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八月の略奪者 :いつき朔夜

4403521460八月の略奪者(ラプトル) (ディアプラス文庫)
いつき 朔夜
新書館 2006-11

by G-Tools

「八月」という単語に目がとまり、積読本の山の一角から掘り出しました。
面白かった~。
【八月の略奪者/いつき朔夜/藤崎一也/Dear+文庫(2006年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!

【あらすじ・感想など】
高校の体験学習で博物館を訪れた椋本浩紀。
そこでクラスメイトとの些細なトラブルから、浩紀は化石の標本を壊してしまう。
学芸員の香月草一に叱られ反発する浩紀だが、ボランティアで博物館の仕事を手伝ううちに、次第に香月に惹かれてゆき…。

トラブルの切っ掛けは相手の挑発で、浩紀に悪気があって標本を壊してしまったわけではありません。
それでも悪いことをしてしまったという自覚はあるけれど、周囲の視線もあって、素直になれず突っぱった態度を取ってしまう。
そんな中自分だけが叱られて浩紀は最初ムッとしますが、相手のあまりの真剣さに別の意味で焦りを覚えます。
それは、浩紀がいつも相手の本音に触れることを恐れているから。
こう書くとすごく深刻な過去があるみたいですが、実際起こった出来事としては特別大きな事ではありません。
趣味の模型作りを、クラスメイトにからかわれただけ。
でも、この年頃の子供は繊細で、些細な事でも心に大きな影響を与えます。
しかも、所謂オタク的な趣味はからかいの標的になりやすいですよね。
私自身中学生の頃とかそういった周囲の目に怯えていたところがあるので、この浩紀の過去の出来事は他人事とは思えませんでした。
大人になった今では他人との違いを「個性」として受け入れられるけれど、思春期の頃はそれが諸刃の剣になるし、攻撃する側も容赦ない。
そういった事情を踏まえると、浩紀の行動はすごく理解できる。
浩紀の突っぱった態度の裏には複雑な心理が隠れています。
そして、「言葉はいつでもその人の本心ではない」という事が、この場面だけじゃなく、この話の重要な場面でも鍵となっていて、ハッとさせられました。
浩紀が香月の本心に気付いたのは、香月を理解しようという気持ちがあって、浩紀自身が成長したから。
今まで見えていなかった香月を理解し始めた浩紀は、自分がどうするべきなのか考え、そして香月の心を開くことが出来ます。
この本は、ふたりが恋人同士になるまでの話『八月の略奪者』と、その後もう一山越える話『十二月の暴君』の二本立てで、ひとつの話自体は短いです。
でも、軸になっている部分がしっかりしていたので、どんどん惹き込まれました。

後半の『十二月の暴君』はふたりが付き合い始めてから3年後、浩紀が大学生になってからの話。
前半の『八月~』は浩紀視点で、『十二月~』は香月視点です。
香月は控えめな性格だとは思っていたけれど、『十二月~』を読んだら予想以上にネガティブ思考でした…。
自分がマイノリティであることに引け目を感じていて、将来的にはノーマルの浩紀は自分ではない相手を見つけるべきだと思っている。
それって真剣に付き合っている浩紀に失礼なんじゃないかなと思うんですが、高校生で何も知らなかった相手を引き込んでしまった…という罪悪感はやっぱりあるでしょうね。
香月は浩紀より大人ですが、恋愛経験値は高くありません。
浩紀の恋愛経験はもっと少ないけれど、若いから柔軟に吸収し、どんどん成長していきます。
香月がひとりで悩んでいる間に、浩紀はしっかり自分の足で立ってるんですよ。
相手のためと言いつつ、それは自分を守るために逃げているだけ。
それに気付き、ようやく自分の幸せを肯定する事が出来た香月は、これからは浩紀との未来に目を向けて生きていくんでしょうね。

ということで、夏休みの間に高校生が恋愛を通して成長するという、8月にピッタリな話でした。
それにしても、高校生の頃あんなに子供だった浩紀が、こんないい男になるなんてねぇ…。
相手の心を奪うのではなく、相手の心を知りたいんだと気付いた浩紀は、この恋で確実に成長してる。
最初の頃は自分の暴走も止められなかった浩紀が、あっという間に香月が思うより大人になっているんですよ。
そういう変化を楽しめるのが、高校生もののよさだと思います。
私、いつき先生の作品を読むのはこれで3冊目なんですが、実はちょっと苦手意識があったんです。
巷の評判はいいけど、私にはその魅力がよく分からない…と思っていました。
でも今回すごく面白かった!
どうも、落ち着いた作風の方が自分に合う気がします。(因みに、これの前に読んだ2冊は「コンティニュー?」と「G1トライアングル」)
元々ラブコメよりシリアスな話の方が好きだし。
その辺り考慮しつつ、他の作品や新刊にも手を伸ばそうかなぁ♪

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2009.08.11 09:30 | いつき朔夜 | trackback(1) | comment(4)
            

おもしろそうですね

2009.08.12 17:53 URL | あう #OmEQ3VCk [ 編集 ]

是非どうぞ~。オススメします!

2009.08.13 01:06 URL | にゃんこ #fwkSvwQ6 [ 編集 ]

にゃんこさんお久しぶりです、セクピスのときにコメントさせていただいた者です。

にゃんこさんの感想読んで、こちらも読んでみたいと思いました!

わたしが読んだことのあるいつきさん作品は「午前五時のシンデレラ」と「ウミノツキ」だけなのですが、
どちらも落ち着いた感じの作品で、「午前~」の方は北畠あけ乃先生が挿絵ですし
にゃんこさん気に入るのではないでしょうか??

もしお時間あれば試してみてください^^!

これからもレビュー楽しみにしてます。

2009.08.14 15:41 URL | えのもと #FqTu9.sQ [ 編集 ]

えのもとさん、こんばんは~

「午前五時のシンデレラ」と「ウミノツキ」、面白そうですね!
先にラブコメから入って勝手に苦手意識を持っていたのですが、きっとこういった静かな作品から入っていたら好きな作家さんになっていたんだろうなぁと思います。
早く気付いて読んでいれば良かったー!
北畠先生の挿絵も魅力的ですね!
早速探してみます♪

お薦めの作品を紹介していただき、ありがとうございました。
私は結構読む作家さんが偏っているので、すごく参考になります!
また是非教えてくださいね(*^_^*)
それではまた~

2009.08.16 00:41 URL | にゃんこ #fwkSvwQ6 [ 編集 ]













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