にゃんこのBL徒然日記

BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

丸角屋の嫁とり :山中ヒコ

4403662587丸角屋の嫁とり (ディアプラスコミックス)
山中 ヒコ
新書館 2009-09-30

by G-Tools

アラブの次は江戸!
表題作がとても面白かったです。
【丸角屋の嫁とり/山中ヒコ/Dear+コミックス(2009年)】

オススメ:  前作のインパクトが強すぎて…

↓ネタバレあり、caution!

【あらすじ・感想など】
『丸角屋の嫁とり』
旗本の側室の子として生まれた鈴は、事情により女として育てられた。
別宅で隠れるようにして暮らしていた鈴だが、ある日、町で絡まれたのを助けてくれた男が気になって…。

気になる…と言っても、最初は恋愛感情よりも男に対する憧れといったところかな。
男として生きたいと思った矢先の結婚話。
しかも相手は丸角屋という大店の当主・丸角新三郎で、親の借金の為に断ることが出来ずにお嫁に行くことになってしまうのですが…。
読んでいる側はその結婚相手が誰なのか分かるので安心して読めますが、鈴にとってはまさかの展開です。
結婚を受け入れるくだりの、鈴の心の揺れが結構切ないんですよねぇ。
こんな鈴を幸せにしてくださいよ!と、新三郎に言いたくなりました。
いい人でよかったです。
でも、よく考えたら自分の立場利用して一目惚れした女の子を嫁がせたりしてるんだし、鈴が新三郎に惚れていようがいまいが身体は奪ってたんですよね。
…まぁ結果オーライということで。
BLにはもっと悪い男は沢山いる!このくらい何でもないです!

『丸角屋の手代』
鈴と一緒に暮らしていた、乳母の孫・荘太。
鈴が男であることを知らない荘太は、成長した今でも鈴を気にかけていた。
鈴の夫である丸角屋が遊んでいるという噂を聞き、鈴が心配になった荘太は、居ても立ってもいられず丸角屋に向かうのだが…。

思いがけず、続きの話は荘太視点でした。
男の姿になった鈴は、昼間手代として丸角屋で働いています。
そんなことをになっているとは全く予想もしていない荘太の反応がいい(笑)
鈴はおそらく荘太の初恋の相手なんですが、その辺りの荘太の感情がこの話全体に広がっていて、切ないような甘酸っぱいような、静かにドキドキさせられる感じ。
そこに鈴と新三郎のエピソードが上手く絡んでいると思います。
ところで、最後の辺り画が少し違うように見えるんですけど…連載分に書き足したのかな?線が細い。

『新しい武器』
決まり切った生活。
同僚と馴れ合うこともなく、淡々と生きている神田泉は、あるとき染谷港という新人の教育係を任されることに。
無愛想な神田は周囲から倦厭されているけれど、染谷はそんな神田に懐いてきて…。

神田は過去の恋愛に傷ついて、それ以降人と深く関わることを恐れています。
だから心を閉ざしているんですが、基本的に優しいので困っている染谷を放っておけなくて、冷たいようでいて、実はちゃんと助けてあげてる。
そこに染谷は惹かれちゃうわけですが、染谷は染谷で子供の頃のトラウマがあり、普通そうに見えて実は心に傷を抱えている。
自覚していないから余計に切ない。
展開自体はまぁよくあるリーマンモノですが、そんな背景があるから、二人が惹かれ合っていくのが自然な流れに感じられます。
…が、私はこのモノローグの部分がちょっと説明しすぎに思えて、話に入れませんでした。
もう少し話にうまく溶け込んでいたらよかったなぁと思います。

『吉野が二人の関係に気付いた日の話』
タイトルそのまま、神田と染谷の同僚・吉野が、二人の関係に気付いた日の話です。
書き下ろしの短い話かと思いきや、しっかり話があって吃驚。(連載分でした)
「丸角屋の手代」と一緒で、これも第三者視点でメインの二人のその後が書かれている形ですね。
吉野のその後も気になるところですが、そこは別に恋愛感情じゃなくてもいいかな。

『丸角屋 その後』
短い番外編。

--
ということで、ヒコ先生の新刊はアラブから一転して江戸時代物でした。
世界観は全然違うのに、どちらもしっくりくるから不思議。
流れてる空気が似てる。
それにしても、相変わらず終わり方がもやっとしてますね…。
「丸角屋の嫁とり」「新しい武器」どちらも、雑誌で読んでいたらきっと「ここで終わり?!」ってなりますよ。
前作同様、その後のふたりを描いた話(「丸角屋の手代」や「吉野~」)を一緒に読むと、ある程度補完はされてるんですけど。
その辺り含め、画よりも話の作り方に個性が強く出ている作家さんなので、アラブにしろ江戸にしろ、題材による揺れが少ないのかなぁと今回感じました。
ただ、その個性が面白さになるかどうか、そこは少し不安定なラインにあるように思います。
少し踏み外すと、その背景が薄っぺらく感じてしまいかねない。
感じ方は人それぞれだと思いますが、私は「新しい武器」が物足りなかったです。
表題作は面白かった!
「丸角屋」のような、このくらいの匙加減の甘さが好みです。

前作のインパクトが強すぎてどうしても今回それと比べてしまい、感想が少し辛口になってしまいました…。
でも面白くないわけではないですよ!
充分楽しませていただきました!
ヒコ先生、もうすぐまた新刊が出ますね。
そちらも楽しみです~。
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2009.10.08 01:33 | 山中ヒコ | trackback(0) | comment(0)
            












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