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BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

蛇とワルツ :榎田尤利

4813012043蛇とワルツ (SHYノベルズ 236)
榎田 尤利
大洋図書 2009-09-26

by G-Tools

Pet Loversシリーズのラストを飾るのは、オーナーの仁摩。
お相手は「蛇」でしたが、さて中身は…?
【蛇とワルツ/榎田尤利/志水ゆき/SHYノベルズ(2009年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!

【あらすじ・感想など】
男娼を動物でカテゴライズし、客の希望に合った「ペット」を派遣する秘密の高級会員制デートクラブ「Pet Lovers」。
そのオーナーの一人である仁摩遙英は資産家で金銭的に余裕はあるが、仕事をしていないと落ち着かない男。
ある日、仁摩の前に問題有りとされたペットが送られてきた。
飼い主に迎合せず、トラブルを起こしてばかりいる、「蛇」の竜巳杏二。
オーナーを前にしても全く動じず、傲慢な態度を取る杏二に興味を持った仁摩は、自身がトレーナーとなり、躾をすることを決めるのだが…。

Pet Loversのシステムなど、シリーズの大筋については省略します。
シリーズ前作を参照してください。

仁摩は自他共に認めるワーカホリックな男ですが、それは仕事が好きというより、暇な時間が出来ないよう仕事をしていないと落ち着かないから。
そんな仁摩がPet Loversを運営していることに対して、友人には『孤独だから』だと言われてしまいますが、仁摩はそれを受け流しています。
家族など必要ないと思っている仁摩には、この疑似ペットサービスの実が疑似家族サービスだ、などと認めることは出来ない。
心の揺れを振り切るように、仕事に没頭しています。
そんな中で仁摩が躾をすることになった「蛇」の杏二。
「蛇は存在しているだけで価値がある」と言う杏二は、オーナーである仁摩に全く媚びることなく、言うことも全く聞かずやりたい放題。
でも、本当はしっかりテーブルマナーや人をエスコートする術は身につけているので、仁摩がボロを出させようといろいろと仕掛けても空回り。
最悪な関係から始まった二人ですが、ある時仁摩の心の中を覗いてしまった杏二は、それ以降態度を180度変えます。
元々印象が悪かっただけに、仁摩の杏二に対する印象はどんどんよくなり、心も身体を許していくのですが…。
心を守るために、ずっと仁摩が被っていた殻を脱ぎかける、そんな大切な局面で、思いがけない落とし穴が待っていました。
悲しみを通り超えて怒りに近い感情に突き動かされる仁摩ですが、これによって今まで直視することを避けていた「孤独」と向き合う事になります。
その寂しさの中で、仁摩は自分が本当に欲しかったものに気付くのです。
仁摩の心の闇は予想以上に深い。
どうにもならない事だけど、それでも納得するしかない仁摩は、自分はひとりが好きなのだと思い込もうとしてる。
でもやっぱり、どれだけ自戒していても期待する気持ちは止められない。
本当はそんなに強くないのに、強がっていないと自分を保てないのだろう仁摩を見ていると、胸がどうしようもなく傷みました。
再読すると益々切ない…。
でも、そんな仁摩の周囲には優しい人たちがいて、仁摩が手を伸ばせば、ちゃんと握り返してくれる。
一緒に生きていくパートナーが見つかっただけじゃなく、自分を見守ってくれる友人たちの存在に気付いたことも、仁摩にとっては大きな出来事だったんじゃないかなぁと思いました。

回数は多くないし、第三者も絡んでくるのですが、エロは美味しいですw
…それにしても杏二……あんたは加○鷹か!?
どんなテクニシャンだよ!!と思わず突っ込みました(笑)
BL界の攻は技巧派が多いと思いますが、指先のテクニックがこんなにクローズアップされているのはなかなかないんじゃないでしょうか~。
まぁ、モノが立派なのは攻のデフォルトでしょう。
特にこのシリーズは動物ですからね。
セックスアピールは大切な要素ですw

このシリーズは毎回「ペット」が登場しますが、今回は「蛇」。
蛇…というか、そもそも爬虫類を飼った事がないので、蛇が飼い主とどんな距離感を持ったペットなのかがよく分かりません。
飼えば可愛いんだろうなぁとは思いますが…。
今回ペットとして登場した杏二は、蛇の皮を被っていたけど、実際は大型犬といったところでしょうか。
最初はどうなることかと思いましたよ!
途中からは飼い主大好きなワンコになっていてホッとしました(笑)

ということで、このPet Loversシリーズもこれで完結です。
読む前によい評判を聞いていたのですが、思ったより私のテンションが上がらず、内心どうなることかと思いながら読んでいました。
でも最後の最後で心を掴まれて、泣かされてしまった…。
最後の言葉がステキです。
別に、こういった事は榎田先生だけが書いているわけではなく、本を読んでいれば出会う機会はあると思います。
特別なことではありません。
でも、この言葉に説得力を持たせるだけの内容がこのシリーズにはある。
ここに至るまでの過程がしっかりしていたからこそ、この言葉に重みがあります。
既刊本含めて、胸が痛くなるような場面が何度もありましたが、その痛みと向き合いつつ、前向きで幸せな言葉で締めくくられていて、とてもよい読後感でした。
やられた感いっぱい。
上手く気持ちを言葉に出来なくてもどかしい…!
話の内容としては1作目や2作目の方が好きですが、この仁摩の話でこのシリーズのテーマがまとめられているので、シリーズとしては重要な位置づけになっていると思います。
大好きなシリーズになりました♪

■Pet Loversシリーズ
「犬ほど素敵な商売はない」 轡田×倖生(犬)
「獅子は獲物に手懐けられる」 真(ライオン)×鶉井
「秘書とシュレディンガーの猫」 舘×雨宮(猫)

「蛇とワルツ」
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2009.10.24 02:06 | 榎田尤利 | trackback(0) | comment(0)
            












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