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BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

硝子の花束 :杉原理生

4344814096硝子の花束 (幻冬舎ルチル文庫)
杉原 理生
幻冬舎コミックス 2008-08-18

by G-Tools

胸が痛かった…。
でもその痛さに萌えてしまうのです。
【硝子の花束/杉原理生/佐倉ハイジ/ルチル文庫(2008年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!

【あらすじ・感想など】
幼い頃、両親の離婚で離ればなれになってしまった瑛と兄の雅紀。
不在がちな父と暮らしはじめた瑛は隣家に住む兄と同い年の脩一と出会い、脩一とのあたたかく幸せな時間が、瑛の寂しさや不安を癒していた。
そんな中、母と暮らしていた雅紀が戻ってくる。
脩一は雅紀と親しくなっていくが、瑛はそんなふたりに複雑な気持ちを抱いていて…。

幼い頃に出会い、いつしか脩一に恋心を抱くようになっていた瑛。
でも気付いた時には脩一の側には自分ではなく雅紀がいて、手を伸ばせないまま大学進学で家を出た脩一と離れてしまった。
脩一への届かない想いに苦しんでいたある日、雅紀に脩一と付き合うと告げられるが、それは兄の事故死によって実現することはなく、瑛も脩一も吐き出すことの出来ない想いに苦しむことに。
精神的に追い詰められたふたりは、関係を持つことでそれぞれに現実から目を逸らしていたのですが、それは破綻してしまう。
傷ついても脩一への想いを手放すことが出来ず、大学生になった瑛は脩一と暮らしはじめるのだが…。
そこに至るまでには様々な出来事があるのですが、話は瑛が脩一の部屋に同居しているところから始まります。
お互いに踏み込んではいけない部分を見て見ぬ振りをして、一見平穏な日々を送っているのだけれど、その静かに張り詰めた空気はもう限界に近づいている。
そこに雅紀がかつて家庭教師をしていた本宮が現れたことによって、止まっていたふたりの間の時間が流れ始めます。
大きく分けて、幼い頃から雅紀が亡くなるまで、瑛と脩一が精神的に追い詰められていた時期、そして同居している現在。
その3つの区切りの中で何が起こり、3人の関係がどう変わっていったのかを、過去を振り返る形で追っています。
雅紀は亡くなっていますが、瑛と脩一と雅紀の三角関係ですね。
瑛と脩一は互いに想い合っているのですが、ふたりの間にあるいくつものハードルによってその想いは複雑に絡み合っています。
瑛と雅紀が兄弟であること、雅紀と脩一が親友であること、瑛と脩一の年齢が離れていること、そして一番大きいのは雅紀が亡くなっていること。
雅紀は脩一と瑛が表に出さない気持ちを何となく感じてはいたけれど、それに対して何もしないうちに亡くなってしまった。
ふたりの気持ちが噛み合わなかった原因だった雅紀が亡くなっても、その存在はふたりの間に特別な意味を持ってあり続けます。
年齢差も大きいですよね。
出会ったとき、幼稚園児と小学6年生。
大人になってからの6歳差は大した事ないけれど、どんどん成長していく子供の頃の6歳差はとても大きいです。
脩一が自分の気持ちを自覚できなかったのは、出会ったときの年齢と、雅紀の存在と、そして雅紀のかけたある『暗示』があったから。
瑛と脩一の関係が前に進めなかった原因は、瑛を受けとめようとしない、受けとめられない脩一の心が大きかったのだと思います。
互いに手放せない気持ちを抱えたまま時間を止めていたふたりの関係に対して、痛みを伴っても、次のステップに進みたいと思うようになる瑛の変化。
それが脩一の心を動かしていく。
最初から最後まで、瑛の一途な想いに胸が痛いです。
特に、軌道修正が出来ないまま、ふたりが精神的に追い詰められていく様子が痛くて胸が苦しかった…。
ここには書ききれませんが、3人の置かれた状況や関係が感情の動きに繋がっているのがしっかり伝わってきます。
ふたりの関係が変わる切っ掛けが派手じゃないのがいいですね。
グルグルし続けるふたりに、ちゃんと着地点があるのか不安になりながら読みすすめていましたが…。
事故とか事件とか、そういった危機的な状況に陥っているわけではなく、本宮の登場があるとはいえ、瑛が自分の心と向き合って答えを出していく展開が好印象でした。

濡れ場は多くありません。
でもめちゃくちゃ萌えた!
私、甘さと精神的な痛みがごっちゃになったエッチシーンが好きなんですよね。
さらに、発作に萌え…!
必死な瑛が可愛くて仕方ない。
読んでいる私も痛いけれど、そんなエッチは美味しいです。
まぁ、萌えながらも「脩一お前(怒)」と思ってましたけど(笑)

ということで、感じた事が上手く言葉に出来なくてもどかしいのですが、切なさと萌えとあたたかい気持ちがごっちゃになって泣かされた1冊でした。
杉原先生は切ない作品が多いですが、痛さが切なさを超えてドロドロとした部分が垣間見えてくるような作品も時々あるように思います。
今回の話は、見方によっては瑛や脩一の執着心に仄暗さを感じますが、レーベルや挿絵の印象もあって読後感は穏やかですね。
この話は全編瑛視点なので、脩一と雅紀の間に起こった事は結局最後まで詳しくは分かりません。
瑛に対しては攻だけど、雅紀に対しては受っぽい脩一がとても気になる…。
脩一のヘタレっぷりがなかなか酷いです(笑)
本編はボリュームの割に中身が詰まっていて、これ以上エピソードが入ったりすると重くなりすぎると思うけれど、脩一と雅紀の話や、その後のふたりの甘い生活とか、過去の痛さと甘さがごっちゃになっている頃のふたりとか、垣間見たい場面がいっぱいです…!
痛いけれど、最後はあたたかい気持ちになれる作品でした。
胸が締め付けられるような切ない話が読みたい時にオススメです♪

こんな時こそ笑って萌えて元気になれるラブコメとかを紹介したいと思ったのですが、私の手元にはあまりそのタイプの本がなかったという…。
でも逆に、泣ける話もいいと思うのです。
涙で心が楽になる事もありますよね。
被災された方々に対し私が直接出来ることは募金などしかありませんが、少しでも元気を取り戻していただける事を心より願っています。
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2011.03.17 01:57 | 杉原理生 | trackback(0) | comment(0)
            












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