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成澤准教授の最後の恋 :高遠琉加

4044550042成澤准教授の最後の恋 (角川ルビー文庫)
高遠 琉加
角川書店(角川グループパブリッシング) 2010-01-01

by G-Tools

2010年の読み初めは、2年連続マイベストだった高遠先生の新刊。
期待通り、初萌え、初泣きで大満足です!
【成澤准教授の最後の恋/高遠琉加/高永ひなこ/ルビー文庫(2010年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!

【あらすじ・感想など】
大学でフランス文学を教えている成澤恵。
31歳で准教授という肩書きに加え、整った容姿をしている成澤は、フランス文学翻訳者としても世間に名前と顔が売れている。
でも、何の不自由もない日々を送っていても、成澤は退屈していた。
そんなある日、出版社に勤める親友・葛城の下で働く新米編集者・蒼井友也が、雨の中非常階段から乗り出している場面に遭遇し…。

好きな文学を仕事にし、容姿も申し分なく、その年齢にしては十分な地位と名声を手に入れている成澤。
でも、日々に物足りなさを感じている。
そんな成澤が興味を引かれた相手・蒼井は、地味で生真面目な新人編集者。
何の特徴もない蒼井に特別な印象はなかったのに、ある強い雨の日、ずぶ濡れで非常階段から身を乗り出していた蒼井を助けて以来、何故か蒼井が気になってしまう。
強引に蒼井を自分の担当に指名して近づいていく成澤だが、蒼井が長年ある男に恋心を抱いていると知って心が揺れる。
自分の気持ちを整理しきれないまま、蒼井の身体を手に入れた成澤。
でも、蒼井の心は掴めなくて…。
という、身体の関係から始まる話です。
成澤は女だけでなく男相手にも経験があって、今まで恋人に関して苦労したことのないような男。
でも、経験と恋愛はまた別の話。
相手に心奪われるなんていう経験をしたことがなかった成澤は、蒼井相手に揺れる自分の気持ちがいったい何なのかきちんと理解できていません。
いや、惹かれている事は自覚しているけれど、その相手と恋愛するにはどうしたらいいのかが理解できていないと言った方が正しいのかな?
成澤は元々恋愛に冷めた意識を持っていて、恋愛で深みに嵌った事なんてないし、そんな事になるならひとりの方が楽だと思っている。
相手の気持ちにも、自分の気持ちにも、深入りしたことがないんですよ。
だから、肉体関係を持っているのに自分を見ていない蒼井に対して苛立つ気持ちを、どうしていいのか分かりません。
ボタンの賭け間違いに薄々気付いているのに、成澤は強引に蒼井を自分の物にしようとするばかりで、蒼井の心はどんどん離れていってしまう。
結局、お互いに傷つく形で限界を迎えることに。
そうなってみて初めて、成澤は冷静に自分の気持ちと向き合います。
好きな相手に夢中で周囲が見えなくなっているなんていう、今までの成澤だったら鼻で笑っていそうな状況に、自分で気付かないうちに陥っている。
この話はそこが話の軸になっているのだと思いますが、それだけじゃありませんでした。
傲慢な攻が右往左往するラブコメになってもおかしくないのに、切ない雰囲気が漂っていて、途中からはシリアスな展開に引き込まれてしまいました。
その原因は、蒼井の抱えていたものの重さと、この話が成澤だけじゃなく、蒼井が恋愛に向き合う過程も盛り込まれているから。
蒼井がずっと秘めていた想いはとても重くて、成澤がどう頑張っても、蒼井自身が解決しないとどうにもならない問題でした。
成澤との件で、蒼井は被害者ではなく共犯者なんですよね。
蒼井は成澤の強引さに翻弄されているようでいて、甘えている所もあるんです。
このふたりは、噛み合わないながらもお互いに刺激し合い、その結果、新たな一歩を踏み出してる。
途中まで、成澤が暴走する話なのかと思っていたので、思いがけずしっかりした背景があったことに驚き、そしてやっぱり高遠先生だなぁと思わされました。
話の重さの割にページ数はそんなに多くないです。
成澤が蒼井との関係を再構築していく過程が短いけれど、要点は押さえてあるので物足りなさは感じませんでした。
そして、本編は成澤視点ですが、番外編に蒼井視点の後日談が入っていて、これがすごくいいんですよ~。
あぁちゃんと蒼井と成澤が互いを見れるようになったのだなと感じられて、気持ちのよい読後感でした。

あ、なんだか堅苦しい感想になってしまったんですが、そんなにズッシリ重い話ではないですよ…!
重さはありつつ、初めての恋愛に翻弄されている成澤の様子を楽しむことも出来るし、蒼井が開発されていく様にニヤニヤすることもできます。
エロもしっかり美味しい!
クールそうな成澤が無意識にクサイ台詞を連発しているのが楽しいです(笑)
流石フランス文学者。

ということで、2010年の読み初めに選んだ1冊は高遠先生の新刊でしたが、とても面白くて大満足です!
高遠先生のこの痛さの潜んだ、温度低めの文体が好き。
元旦から初萌え初泣きさせていただき、これはいい年になりそうな予感がしますw
高遠先生の次回作はレストランシリーズの番外かな?
そちらも楽しみです!

--
余談ですが…
あとがきにあった映画「太陽と月に背いて」を見たとき、私も叫びました。
「ヴェルレーヌ受かよ…!」と…。
見たのはもうかれこれ10年以上前ですが、その時の衝撃は忘れられません(笑)
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2010.01.04 01:25 | 高遠琉加 | trackback(0) | comment(0)
            












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