にゃんこのBL徒然日記

BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

禁縛 :剛しいら

4829625015禁縛 (プラチナ文庫)
剛 しいら
フランス書院 2011-02-10

by G-Tools

このタイトルと表紙をスルー出来るわけがない…。
面白かったです。SM大好き!緊縛大好き!
【禁縛/剛しいら/嵩梨尚/プラチナ文庫(2011年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!

【あらすじ・感想など】
天才緊縛師であった筧が亡くなり、弟子の安念龍地がそのすべてを継いだ。
ある日龍地の元に、歌舞伎役者である松波草矢が訪ねてくるのだが…。

草矢は尾形吉矢という名前で活躍する女形の歌舞伎役者。
代々続く尾形一門の長男として生まれ、幼い頃から女形になるために稽古を積み、生活のすべてはそのために捧げられていた。
その期待通り、将来を嘱望される若手女形として活躍している草矢だが、20歳を超えると結婚を期待する周囲の声にストレスを感じるように。
女性に対する興味を持てずにいた草矢は、強引に会わされたカウンセラーを介して、龍地のいる世界に足を踏み入れる。
草矢は自分が求めていたものに気付くのだが…。
という、歌舞伎役者が緊縛の世界に足を踏み入れ、自分を見つめる話です。
草矢と同じように、一般の人からしたら緊縛は裏の世界のもので、身近にあるものではないですよね。
そこに何故足を踏み入れることになったのか。
そこで得たものは何なのか。
草矢だけでなく、龍地の側からも踏み込んでいます。
歌舞伎という世界の中でしか生きて来られなかった草矢に対して、龍地は一般家庭の生まれながらも重い過去を背負っている。
姉の病気を苦にした心中で家族を失った龍地は、姉に対する複雑な感情から逃れることが出来ず、その結果緊縛の世界へ飛び込みます。
龍地にとって、救えなかった姉に向き合うためなので、性的嗜好とは必ずしも一致していません。
仕事で人を縛っても、自分の身体を使った性行為までは及ばない。
でも、草矢はそんな龍地の心を揺さぶります。
草矢も龍地に惹かれていく。
草矢の場合は自分を解放してくれた龍地に精神的に依存している部分があるのですが、龍地に興味を持ったからこそそこに至ったわけだし、龍地も草矢へ特別な感情を持っていたからこそ、緊縛という入り口から恋愛に発展しているんですよね。
その感情の流れがちゃんと感じられるので、プレイだけでなく、恋愛面もしっかり読ませる話になっていました。

緊縛を始めとしたSMが話の中心になっている場合、どうしてもSM考や精神論に繋がっていくので、内へ内へと入っていく作品が多い。
作品として成り立たせるためにその掘り下げは必要で、キャラがそこを乗り越えるステップが重要になってくると思います。
自分がどうして縛られたいのか、縛りたいのか、それを理解するために自分と向き合い、相手を見つめないといけない。
その結果、冗長になりがちで、着地点が難しい。
その点、今回のこの作品は全体的にはシリアス寄りで、内面にも踏み込んでいるけれど、読後感は意外に軽い(明るい)のが印象的でした。
それぞれの過去はともかく、ふたりの関係はジメジメしていません。
これは草矢のキャラによるところが大きいのではないかなと思います。
緊縛に関しては悩んでいますが、草矢の自分の才能や仕事に対するプライドがうまく働いて、全体的には外に向かっている。
そして、草矢がかわいいのです!
弱い自分を知りながらも、自分を守るために気を張っていなくてはいけないストレスから脱した草矢の素顔にやられました。
甘える草矢も可愛いが、凛とした草矢もステキ。
草矢が迎えと一緒に家に戻っていく場面がすごく好きです。
龍地に見せていた顔も、家族に見せる顔も、仕事で見せる顔も、それぞれ違うのにすべてが魅力的。
日常と非日常の切り替わるスイッチにドキッとさせられます。
龍地が姉と似ていると感じたように、序盤は自分を受けとめてくれるものを求める不安定さ、ギリギリのところに立っている危うさがあります。
でも、龍地に縛られる事で得られる解放を知って、どんどん精神的に変わっていく。
そんな草矢のキャラクターがこの話の魅力に繋がっていました。
草矢のような、芯の強い受が大好きです!

