人だと思うんですよね。
それを他人に見せないだけで。
圭輔に対して常に余裕な態度をとり続けていますが、どうにもならない部分で圭輔にコンプレックスを持っています。
常に明るい場所にいる圭輔に。
もちろん、圭輔だって悩んだり苦しんだり、失敗したりする。
それを分かっていても、自分が大切にしている一束の気持ちが圭輔に向かうことに嫉妬してしまう佐伯の様子が人間くさくて、キャラが一気に身近に感じられるようになりました。
佐伯は寂しい人だけど、近づいてみて気付くそんな熱が人を惹きつけるのだろうなぁと思います。
【追記 2012.3.22】佐伯のスピンオフが出ました!(下記参照)

濡れ場は多くないですが、物足りなさは感じませんでした。
ボリュームと流れ的にエロを盛り込むのがなかなか難しかったのか、書き下ろしの方は少し慌ただしく突入してるかな?
でも美味しかったので無問題!
ちなみに、「細長いチューブ」の登場に、私は別の期待をしてしまってニヤニヤしてしまいました(笑)

ということで、一穂先生の新刊は再会ものでした。
一穂先生は今月2冊出ていてどちらも面白かったですが、私はこちらの方が断然好みです!
前半の切ない高校時代のエピソードと、後半の大人になってからのエピソードがいいバランスで入っていました。
過去も現在も、一束と圭輔が、景色や匂い、そういった感覚的な部分を共有している場面のが好き。
大きな出来事じゃなく、そんな一瞬一瞬のシーンが心に刻み込まれていく。
時間はかかったけれど、13年間ふたりが大切にしてきた想いがようやく繋がることが出来てホッとしました。
当て馬の佐伯もとても味があってよかったです。
そして、脇の存在感が濃いと相手役が薄れそうですが、圭輔もちゃんと輝いていたので面白かった。
一穂先生は毎回情景描写が上手いなぁと思います。
エネルギッシュな香港に行きたくなりますね♪
青石先生の挿絵もステキ!
あとがきで一穂先生が「肘から手首にかけてのラインに萌え」と書かれていましたが、全力で同意ですよー!
圭輔格好いい!一束かわいい!
ワンコも可愛いww
大満足の1冊でした~。

■シリーズ
「is in you」 圭輔×一束
「off you go」 良時×密
「ステノグラフィカ」 西口×碧
「アンフォーゲタブル」 冬梧×望

is in you (幻冬舎ルチル文庫) off you go (幻冬舎ルチル文庫) ステノグラフィカ (幻冬舎ルチル文庫) アンフォーゲタブル (幻冬舎ルチル文庫)
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2011.03.24 00:45 | 一穂ミチ | trackback(1) | comment(0)
            












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2011.03.31 17:05 | だらだらオトメン日記

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