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はな咲く家路 :一穂ミチ

4403522246はな咲く家路 (新書館ディアプラス文庫)
一穂 ミチ
新書館 2009-09-10

by G-Tools

一穂先生の魅力にあふれた一冊でした!
若い男の子の揺れを書くのがすごく上手いですね~。
【はな咲く家路/一穂ミチ/松本ミーコハウス/Dear+文庫(2009年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!

【あらすじ・感想など】
母親の再婚で弟が出来ることになったかずさ。
その弟・葵は、同い年なのに自分をしっかり持っていて、かずさは次第に惹かれていくのだが…。

東京育ちのかずさと、広島で生まれ育った葵。
そして、最初から父親のいないかずさに対して、母親の死を経験している葵。
その違いは、いろいろな場面でかずさに葵と自分との差を感じさせる事になります。
東京と違って娯楽も少なく、静かな時間が流れる毎日の中でふたりの心は近づくのですが、かずさはその状況に怯え、自ら葵から遠ざかってしまう。
そんな状態のまま大学に進学し、互いに家を出て離れた場所で暮らしていたふたりは、愛犬の訃報を機に2年ぶりに再会するのですが…。
かずさは大人しくて慎重な性格をしています。
母親の再婚で突然新しい父親と兄弟が出来、そして東京から広島の田舎に引っ越す事になって、当然不安もいっぱい感じてる。
でも、葵の存在が、かずさにたくさんの新しい発見や感動を与えてくれる。
ふたりの心の交流だけじゃなくて、家族の繋がりを絡めてすごくあたたかい雰囲気でした。
その中で、かずさが葵との関係を躊躇しまうのは仕方がないですよね。
葵の真っ直ぐな気持ちに怯えてしまうかずさの心の動きが切なかった。
自分の気持ち、葵の気持ち、家族への思い。
どうしたらいいのか分からないまま、葵は自分を求めてきて、葵を好きなのにかずさはその手を取ることが出来ない。
男同士、しかも血が繋がっていないとは言え兄弟で、お互いに好き合っていることを言葉にしてしまうということは、今までの常識からはみ出すということ。
最初は感情に押されていけれど、ハッと冷静になってその事に気付いてしまい、怖じ気づいてしまうのは、かえでが特別臆病だからではありません。
その壁を越えたら何を失うのか、何が変わってしまうのか考えたら誰だって怖くなるし、でもそれを真っ直ぐに気持ちを向けてくる葵に上手く伝えるのは難しいですよ。
葵は常識にとらわれず、正しいと思うことは貫き通す強さがあって、それはもちろん長所だけれど、その性格を知っているから余計にかずさは逃げるしかない。
未知への不安に逃げ出してしまったかずさと、まっすぐに突き進むだけだった葵、ふたりとも若かったんだなぁと思います。
2年という時間はかかったけど、一度離れて、勢いだけじゃなく本当に相手のことを必要だと自覚する時間がふたりには必要だったんですよね。
この過程がなかったら、きっとかずさが耐えきれなくなって、ダメになっていたんだろうなぁ。

ふたりが付き合うまでの話が表題作の『はな咲く家路』で、その後、大学卒業に向けて将来に悩んでいる時期の話が『はな降る旅路』。
美大に進学し、在学中から注目されている葵に対して、かずさは一般の大学生同様、就職活動に励んでいます。
でも、性格的にも成績的にも問題が無さそうなかずさなのに、周囲が就職活動を追えていく中、なかなか内定をもらえない。
かずさは苦しんでいるけど、それを葵には言いません。
葵も、自分の制作については何も言わない。
次第に溜まっていく澱によって、ふたりの気持ちがすれ違い始めます。
この話…。
恋愛云々よりも、私は就職活動をしていた頃のストレスを思い出してしまい、かずさの気持ちが痛いほど分かって読んでいて辛かった…。
勉強の結果の不合格ならともかく、面接で不採用っていうのは相当凹みます。
「あなた必要ありません」と言われているようで、それが続くと段々と鬱になるし、かといって身近な人にそれを打ち明けたくはないし…。
特に葵のような、就職活動をしなくても自分の才能で生きていけるような人にはとても言い辛いですよ。
かずさにどんどん余裕がなくなっていって、追い詰められていくのが、自分のことのように感じてしまいました。
もちろん、葵には葵なりの悩みや将来に対する迷いはありますが、お互いに何も言わないし、自分に精一杯で相手の気持ちに気づけません。
一体どうやってこの話に収拾付けるのか、読んでいてとても不安でした…。
こういう話って、結局答えがないわけじゃないですか。
いえ、あるにはあるんだろうけど、BLで突き詰めるネタではない。
最終的に出た答えは、そんな私の不安をあっさり飛び越えていく内容で、かずさと同様に私の視界も狭まっていたんだなぁと感じさせられました。
万人の答えにはならないけど、かずさの答えとしてはそれでよかったんだろうなぁと思います。
なんだかスッキリ。

挿絵は松本ミーコハウス先生。
実は私、最初手に取ったとき「なんか苦手な雰囲気…」と思っていたのですが、読み進めたら全然気にならなくなりました。
いや、それどころか、この挿絵との相乗効果でふたりのイメージが出来上がっていった気がします。
あ、エロはありますが地味ですよ。
これなら別になくてもよかったんじゃないかとも思うくらいでした。

ということで、一穂先生の新刊です。
前回の感想で「若い男の子同士の方が一穂先生の作風に合っている気がする」というような事を書いたのですが、今回それを再確認。
一穂先生の魅力にあふれた一冊でした!
このくらいの男の子の揺れを書くのがすごく上手いですね~。
まるで違う価値観で世界を見ている葵に惹かれていくかずさ。
一方で、葵も同じようにかずさに惹かれていく。
そんなふたりの様子がとても初々しかったし、未知の世界に踏み込む事に怯えているかずさと、真っ直ぐに気持ちをぶつけていく葵の対比も切なさともどかしさがいっぱいで、グイグイ話に引き込まれてしまいました。
後半は個人的に辛い話でしたが…。
でも、最後はスッキリとした読後感でよかったです。
満足~♪
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2009.09.17 01:35 | 一穂ミチ | trackback(0) | comment(0)
            












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