にゃんこのBL徒然日記

BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

4813012167交渉人は嵌められる (SHYノベルス)
榎田 尤利
大洋図書 2010-07-29

by G-Tools

案の定というか予想以上というか、芽吹の過去が重いです。
だからこそ光る兵頭の存在!
【交渉人は嵌められる・交渉人は諦めない/榎田尤利/奈良千春/SHYノベルズ(2010年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!

【あらすじ・感想など】
ある日芽吹の元に送られてきたUSBメモリ。
そこには過去に芽吹が関わったある事件に関する情報があり、芽吹は再び過去と向き合う事になる。
しかし、同じ頃依頼人から預かったUSBメモリを巡って、兵頭や鵜沢とトラブルになった事で事態は迷走し…。

芽吹の手元にある2つのUSBメモリの取違が、今回の騒動の発端。
ひとつは、芽吹の過去に関わる情報の入った白いUSBメモリ。
もうひとつは、兵頭や鵜沢の属する真和会の極秘情報の入ったグレーのUSBメモリ。
グレーのメモリを狙っていた鵜沢が間違えて白のメモリを持ち去り、その後、鵜沢に対立している兵頭が白のメモリを渡すよう芽吹に迫る。
だが、芽吹にとってグレーのメモリは、ずっと抱えていた過去の過ちに報いるための重要な鍵である白のメモリを取り戻すために必要だった。
立場上メモリを手に入れなければいけない兵頭は、今を共にする自分より過去を選ぼうとする芽吹に憤りを隠せない。
兵頭はある人物の助けを借りることになるのだが…という所から、事件は大きく展開していきます。
序盤はお約束のドタバタでなんだかんだ言いつつ仲がいい芽吹と兵頭なのですが、メモリの登場を機にどんどんシリアスな展開に。
その原因は、交渉人とヤクザという立場の違いももちろんありますが、それよりも芽吹の心が過去に向いていることが兵頭にとっては大きいですね。
ただ、事件自体が重いので、芽吹が必死になるのは仕方ない。
芽吹が抱えていたのは「親友を死に追いやってしまった」という過去で、それが芽吹の「人を信じる」という信念に繋がっています。
死んだ人間は戻らないけれど、せめて事実は明らかにしたい。
その思いが芽吹を突き動かすのですが、今回のメモリ事件の裏には予想以上に大きな思惑が張り巡らされていました。
その中心人物が、天才詐欺師・環真人。
環の行動の根底にあるのは恨みとかではなくただの悪意なので始末に負えません。
人を信じない環だから、頑なに人を信じようとする芽吹の姿勢には苛立つし、何より、そんな芽吹が環お気に入りの兵頭の恋人だから益々気に入らない。
今回の一連の事件は、異なる側面を見せているけれど根っこは同じです。
壮大な環の詐欺ショーです。
それをどうやって芽吹たちが打ち破るのか、そこが見所のひとつでした。

そして、もうひとつ重要なのが、今の芽吹に繋がっている過去。
前作の「交渉人は振り返る」で匂わされていた過去が、この話の軸となっています。
親友だった若林陸を死に追いやってしまったという過去は、芽吹の思い込みではなく、本当にあった事実です。
その元凶は別にあるけれど、若林を追い込んでしまったのは芽吹。
もちろん、芽吹には悪意はなく、必死に助けようとしていたのですが…。
若林や芽吹の心の痛みを思うと、その裏で楽しんでいたであろう人物に腹が立って仕方ありません。
お前は人の人生狂わせて何が楽しいのか?!と言いたくなる。
(言ったら逆に言い負かされて凹みそうですが…)
ただ、荒治療ではあったけれど、いつかは直面することになっただろうし、結果的には良い方向へ落ち着いたので、戦いの意義はちゃんとありますよね。
芽吹にとっても、兵頭にとっても。

今回、兵頭の出番が少なくて、しかも芽吹と対立しちゃうわで「一体どうなるの?」と心配していたのですが、終盤一気に兵頭の株が上がりました。
芽吹も兵頭も格好いい!
やっぱり芽吹には兵頭が必要なんですよね。
前作でも同じように芽吹の危機を兵頭は一緒に乗り越えていたわけですが、今回の事件は改めてふたりの愛情や信頼を感じることができます。
事件後のふたりのやりとりに胸が熱くなりました。
普段見せている顔と、兵頭に見せる顔が違っていて、ふたりの間にあった距離がこんなに近づいていたのだと気付かされる。
芽吹にそんな相手がいるという事にホッとします。
そんなわけで、ふたりのセックスが熱い!
こんな必死な芽吹を見て萌えないわけがない…!!
行為はもちろん、ふたりの精神的な繋がりに萌えました。

ということで、交渉人シリーズの新作は「~嵌められる」「~諦めない」の2冊から成る前後編。
前作「~振り返る」に出てきていた伏線が今回の話のポイントでした。
とにかくもう芽吹の過去がこれでもかと重い。
今までも十分重かったのに、まだこんなヘヴィー級の過去を抱えていたとは…。
一見平穏そうな雰囲気の芽吹なので、その落差が痛いです。
こんな芽吹だから、兵頭みたいな相手じゃないと寄りかかれないんでしょうね。
このふたりが益々好きになりました。
あ、全然書いてませんがいつのもメンバーも大活躍してますよ!
キヨ、智紀、さゆりさん、七五三野、伯田などなど、芽吹の周囲には支えてくれる人達がいっぱいで、読んでいて嬉しくなってきます。
このほのぼのさとシリアスのバランスが大好きです!
シリーズはまだ続きます。
芽吹と兵頭の関係も気になりますが、次はキヨと智紀の話という事で…ついにこのふたりも進展するのかな?ワクワク~w
そのスピンオフを含めた3冊で全サの小冊子が応募できて、さらにワクワク!
待ち遠しいです♪

-余談-
ところで、今回奈良先生の画が……あまりに変化していて吃驚でした。
ここ数年画風が変わってきているなとは思っていたけれど、今回はかなり違う。
表紙や挿絵を見て、思わず「一体誰ですか?!」と突っ込みましたよ…。
兵頭は眼鏡で判別できますけどね(笑)
1作目「~黙らない」から順に並べると、奈良先生の絵柄の変遷が分かります。
個人的には、「~黙らない」のふたりが1番しっくりくる。
初期のタッチの方が好きなので、原点回帰してくれるといいなぁと思います。

4813012175交渉人は諦めない (SHYノベルス)
榎田 尤利
大洋図書 2010-07-29

by G-Tools


■シリーズ
「交渉人は黙らない」
「交渉人は疑わない」
「交渉人は振り返る」
「交渉人は嵌められる」
「交渉人は諦めない」

「交渉人は愛される」
「交渉人は休めない〜榎田尤利100冊記念特別版〜」

「スウィーパーはときどき笑う -交渉人シリーズEX.-」キヨ×智紀

交渉人は黙らない (SHYノベルス) 交渉人は疑わない (SHYノベルズ) 交渉人は振り返る (SHYノベルス) 交渉人は嵌められる (SHYノベルス) 交渉人は諦めない (SHYノベルス) 
交渉人は愛される (SHYノベルス) スウィーパーはときどき笑う 交渉人シリーズEX. (SHYノベルス) 交渉人は休めない~榎田尤利100冊記念特別版~ (SHYノベルス310)
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2010.08.13 00:56 | 榎田尤利 | trackback(0) | comment(0)
            












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