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愛の報復 :仔犬養ジン

4048682628愛の報復 (B‐PRINCE文庫)
仔犬養 ジン
アスキーメディアワークス 2010-01-07

by G-Tools

前の作品から3年近く経っているのですね…。
個性的で読み手を選びそうですが、私はこの雰囲気好きです。
【愛の報復/仔犬養ジン/鬼塚征士/B-PRINCE文庫(2010年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!

【あらすじ・感想など】
フランスの片田舎で、”掃除屋”として裏の仕事をしているゾルバ一家。
その末息子であるガエルは、年の離れた義兄・オリヴィエを愛していた。
しかしその想いは届くことはなく、オリヴィエは突然姿を消す。
養父・ゾルバを殺し、「家族」を裏切ったオリヴィエに復讐するため、ガエルはある島に向かうのだが…。

ゾルバの息子は4人いますが、皆養子で血の繋がりはありません。
ガエルは7歳の時に引き取られてきて、今まで知らなかった愛情を与えてくれたオリヴィエに懐き、それはいつしか恋愛感情になっていく。
でも、オリヴィエはガエルに家族愛以上の感情は持っておらず、好きだと言うガエルに向かって「愛しているが、そういう意味ではない」と突き放します。
そして、突然の失踪と、ゾルバ殺害疑惑。
それ以来兄弟たちはオリヴィエへの復讐の機会をうかがい、ガエルは愛していたが故に激しく憎んでいる。
8年後、ゾルバの故郷の島にいるという情報を掴んだガエルは、義兄のダビと共にオリヴィエ殺害を計画。
しかしその計画は失敗し、ガエルはオリヴィエに囚われ、オリヴィエの口から8年前の真実を聞かされるのだが…。
義兄弟もので、復讐ものです。
ガエルがオリヴィエと出会ったのは7歳の時で、別れたのは13歳。
愛情に飢えていたガエルはオリヴィエに懐くのですが、一方で身知らずの男性との行きずりの関係も絶えずあります。
自分の居場所を求めてるんですよね。
オリヴィエはそれに気付きながらも上手くフォローできず、結果的に本人の気付かないうちにガエルを傷つけている。
そうした二人の関係は「家族」の関係に少しずつ影響を与えていて、ガエルと関係を持った男たちの連続殺害事件、ゾルバの殺害事件へと繋がっていく。
ガエルはオリヴィエを愛していたが故にオリヴィエへ憎悪を募らせ、復讐という形で決着を付けようとします。
でも、ガエルの心は本人が思っている以上に不安定で、オリヴィエとの再会によって心が揺れ始める。
それは、ガエルの心に染みついているオリヴィエに対する愛情も原因ですが、自分が今まで信じていた復讐の理由に対して疑問を持った事も大きい。
でも、だからといってオリヴィエを信じる事も出来ずにいる。
その不安定な中、オリヴィエから自分への想いを告げられ、ガエルは益々混乱していきます。
序盤、ガエルの過去や現在の状況が語られますが、その時点でガエルは、世の中を斜めから見ていて、自分の容姿に誘惑される大人たちを冷めた目で見ている、若いけれど達観した人物という印象でした。
その印象が、オリヴィエとの再会後どんどん崩れ、隙がいっぱい出てくる。
オリヴィエの前で見せる表情に、どんどん惹かれてしまいました。
この思いがけないギャップがかなり効いています。
ガエルが自分の心に振り回されている姿が可愛い!
その容姿もあるけれど、この意外な不器用さと寂しがり屋な部分が、無自覚に男を惹き寄せているんじゃないかなぁ。
このふたりは遠回りしていますが、それによって自分と向き合い、素直な気持ちをぶつけられたからこそ上手くいったのだと思います。
なんだかホッとしました。

あ、濡れ場はあっさりしている割に萌えました。
くどいようですが、ガエルが崩れていく様が可愛いのです!
最後のエッチなんてもう…!!
その恥じらい具合に悶えます。
思いがけず堪能できました!美味しい!

ということで、約3年ぶりの仔犬養先生の新刊。
正直なところ、前回が地味なGENKIノベルズだっただけに、もう出ないのかと思っていました…。
読めて嬉しい!
前作同様、今回も個性的で骨太な話です。
登場人物は皆外国人。
しかも、主人公のガエルは白人ではなくアラブ系の有色人種。
相手のオリヴィエは白人ですが、外人同士でもこういった組み合わせはBLでは珍しいですね。
そして、慣れたからか前回よりは読みやすかったですが、相変わらず文体は独特の雰囲気があって、これは読む人を選ぶかもしれません。
行間からくみ取らないといけない部分が大きいように感じます。
自分の読解力の問題かもしれませんが、文中によく出てくる三人称の「彼」が誰を指すのかすぐに理解できなかったり。
最初は取っ付きにくくてなかなか読み進められませんでした…。
でも、上記のようにガエルのキャラが掴めてくると、一気に話に入り込んで、最後には心奪われていましたよ!
難航しつつも満足度が高かったのは、間違いなくキャラの魅力が大きかったからですね。
それがあって、骨太なのに最後は純愛モード。
特に後半が面白かったです!
マイペースでいいので、これからも商業誌で書いて欲しいなぁ。
好みは分かれると思いますが、私は好きです。
あ、そして挿絵もステキなのです!渋い!!
中身とマッチしていて、作品を引き立てていました。
気になる方は是非どうぞ~♪
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2010.01.24 01:43 | 仔犬養ジン | trackback(0) | comment(2)
            

にゃんこさん、はじめまして。きじとらのねこと申します。

仔犬養ジンさん、私は今作が初読みですが、貴重な個性を持った作家さんだと思いました。確かに読み手は選びそうですね。

好きなシーンは、オリヴィエが最高の日のためにとっておいたマッチで念願を叶えるところです。台詞が渋く、かつキュンと来ます。

小説B-boyに発売記念スペシャルショートが載っているんですが、ガエルは可愛さ三倍増しですよ。

2010.01.24 02:19 URL | きじとらのねこ #- [ 編集 ]

きじとらのねこさん、こんばんは!

早速コメントいただきありがとうございます~。
今のBLでは異色な雰囲気ですよね。
JUNE世代の方なら受け入れやすいのかもしれません。

>オリヴィエが最高の日のためにとっておいたマッチで念願を叶えるところ
私のその場面好きです!
途中まで最後どちらに転ぶのか不安になりつつ読んだのですが、その分最後のシーンがすごく印象的でした。

雑誌の方にSSが載っているのですね!
私は仔犬養先生のサイトにある番外編を読んできたのですが、それを読んだら益々ガエルが好きになりました。
過去編なので甘い話ではありませんが。
雑誌、チェックしてみます♪
情報ありがとうございました(*^_^*)

ではでは!

2010.01.24 02:39 URL | にゃんこ #fwkSvwQ6 [ 編集 ]













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