にゃんこのBL徒然日記

BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

振り返ればかなたの海 :崎谷はるひ

4044468141振り返ればかなたの海 (角川ルビー文庫)
崎谷 はるひ
角川書店 2006-05-31

by G-Tools

こういう人がはじけると大変なことになるんですねぇ…。
その変身っぷりに驚かされました(笑)
【振り返ればかなたの海/崎谷はるひ/おおや和美/ルビー文庫(2006年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!
ブルーサウンドシリーズの4作目です。

【あらすじ・感想など】
湘南の海を一望できるバーレストラン「ブルーサウンド」
山下昭伸は、そこで厨房を担当している友人・大智が店を空ける時にだけ、ピンチヒッターで厨房に入っている。
ある日、店で盛大に痴話喧嘩を始めたカップルの仲裁に入った山下は、勢いで奥菜一葡から水をかけられてしまった。
それを切っ掛けに一葡に好かれてしまった山下は、その一途さに困惑するのだが…。

一葡は自分を助けてくれた山下に惚れて告白するのですが、恋愛に対する熱が低く、同性を恋愛の対象にしたことのない山下に受け入れる気は全くありません。
断ってもめげず、真っ直ぐに自分に好意を向けてくる一葡に内心苛立つ山下。
そんな中過労も重なって怪我をしてしまった山下は、やむなく一葡の世話になることになるのですが…。
山下は一見穏やかで優しそうな好青年。
でも、その笑顔の下には、何事にも冷めていて無関心な顔がある。
それはレストランを営む家で、頑固な父親と厳しい兄の間で育ったために、自分を抑えてその場を流すのが当たり前になっているから。
山下自身、穏和なのは面倒事を避けるための術であることを自覚している。
それに加え、厳格な兄の下で実家の店を手伝っている山下は、自分が料理人として中途半端なことも分かっていて、そこには山下なりの考えがあるけれど、そんな自分に苛立ちも感じている。
そんな背景があるので、料理の腕もあり、モデル経験もあり、他人から見たら十分に羨まれる才能を持っている山下なのに、自分に対してとても厳しい。
でもそれを周囲には見せません。
本人はただ単に自分に恋愛が向いてないんだと思っていますが、山下が上手く恋愛できないのは、自分に対する評価が低いから、相手が山下の性格や才能を褒めると、逆に冷めてしまうという面があるのではないかなぁと思います。
それに、恋愛は自分をさらけ出さないと関係を築けないからですからね。
人当たりはよくても、自分の中に他人を入れようとしない山下なので、上手くいくはずがありません。
そんな理由で今まで好意を向けてきた相手は去っていったのですが、今回の一葡はなかなか引き下がりません。
一葡は優しさに敏感です。
山下はそっけない態度を取るけれど、根っこの部分はとてもいい人。
これまで一葡が付き合ってきた相手がしょうもない男ばかりだったという事もありますが、一葡は山下の時々垣間見せる優しさに惹かれてます。
だから一葡は距離を置こうとする山下に一生懸命なのですが、その気のない山下にとっては、一葡の行動は居心地が悪い。
こんな状態からどうやって山下が恋愛に目覚めるのか、そこがこの話のポイントだと思いますが…。
意外と即物的でした(笑)
まぁ、山下の場合頭が堅いので、先に身体の方が先に心の変化に反応したという事なんでしょうけどね~。
それにしても山下は突き抜けすぎです!
自分を抑圧してる人がはじけると大変だ(笑)