そして!!
もちろん、緊縛なのでエロは萌えまくりですよ…!!
静かな中にある熱量に、私の腐心も萌え上がりました。
描写としてはそんなに多くないのに、妄想がかきたてられてドキドキです。
普段強気なのに、スイッチが入ると途端に健気になる草矢がエロくてたまらん!
あぁ…羞恥に悶える草矢がもっと見たいです。
伝統文化の世界にも萌え。

ということで、タイトルからして買わずにはいられなかった剛先生の緊縛本。
緊縛を始めとしたSMは奥が深いです。
縛られたい=自分を解放したい
縛りたい=苦しんでいる相手を解放したい
そんな心理が隠れていたり(求める理由は人それぞれ違うと思います)、それには信頼関係が必要だったり。
一見Sが主役のように見えるけれど、Mが解放されるためにSはMに奉仕しているという形を考えるなら、実際はMが主役なのでは?
SがMを自分の方に引き寄せるという見方も出来ますが…。
そういった辺りは暁先生の「快楽の支配者」で掘り下げられていたので、興味のある方はそちらもどうぞ~。
因みに、SMと言えば私は山藍先生を連想してしまうのですが、山藍先生はSMを扱ってもSM考に転がりません。
当たり前のことのようにSMが耽美の世界にある。
BLと耽美はまた違うカテゴリーなのだとは思いますが(その区別がどこにあるのか私にはハッキリ説明出来ませんが)、SMを考えていると、山藍先生の作品はすごいのだと改めて感じます。
そうした作品と比べると、この作品は要点は押さえていますがそこまでSM考や精神論に寄った話ではないので、緊縛を扱っている話としては読みやすいと思います。
ところで、私は以前から剛先生は少し離れたところから見ているような冷めた感覚があるなぁと感じていて、普通の話だと私はそれが少し苦手だったのですが、こういったJUNEっぽい作品だととても合いますね。
その距離感がいい方向に効いてる。
面白かったです!
緊縛大好き!SM大好き!
欲を言うなら、新書などでもっとじっくり読みたかったなぁ。
話に加え、挿絵(表紙)も色気があってステキでした。
特殊なテーマですが、気になる方は是非!オススメです♪
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2011.03.03 01:29 | 剛しいら | trackback(0) | comment(2)
            

にゃんこさん

こんにちは。
剛さんの作品は10代のおわりによんだっきりで、最近は読んでいなかったのですが、手に取ってみたくなりました。

先日も文春の読書コーナーで『花扇』の復刻版が絶賛されていて、ジュンク堂でもアマゾンでも売り切れで、涙涙でした。
にゃんこさんのおっしゃっているように、ちょっと冷めた視点ですよね! 私も面白いと思いながら、仕事をはじめて気がつけば口当たりのいいものばかりを求めがちだったのかも…。
ところで、
山藍さんは、あまりにも突出してますよね。なにか神がかっているとしか思えないのですが!
雪深い地方にお住まいだということで、都内の喧騒から隔離された素敵な地方で執筆されているのでしょうか…?

にゃんこさんがおすすめの『帰宅』もきっと読んだと思うのですが、遠い記憶のかなたで、ぜひ取り寄せてみたい気持ちになりました。

いつもにゃんこさんのぶろぐを頼りにしています。ありがとうございます!
これからもがんばってください♪

モグ

2011.04.15 10:28 URL | #- [ 編集 ]

モグさん、こんばんは!

剛先生は人気作家さんですが、個人的には当たり外れがあるので作家買いはしていません。
なのに時々「これは…!」となるタイトルが出るので思わず買ってしまう…。
この「禁縛」もそうですが、「匣男」とか手に取らずにはいられませんでした(笑)
「帰宅」は剛先生の冷めた文体がJUNEの雰囲気とマッチしていてオススメですよ~♪
見かけたら是非是非!

山藍先生は日本海側の某地方にお住まいのようです。
考えてみれば、確かに作品の雰囲気に通じる所があるのかも…!

コメントありがとうございました(*´ェ`*)
レスが遅くなり申し訳ありませんっ!またぜひおいでくださいませ~♪

2011.04.19 02:43 URL | にゃんこ #fwkSvwQ6 [ 編集 ]













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