にゃんこのBL徒然日記

BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

罪深き誓約 :暁由宇

4946569677罪深き誓約―Rough Trade〈2〉 (アイノベルズ)
暁 由宇
雄飛 2002-01

by G-Tools

前作の感想からすでに2年も経ってますが、続編をようやく読みました。
うーん、SMって深い!
【罪深き誓約/暁由宇/九条えみり/アイノベルズ(2002年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!

【あらすじ・感想など】
前作の感想はコチラ→「快楽の支配者」

自分のSとしての性質を受け入れ、澤崎譲と恋人同士となった能代聡。
Mの経験が長い澤崎に導かれながら関係を深めていく能代だが、まだ心の中では葛藤も戸惑いもある。
それでも、澤崎を失いたくない能代は、自分の過去に向き合うことを決意し…。

元々ゲイではあるけれど、SMは初心者の能代。
ふとした切っ掛けで会社の上司である澤崎と関係を持ち、Sの素質に目覚めますが、欲望のまま澤崎を痛めつけることには抵抗があります。
それは、子供の頃に見た父親の母親への暴力が原因。
それ以来自分の中にある暴力的な嗜好から目を逸らし続けていた能代ですが、それを快楽として受け入れる澤崎と出会い、好きになった事で、自分自身のその欲望と向き合わなければいけなくなります。
一方で、澤崎は能代をSMの世界に導きながらも常に不安を抱えている。
能代の葛藤は澤崎も感じているし、過去の経験から、そのうち自分が能代に捨てられるのではないかと思っています。
今回は、ふたりが自分たちのスタンスを築いていくまでの話。
SMと言ってもその中にはいろいろな手法があって、カップルによってそれぞれ形が違います。
澤崎の場合は相手が能代であればどんなことをされても苦痛が快楽にすり替えられるようですが、それでも好みがあって、心の中では打擲されたいと思ってる。
能代は試行錯誤してますが、澤崎の要望に応えたいという気持ちはあって、叩くことにも興奮を覚えてます。
でも、叩く行為は見方を変えれば暴力で、能代はどうしても踏み切れない。
自分と向き合い、その原因を探っていた能代が、今まで直視できなかった過去を認め、それを澤崎に話す場面がよかったです。
それを認めるのって、なかなか難しいと思いますよ。
SMは互いの事を知って成り立つ行為だと前巻を読んで思いましたが、相手だけじゃなく、自分も知る事でもあるんですね。
もちろん、これはBLでフィクションなので、実際にどうなのかは私の知るところではありませんが。
SMに限らず、セックスはコミュニケーションの方法のひとつだと思います。
自分本位ではダメなのは当然の事。
この作品ではSMという形を通して、他者とどのように信頼関係を築いていくかが書かれています。
考えさせられる部分が沢山ありました。

話の中で「アナルセックス自体がSMプレイっぽい」という能代言葉があるんですが、それは私も常々感じていたことなので激しく同意してしまいました。
アナルセックスって受け入れる方は負担が大きいですよね。
嗜好にもよるけど、肉体的な事だけじゃなく、精神的にも同性に組み敷かれることを受け入れるのは簡単じゃないとも思います。
BLではすぐに快感を得ている場合も少なくないですが、それでも最初は「つらいけど相手が好きだから受け入れるし、嬉しい」という思考は働いてる。
それって、M的な考え方に近いんじゃないかと思うわけです。
この辺りが、私がSMが好きな、BLが好きな理由のひとつであるかもしれない。
まぁ男女の間でこの思考がないわけではありませんが、困難が多いほど読んでいて面白い…のかな。
こんな事を考えていたとき、ふと腐女子って世間的にはマイノリティなので、そう言う意味で同じマイノリティである男同士の恋愛に惹かれるんだろうかとも思いましたが…。
それじゃあ「卵が先か鶏が先か」的なループに嵌ってしまいますね(笑)
好きな理由なんて、自分でも説明しきれません。

あ、誤解の無いように言っておきますが、私自身そういった嗜好を持っているわけではありませんよ。
でも、この本を読んでいるとSMの良さが分かるような気がするし、そこまでの信頼関係を築ける事を羨ましいとも思います。
理性を投げ出し、すべてを晒せる相手がいるって素敵です。

ということで、私の大好きなSMについてじっくり読ませていただきました!
ただのプレイじゃない本格的なSMで、とても勉強になります。
このブログで散々私は「ハードなエロが好きだ!」と叫んでいますが、その理由はこういう所にあるのだなと、自分でも改めて再確認した次第です。
SM的な関係性が好き!
テーマはSMで濃い描写も多少ありますが、エロを目的とした話ではありません。
SMという言語ではあるけれど、内容的には一般の男女の関係にも通じる関係論だと思うので、SMに興味のない方でも楽しめるのではないでしょうか。
古い作品ですがオススメです!
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2009.03.26 00:06 | 暁由宇 | trackback(0) | comment(4)
            

こんにちは~
これ、未読だったのですね!
まぁ、絶版モノだから仕方ないか(笑)

ほんと、この作品を読むと一概にSMといっても色々あるなぁと考えさせられますね。

M視点の話と言うのは結構多く見かけますが、S視点、しかもSの方が経験浅いって言うのはあまり聞かないですから。

被虐的な自分を受け入れていくのと同じように加虐的な嗜好が自分の中に存在するという事を受け入れていくのもまたすごい葛藤なんだなぁと改めて思い知らされた感じがしました。

TB送りたいけど送れないのがくやし~(><)

コメントで我慢します♪
ではでは!

2009.03.26 10:23 URL | 高坂 #l/VZmCVM [ 編集 ]

高坂さん、こんばんは~

実はこの本、買ったのはかなり前なのですが、ずっと押し入れで眠らせていました…(^_^;)あわわゎ

BLは受視点が多いし、受は基本Mなので、Sの葛藤は興味深いです。
ただ傲慢で相手を痛めつけるというのは、ホントのSではないですよね。
SMって真面目に考えると奥深いんだなぁと、この本を読んでとても勉強になりました。
そして、自分の萌えの原点を見た気がします(笑)

TB頂けないのは残念ですが、高坂さんのレビュー読ませていただきます!
コメントありがとうございました(^^)

2009.03.27 18:09 URL | にゃんこ #fwkSvwQ6 [ 編集 ]

こんにちは、沙粧です。
暁さんのコノ作品は未読なのですが
以前、読んだ「恋の獲物」「甘い罠」という作品で
SMというものに対する偏見(?)みたいなものがなくなりました。

MがSを仕込むという設定に、ちょっと興味がそそられます。
探して、読んでみようかなぁ~

2009.03.30 16:49 URL | 沙粧 #- [ 編集 ]

沙粧さん、こんにちは~

暁先生の作品はこのシリーズしか読んだことがないのですが、「恋の獲物」「甘い罠」も同じようにSMの話なのですね!
すごく気になります!
プレイじゃなくて関係としてのSMの話はなかなか見かけないのですが、私はこういう話が読みたいです。
早速探してみます!!

仕込むというか導くという感じですが、このシリーズも読み応えがありますよ。
是非どうぞ~♪

コメントありがとうございました(^^)
それではまた!

2009.03.31 09:40 URL | にゃんこ #fwkSvwQ6 [ 編集 ]













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