にゃんこのBL徒然日記

BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

恋と愛の境界線 :遠野春日

4861343550恋と愛の境界線 (ダリア文庫)
遠野 春日
フロンティアワークス 2009-09-12

by G-Tools

「ロマンスの予感」の関連作ですが、前作読んでなくても大丈夫です。
刑事ものが好きな人なら楽しめそう。
【恋と愛の境界線/遠野春日/高久尚子/ダリア文庫(2009年)】

オススメ:  印象は薄いけど…

↓ネタバレあり、caution!

【あらすじ・感想など】
ノンキャリアだが、26歳で警部補に昇進している藤堂隆伸。
優秀だが周囲と打ち解けることをしない隆伸は孤立し、敬遠されている。
ある事件で、隆伸は所轄の新米刑事・須田輝明と組むことになるのだが…。

植物園で男性の変死体が発見された。
所轄と警視庁の合同捜査班が作られたが、捜査はなかなか進展しない。
本部の連絡係だった隆伸は、所轄刑事である輝明と組むことに。
新人だが、素直で物怖じせず、周囲から浮いている自分への接し方も自然体。
いつもは構えてしまうのに、輝明といると安心できる。
共に行動する内に、次第に輝明に惹かれていく隆伸だが…。
事件は別の殺人事件と繋がり、ふたりは徐々に事件の核心に迫っていきます。
主人公である隆伸は、他人と常に距離を取り、夏でもぴっちり上着をきて肌を晒さず、同僚からも上司からも浮いた存在。
所轄の新米刑事である輝明と組まされたのは、上司の嫌がらせみたいなものです。
でも、その輝明は隆伸に対して気負うことなく自然体で接してきて、隆伸は調子を狂わされっぱなし。
自分のことを「寂しがり屋」と評されているのを聞いてしまって動揺したり。
どんどん輝明に気持ちが傾いていく隆伸ですが、その度に過去のトラウマがその心にブレーキをかけてしまいます。
自分は他人に受け入れてもらえない人間だという呪縛に囚われている隆伸は、自分に向けられる好意を素直に受けとめることができません。
そんな隆伸の戸惑いを感じながら、ゆっくりと距離を縮めていこうとする輝明。
刑事ものって好きなんですが、BLだと恋愛重視で、事件は割とあっさりしている事が多いように思います。
そんな中でこの話は予想外にしっかり書かれていますね。
それが隆伸のトラウマと上手く絡んでいるかというとそうでもないんですが、作品の落ち着いた雰囲気を出すという点では貢献しているんじゃないでしょうか。
隆伸のトラウマの原因についても、しっかり説明されています。
そこがこの話のポイントになっているんですが、こんな過去があったら人の気持ちを信じられないというのは仕方がないかなぁと納得できる。
母親の行為だけじゃなく、父親の対応は別の意味で酷いです。
暴力であれ、母親は一応隆伸の方を向いていたわけですから。
無関心って地味だけどダメージは大きいですよね。
隆伸はそんな過去の背景とか、自分の現在に至るまでの過程とか、頭では比較的冷静に分析していて、大人になった今ではそれなりに対処する術を身につけている。
でもだからといってそれを乗り越えられたわけではなく、今でもその傷は隆伸の心に残っています。
自分ではどうにもならないところで他人と関わることを恐れてる。
だけど、誰だってひとりは寂しくて、隆伸もそんな自分に疲れています。
輝明は隆伸に対する好意を割と最初の方から隠していなくて、普通だったらそれ告白でしょう!というような言葉も告げているのですが、自分に好意が向けられる事に慣れていない隆伸にはなかなか伝わらない。
輝明に惹かれていて、その手を取りたい気持ちはあるのに、一歩踏み出す勇気がもてずにいるんですよね。
もどかしいんですけど、隆伸にとってはすごく大きな意味を持つ一歩なので、あたたかい気持ちで見守ることが出来ました。

そんな隆伸が、ようやく輝明に自分をさらけ出す勇気を出して、エッチに突入となれば萌えないわけがない!
でも意外にも初体験じゃないんですよ。
法医学教室の助教授・香川…なんて美味しい立ち位置なんだ!
すごく思わせぶりなキャラですが、あとがきによると彼は脇に徹するようです。
そんな彼にお初は奪われていますが、好きな相手と…となると気持ちが全然違いますよね!
隆伸のような自分を抑えている受がセックスで乱れる、そんな姿が好きです。
萌えるなぁw

こうして感想を書いてみると、話の骨格はすごくよかったのだなぁと思います。
でも、実際読んでいる時はフワフワした印象でした。
骨格はいいけど、肉付けが甘いと言うか、繋ぎが悪いと言うか…。
事件との一体感が足りないように感じてしまい、そこが残念。
あと、本編の内容とは関係ないんですけど…隆伸と輝明って名前の印象が似ていて、読んでいて何度も間違えそうになりました。
前作の真人と聡も似ていたし…。
今も感想書きながら混乱してます(^_^;)

ということで、少し前に新装版で出た「ロマンスの予感」の関連作。
関連作と言っても話は独立しているので、どちらから読んでも大丈夫です。
でも前作のキャラがやたらと存在感あるので、先に読んだ方が楽しめるとは思います。
「ロマンス~」の舞台となった会社が、事件関係者が以前務めていた会社だったという事で、前作のふたりが登場しています。
元刑事の聡が隆伸と知り合いだったという繋がりがあって、まぁ輝明はそれに嫉妬してるんでしょうが、それにしても突然そんな質問したら相手は吃驚だろう!と突っ込まずには居られません(笑)

前作、今作と少し昔の作品の新装版だったのですが、遠野先生の作風の変遷が感じられますねー。
昔のリーフを読むと今と全然違いますから…。
特に文体。格段に読みやすくなっている!
そういう意味では安心して読めました。
作品の完成度としてはもうひと息ですが、刑事物が好きな方、トラウマ萌えがある方なら楽しめると思います。

■シリーズ
「ロマンスの予感」
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2009.09.29 01:33 | 遠野春日 | trackback(0) | comment(0)
            












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