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BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

宵山に啼く恋し鳥 :絢谷りつこ

4796400303宵山に啼く恋し鳥 (ガッシュ文庫)
絢谷 りつこ
海王社 2010-01-09

by G-Tools

受の京都弁にめっぽう弱い私。
舞台設定とキャラ設定がステキです!
【宵山に啼く恋し鳥/絢谷りつこ/金ひかる/GUSH文庫(2010年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!

【あらすじ・感想など】
京都祇園にある小川旅館、その若き主・敦彦は、ある事情から双子の兄・芳彦として生きていた。
ある日、そこへ鴻野倫太郎という男が敦彦に会うため、小川旅館を訪れる。
倫太郎と敦彦は、4年前情を交わした仲だった。
しかし芳彦として生きている敦彦は、自分を求める倫太郎の気持ちに応えることが出来ず…。

昭和7年。
江戸時代から商いを続けてきた小川旅館だが、今は亡き先代の泉一が病に倒れた頃から家計は苦しく、ここ半年客足が途絶えていた。
その切っ掛けは、4年前のある事故。
橋から転落して「敦彦」が亡くなったその事故には、ある秘密が隠されていた。
父の死後旅館の主となり、嫁を貰い、子供が生まれたばかりだった兄・芳彦。
事故で死んだのは芳彦だったが、一家の中心となっていた出来のいい兄がいなくなってはいけないと、敦彦は芳彦と入れ替わり、それ以来「芳彦」として家族に対しても秘密を抱えたまま生きている。
しかし、敦彦としての心を封印して生きていく覚悟を決めている敦彦は、捨てられない想いを抱えていた。
4年前に恋に堕ち、身体を重ね合った倫太郎との別れ。
家族を捨てることが出来ず、差し出された手を取れなかったが、愛する気持ちは本当だった。
そんなある日、倫太郎が敦彦を訪ねて小川旅館に現れる。
「敦彦」は死んだのだと知り、悲しむ倫太郎に、敦彦の心は揺れるのだが…。
双子とは言え、誰にも気付かれず入れ替わるなんて無理なんじゃないかと思うのですが…その辺りの違和感は時代背景でどうにか曖昧になっています。
それでも嫁と母親を騙すのは無理があると思うんですけどね。
まぁそこはフィクションという事で、深く突っ込んではいけません。
兎にも角にも、「芳彦」として生きていく事を決めた敦彦は、再会した倫太郎に想いを告げることが出来ず、苦しみます。
倫太郎が「敦彦」への想いを「芳彦」の自分に語ったり、「敦彦」と間違えて抱きしめられたり、倫太郎の熱い想いを知れば知るほど追い詰められていく。
どれだけ倫太郎へ想いを募らせても、旅館に縛られている敦彦にはどうすることも出来ません。
そして、さらに敦彦にとって枷になっているのは、家の借金の問題です。
この事態を招いた発端でもある坪倉という資産家からの借金は膨大で、今の経営状態では返せる見込みもない。
しかも坪倉は「芳彦」の正体を知っている。
それをネタに坪倉は敦彦に愛人になれと迫っているのですが、この問題が予想以上に泥沼で吃驚でした。
敦彦が今の状況を脱することが出来ない裏に、こんな事があったなんて…。
この八方ふさがりな状態の中で膨らんでいく敦彦の想いが、4年前の幸せだった思い出と交錯し、切なくて溜まりませんでした。

この作品のポイントは、敦彦と倫太郎がどうにも出来ない恋情で苦しむところ。
場面設定がそれを効果的に盛り上げていたと思います。
多少無理はありつつもそこは時代性で乗り切っているし、この時代背景だからこそ盛り上がっているという面もありますね。
京都という土地柄も、説得力がありました。
京都弁も祇園祭もこの作品の魅力になっていて、しっとりとしたラブストーリーに仕上がっていると思います!

敦彦のキャラもよかったです。
初めは健気で線の細い美人さんかと思っていたのですが、思いの外熱い人。
表向きは清楚で潔癖そうなのに、その裏で倫太郎への欲情を我慢できず自慰をしてしまったり、そんなギャップに萌えました。
倫太郎は「芳彦」に素直な気持ちを吐露しているし、少なくとも序盤は、相手が死んでいるから気持ちを昇華するしかないと思ってる。
でも、敦彦はずっとそんな倫太郎の気持ちを聞きつつ、自分の心に秘め続けているから、どんどん気持ちが膨れあがっていってしまうんですよね…。
それが欲情へと結びついているところが、ちゃんと人間らしさを感じられていいなぁと思いました。
全体的には肌色率高くないです。
ただ、その敦彦の意外な積極性と京都弁が相まってなかなか美味しかった~。
何より私が心を奪われたのは……倫太郎がとある場所に電燈を近づける場面です!
受が恥ずかしがる姿に激萌え…!!
こういう、ちょっとした描写で萌え倍増することってありますよね。
ツボに嵌りました。

ということで、絢谷先生の作品初読みでしたが面白かったです。
舞台設定とキャラ設定がいい。
堅くなりすぎず、人間味がちゃんと感じられるので読みやすい。
最近、特に小説は作家買い中心で手を広げてなかったのですが、1月のGUSH文庫でなんとなく手を伸ばした栗城先生の「蛍火」と絢谷先生が当たりでした♪
たまにはこうして新規開拓もしていきたいなぁと思います!
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2010.02.04 00:42 | 絢谷りつこ | trackback(0) | comment(0)
            












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