にゃんこのBL徒然日記

BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

凍える月影 :いとう由貴

4829624787凍える月影 (プラチナ文庫)
いとう 由貴
フランス書院 2010-05-10

by G-Tools

坊主頭に思わず表紙買い。
話は面白かったけれど、キャラが私の好みではなく…。
【凍える月影/いとう由貴/朝南かつみ/プラチナ文庫(2010年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!

【あらすじ・感想など】
室町時代。
京の都から将軍家の書状を届けるため、東国の縹国を訪れた僧侶・月永。
国主の中江義康の申し出によりしばらく縹国に留まることになった月永は、実はある目的のために動いていた。
思惑通り事は進んでいたのだが…。

誰もが魅入る美しい面立ちの月永。
縹国を訪れた月永の目的は、中江家への復讐だった。
その美貌を武器に義康を誘惑し、身体の関係を持つことで縹国の中へ入り込むが、月永が仕組んだ反乱が起こる直前に事態は一変。
月永は自分の存在意義を見失い、動揺するのだが…。
という、復讐ものです。
幼い頃に寺に拾われた月永は、その容貌もあり、生きるために否応なく稚児として僧侶の相手をさせられてきています。
それでも義康には月永は心も身体も清らかな人だと映るのですが…まぁ、そこは月永の演技力と義康の惚れた欲目もあるでしょう。
序盤は常に月永のペースで、義康は国主と言えどもまだその威厳を確立出来ていない、未熟さの残る人物として書かれています。
月永の復讐の目的は、殺された家族の仇討ち。
義康の母である前国主・義富の正妻・泰恵尼は嫉妬深く、義富の子を成した女の一家を抹殺するのですが、その子供はなんとか逃げ延び生き残っていた。
それが月永で、つまり義康と月永は異母兄弟になります。
月永は、母の所業を知らず生きている義康に対してではなく、直接的には義康の母親・泰恵尼への恨みをつのらせているのですが、それまでの苦しい日々が中江家全体の憎しみに繋がっている。
憎しみを糧に生きてきた月永には、中江家を滅ぼすという事しか目に入っていませんが、それが突然思惑とは別の方向へ動き出したことで状況が一変。
そうなってみてようやく自分の気持ちに目を向ける事になるのだけれど、復讐という名目を失った時、兄である義康への執着が一体何なのか分からず動揺します。
ここが話のターニングポイントになっているわけですが、月英や義康の心情変化、そして政治的な部分についても説得力のある流れで安心して読めました。
相手を喰っていたつもりが喰われてた、という形勢逆転劇が面白いです。
時代背景がこの展開を盛り上げてる!

身体の関係があっても、月永にとってはそれも作戦のうち。
だけど、今までとは違う自分の身体の反応に月永は戸惑います。
それは復讐しているという高揚感からくるものなのだと思っているので、その気持ちが行き場を失うとどうしていいか分からなくなってしまう。
恋愛感情もあったかもしれないけれど、月永の義康に対する感情は愛憎が一緒になっていて切り離すことが出来ない。
両方あるから余計に執着しているんでしょうね。
本編は精神的に形勢逆転した勢いのまま終わっていて、その後に収録されている『けものみち』でもう少し踏み込んだところが書かれています。
月永の心理描写はじっくり書かれていて、分かりやすい。
ただ、私は義康の事をもっと知りたかったです。
月永に惚れるのは分からないでもないですが…。
義康視点をもっと入れてくれるとよかったなと思います。

ということで、表紙の坊主に目を奪われ手に取り、あらすじを読んだら何やら美味しそうなニオイがしてきて思わず買ってしまったこの作品。
血縁もののドロドロは好物だし、坊主BL珍しい&エロそうでドキドキ!と、テンション高く読み始めました。
期待通りの愛憎劇が繰り広げられていた事には満足!
攻のキャラが弱いなぁと思う所はありますが、話はしっかりしていたと思います。
全体的に時代的な背景など、舞台設定に力が入っていますね。
私はいとう先生の作品を読むの二度目なのですが、以前読んだ作品も中国の歴史物。
歴史好きなのかしら…と思いながら読んでいたので、あとがきで納得しました。
その情熱を感じられる作品だなと思います。
ただ、本当に個人的な好みなのですが…。
私、月永のキャラが好きになれないのです…すみません。
挿絵の印象も大きいのだけれど、その過度の妖艶さが鼻につく。
朝南先生の挿絵は大好きです。
乱された僧衣にも萌える。
だけど、こういった禁欲的な職(実際は稚児が男色の対象となっていたりするので、禁欲してないかもだけれど)に就いている人に、狡猾さを見たくないんですよ…。
なので、月永も、月永に溺れる義康も、私は好きになれずに終わってしまいました。
そこが気にならなければ、きっと萌えいっぱいだと思います!
キャラ萌えってやっぱり重要だなぁ…。
歯切れの悪い感想で申し訳ない。
話自体は読み応えがあるので、時代物が好きな方、血縁ものが好きな方、僧侶萌えの方などにはオススメです。
ドロドロとした愛憎劇をお楽しみくださいませ~。
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2010.05.22 01:06 | いとう由貴 | trackback(0) | comment(0)
            












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