にゃんこのBL徒然日記

BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

4592850521夜明けには優しいキスを (白泉社花丸文庫BLACK)
凪良 ゆう
白泉社 2009-07-17

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ストーカーの次はDVですか!
重量感たっぷり。読み応えのある作品でした。
【夜明けには優しいキスを/凪良ゆう/高階佑/花丸文庫BLACK(2009年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!

【あらすじ・感想など】
自分を痛めつけるように身体を酷使して働き、恋人からのDVを受け入れる西塔要。
そんな要に惹かれているバイトの同僚・池上公平は、要の生活を知り、放っておけず何かと世話を焼いてくる。
過去の事件に縛られている要は、公平の優しさに甘えてはいけないと思いながらも、その手をふりほどけずにいたのだが…。

要には加瀬という恋人がいますが、要は加瀬に好意を持って付き合っているわけではありません。
加瀬はそれを感じていて、それでも要を繋ぎ止めようとする思いから暴力を振るってしまいますが、要は逃げる事なく何も言わずその暴力を受けとめています。
6年前のある事件以降、要は自分は幸せになってはいけないのだと自分を戒めていて、加瀬の暴力は自分への罰だと要は思っている。
仕事でも自ら身体を酷使し、ついに要は倒れてしまいます。
人を寄せ付けない要はバイト仲間との交流はありませんが、公平は要の素っ気ない態度にめげず、何かと世話を焼いてくる唯一の人物。
バイトのゴタゴタを切っ掛けにふたりは近づき、公平は要の事情を知ることに。
要に好意を持っている公平は懸命に要を加瀬の暴力から救い出そうとしますが、要にその気がないために全く功を奏しません。
一方の要は、自分に優しくしようとする公平にこれ以上近づいてはいけないと感じ、離れようとします。
でも、公平に惹かれている気持ちは抑えられない。
そんな時、過去の事件を公平に知られてしまい…。
恋人からのDVというだけでも十分重いのに、要の過去もとても重いです。
要が自分を殺して生きている理由として納得できる内容でした。
そんな要の不幸オーラが加瀬を引きつけ、暴力に至ったのは、当然の成り行きかも。
でも、暴力で相手の愛情を確かめようとする限り、加瀬の気持ちは伝わりません。
どれだけ愛情を注いでも、暴力を振るっても、すべて素通り。
加瀬がどんどん壊れていく姿は痛々しく、空回っているふたりがもどかしくて仕方ありませんでした。

一方、要と公平は互いに惹かれ合っていますが、過去のある事件が原因で要は公平を受け入れることができません。
6年前のその事件は、要ひとりに責任があるものではないのだけれど、要が切っ掛けになってしまったのは間違いない。
事件の重さや周囲からの圧力によって、要は思い詰め、すべてを抱えてひとりで生きていこうとしています。
でも、誰とも関わらず、愛さず生きていくなんて簡単なことじゃありません。
要の寂しい心の隙間に嵌り込み、同じ負の力に引き寄せられたのが加瀬で、正の力で反発したのが公平。
加瀬と共に沈むばかりだった要を、公平が引き上げようとする。
それに必要なのは要の過去との対峙で、公平の支えによって、要はようやく未来に目を向けることになります。
どれだけ悔いても過去は変えられないし、罪の意識は消える事はありません。
でも、6年という時間が経ち、事件と自分の関わりを見つめ直す事が出来ます。
この事件を乗り越えるのは大変ですね。
関わっていた人たちに悪意はなかったけれど(問題の根本的なところにはあるけど)、非がなかったわけじゃない。
止めることは出来たはず。
そんな、気持ちの掛け違いが生んだ不幸な事件です。
要に向けられた公平の言葉は正しいけれど、でもそれは6年という時間が経っていたからこそ要が受け入れられたという部分はあると思います。
贖罪の期間は無駄じゃない。
でも、それに巻き込んでしまった加瀬に対して、要は責任がある。
ただ公平と幸せになるのではなく、加瀬に対して要がちゃんと向き合ってくれてよかったです。
そうじゃないと納得できません。

あ、話の展開的にふたりのエッチは最後までおあずけ~。
でもギュギュッと凝縮されていて、物足りなさは感じませんでした。
凪良先生のエロはちゃんとエロくてよいですね。むふふふw

暴力はもちろん肯定できないけれど、加瀬は憎めないキャラでした。
加瀬の番外の予定はないとあとがきにあったけれど、是非書いて欲しいなぁ。
かなり問題を抱えた人だけど、ストーカーが大丈夫だったんだから、DV男もいけるんじゃ…。
でも、とりあえず加瀬も幸せになるみたいなのでホッとしました。
要とは違う、明るくて前向きな子を見つけてください(笑)
【追記:2012.9.20】
加瀬が主役のスピンオフ出ましたーー!(下記参照)


ということで、「恋愛犯」が面白くて気になっていた作家さん・凪良先生の新刊はとてもシリアスな内容でした。
今回、ふたりのキャラには特別萌えはなかったです。
特に公平は結構苦手なタイプかも…。
要には公平みたいな正統派な若者の勢いが必要だから仕方ないですが、私には熱すぎる(笑)
でも、そこに萌えがなくても、内容がしっかりしているので読み応えがあります。
この重いテーマを無理なくまとめる力はすごい。
そしてエロも美味しいのがポイントですね!
あ、「ストーカーの次はDV」と書きましたが、刊行順的には続いてません。
既刊本のタイトルを見ていると軽めの作品もあるみたいですが、たまたま私が手に取ったのがストーカーと被DV男だっただけです。
重い作品ばかり読んでしまった…。
ただ、重いと言ってもJUNEっぽくはなく、登場人物に体温を感じられるので、もっと身近に感じられる痛みです。
だからこそ考えさせられる部分も多い。
期待通り手応えのある一冊で、益々凪良先生が好きになりました。
よし! 次は少し軽めの作品にいってみようかな。

■関連作
「お菓子の家 ~un petit nid~」 加瀬のスピンオフ
4829625384お菓子の家: 〜un petit nid〜 (プラチナ文庫)
凪良 ゆう
フランス書院 2012-09-12

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2009.07.30 00:20 | 凪良ゆう | trackback(0) | comment(0)
            












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