読み始める前は、一葡が可愛すぎてこのカップルには惹かれないなぁと思っていたのですが、実際読んでみると山下にも一葡にも共感できる部分があって話に入りやすかったです。
山下視点だったから、甘くなりすぎずよかったのもあります。
山下は当たり障りなく周囲と上手くやっているけれど、それはいろんな事に無関心になっているから。
自分の心に対しても鈍くなってしまっている。
それによって面倒な事は減ってるかもしれないけれど、恋愛を含め、他人と理解し合う為にはぶつかり合うことも必要なんですよね。
相手の気持ちだけじゃなく、自分の気持ちにも耳を傾けないと関係は始まらない。
無関心になったり、諦めることを覚えたりするのは、生きてく上である程度必要だとは思います。
でも、行きすぎると視界を狭めてしまう。
難しいなぁ。
一方の一葡は、このシリーズで一番可愛いキャラですね~。
瀬里ちゃんよりも幼さの残る容姿をしてます。
でも、登場の仕方があれなのでちょっとお馬鹿さんなのかと思いきや、実は結構しっかりしてるし、精神的にも弱くない。
私が一番印象的だったのは、「オトコって、自分より頭悪い方が好きじゃん」というセリフだったのですが…。
これについては触れるときりがないので止めておきます。
私も常々思っている。とだけ書いておこう…。
それを分かった上で実践するのは、一歩間違えると計算高さを感じるキャラになってしまうけれど、一葡はそれが甘えに繋がっていないから嫌悪感はありません。
逆に、そうしないといけなかった一葡の環境に切なさを感じてしまう。
山下視点なので一葡については分からない部分もあって、過去には家族の問題や、恋愛関係で苦労もたくさんしていそう。
そこは恐らくかなりディープ。
でもきっと、今の山下ならどんな一葡でも受けとめてくれるよね!
山下がはじけて暑苦しくなってますが、一旦心を許した相手にはどこまでも誠実で、包容力のある男だと思います。
一葡、いい男を捕まえたなぁ。

いつも通りエロはしっかりエロいです~。
一葡がとてもショタっぽい!
年齢的には大人なのに、体つきとか最中の仕草が幼いのですよ。
初物じゃないところもまたエロさを引き立ててます。
これはもう山下が目覚めるのも納得なのです!
言葉攻めステキ!もっとやってしまえ山下!(笑)
ふたりの体格差にも萌えた…!!
ぐふふふ。甘くて美味しいエロでした。

というわけで、ブルーサウンドシリーズの第4弾。
最近短編集が2冊出たのですが、間の2冊を読んでいなかったので、先に既刊本を読んで感想をあげることにしました。
いや~恋愛熱の低い山下が主人公でどうなることかと思ったら、思いがけず大変身を遂げてくれてとても美味しかったですw
一葡の粘り勝ちですね!
面白い&美味しい1冊でした。

それにしても、ブルーサウンドはいい男揃いなのにみんなホモ…。
女としては微妙な気持ちになるなぁ(笑)

■ブルーサウンドシリーズ
「目を閉じればいつかの海」 嘉悦×藤木
「手を伸ばせばはるかな海」 大智×瀬里
「耳をすませばかすかな海」 和輝×笙惟
「振り返ればかなたの海」 山下×一葡
「しじまの夜に浮かぶ月」 ケネス×薙

「ただ青くひかる音」 番外短編集1
「波光より、はるか」 番外短編集2
関連記事
2009.11.16 00:57 | 崎谷はるひ | trackback(0) | comment(0)
            












管理者にだけ表示

トラックバックURL↓
http://macnyanko.blog22.fc2.com/tb.php/779-71d1060b

最近の記事

プロフィール

Author:にゃんこ
漫画も読むけれど、やっぱり小説が好き! 小説を中心にBL本の感想を書いています。

このBlogについて:Read me

日記&一言感想
→ にゃんこ雑記
お知らせ用twitter
お知らせ
中の人はこちら
つぶやき

Twetter

RECOMMEND

参加させていただいています!

【このBLがやばい!2019年度版】
(漫画中心に小説、CD含めBL全般)

【はじめての人のためのBLガイド】
(ほぼ漫画のみ)
はじめての人のためのBLガイド

作家さん別感想記事リスト

Comment

Trackback

サイトリンク

BL Novels TB

BL Comics TB

BL×B.L.People


お役立ち


with Ajax Amazon

メールフォーム

基本的にレスは雑記の方でしています。数日経っても応答がない場合は送信エラーの可能性があります。「取扱説明書」を参照してください。

名前:
メール:
件名:
本文:

RSSフィード

| ホーム |