にゃんこのBL徒然日記

BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

飼い主はなつかない :菱沢九月

4199005889飼い主はなつかない (キャラ文庫)
菱沢 九月
徳間書店 2010-09-25

by G-Tools

菱沢先生がファンタジー書くのは珍しいですね。
でも、終わってみればいつもの菱沢先生でした!
【飼い主はなつかない/菱沢九月/高星麻子/Chara文庫(2010年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!

【あらすじ・感想など】
子供の頃から、他の人には見えないものが見えていた浅井夏生。
そのせいで人との関わりが薄く孤立していた夏生も、春に就職し社会人となった。
ある日、週に何度か通うようになっていたレストランで、アルバイトのウエイター・作倉哲志に話しかけられる。
冷たくしてもめげずに話しかけてくる作倉に、戸惑いを覚える夏生だが…。

夏生は、人のオーラが見える特異体質を持っている。
色つきのそれは個々に色が異なり、夏生にとって人は色の印象の方が強い。
生きていない人の持つ色も見えてしまい、相手が存在する人間なのかどうかの区別がつきづらい夏生は、そのせいで初対面の人間を無視する癖がついていた。
そんな夏生の前にある日現れた作倉は、冷たい態度の夏生にめげず、会う度に親しげに話しかけ、さらに夏生の生活能力が皆無なのを知って、何故か甲斐甲斐しく世話をしてくれるように。
作倉の持つ、今までに見たことのない色のオーラに心が動かされていた夏生は、作倉の押しに次第にその存在を受け入れていく。
作倉の存在が日常になり、そして好意を自覚するようになるのだが…。
という、ファンタジー要素の入った話です。
他人にも自分にも興味が薄い夏生の背景にあるのは、人の色(オーラ)が見えるという特殊能力。
そのせいで、子供の頃から親に理解されず、家でも学校でも浮いた存在だった。
夏生が他人にも自分にも関心が薄い背景にあるのはそうした生い立ちです。
序盤はあまりに夏生が体温の感じられないキャラで、果たして共感できるのかと心配ていたのですが、夏生が抱えていたものを知ると一気に愛着が沸きました。
自分の心を守るために、無関心になるしかなかった夏生が切ない。
マウスのエピソードが思いがけない展開で吃驚ですよ。
夏生の不思議キャラを象徴しているだけなのかと思いきや…涙腺直撃しました。
一方の作倉は、しっかりしたキャラですが実は高校生です。
夏生より6歳も年下。
かっこよくて性格もよくて、これでモテないわけがないだろうという印象なのですが、事故による怪我で夢を諦めざるを得なくなった過去があります。
作倉と出会ったことで、無気力だった日々が変わっていく。
ふたりとも、相手の存在によって心のリハビリをしているんですよね。
「好き」という気持ちが力になっている。
作倉の親友の言葉もよかった。
友だちでもありライバルでもあって、お互いに認め合ってるんだろうなぁというのが伝わって来ます。
夏生のキャラにインパクトがあるので、作倉の影が薄くなるのではないかと思っていたのですが、ちゃんと背景もしっかりしていて安心しました。

夏生と作倉が付き合い始めるまでの話が、雑誌掲載分の表題作。
その後の話が、書き下ろし分の『飼い主は騙されない』です。
レストランに新しく入ってきたアルバイト・菊池航太が、作倉の関係をネタに、自分と付き合えと夏生を脅してきて…という話。
夏生に好意を持っているようには見えないのに、何故付き合えと脅すのか。
読み進めても菊池の目的がよく分からず、気になって一気に読んでしまいました。
まぁ、この事件の大元は結局菊池の性格で、コンプレックスや嫉妬が今回の事件に繋がっていたわけですが、意外と憎めない奴だったので読後感は悪くなかったです。
それよりも、夏生が作倉との関係の中で少しずつ外部を受け入れていくのがよく分かって、微笑ましくなりますよ~。
それにしても、夏生は一旦心を許すと一気に可愛くなりますね。
表面上は淡々としているのに、甘えたがりで寂しがり屋、しかも言葉に羞恥心薄くて、ストレートに求めてくるなんて…!
そりゃもう作倉は翻弄されるしかないですよ!

菱沢先生は、淡泊な文章を書くのにエロはしっかりエロいから好き!
プレイはノーマルですが、細かいところの描写が萌えツボ突いてくるんです!
今回の二人も美味しかったです。はわゎゎ
夏生に煽られた作倉が、若いパワーで発憤してるのがいいですね(笑)

ということで、菱沢先生の新刊は見えないものが見えるというファンタジー。
あとがきによると、このファンタジー設定は担当さんの発案だったみたいですね。
そういえば、菱沢先生の作品でファンタジーって読んだことないかも。
菱沢先生は書き慣れないファンタジー要素に最初戸惑ったそうですが、作品の印象としては、特別他のものと違うという事はなかったように思います。
元々、菱沢先生の書かれる話は日常だけど身近な日常ではないものが多いですよね。
不思議ちゃんキャラや、特殊な家庭環境にあるキャラは珍しくない。
心に孤独を抱え、他人との間に壁を作っているキャラが、出会いによって心を開いていく話は多いです。
そう言う意味では、夏生はいつも通りの菱沢作品の受でした。
作倉も同じく。
でも、この設定だったからこそ話の軸が分かりやすかったし、単調にならなかったのでよかったと思います!
派手さはないけれど、じわじわと心掴まれる話でした。
関連記事
2010.10.13 01:36 | 菱沢九月 | trackback(0) | comment(0)
            












管理者にだけ表示

トラックバックURL↓
http://macnyanko.blog22.fc2.com/tb.php/900-17d3e38f

最近の記事

プロフィール

Author:にゃんこ
漫画も読むけれど、やっぱり小説が好き! 小説を中心にBL本の感想を書いています。

このBlogについて:Read me

日記&一言感想
→ にゃんこ雑記
お知らせ用twitter
お知らせ
中の人はこちら
つぶやき

Twetter

RECOMMEND

参加させていただいています!

【このBLがやばい!2019年度版】
(漫画中心に小説、CD含めBL全般)

【はじめての人のためのBLガイド】
(ほぼ漫画のみ)
はじめての人のためのBLガイド

作家さん別感想記事リスト

Comment

Trackback

サイトリンク

BL Novels TB

BL Comics TB

BL×B.L.People


お役立ち


with Ajax Amazon

メールフォーム

基本的にレスは雑記の方でしています。数日経っても応答がない場合は送信エラーの可能性があります。「取扱説明書」を参照してください。

名前:
メール:
件名:
本文:

RSSフィード

| ホーム |