陽だまりに吹く風 :吉原理恵子
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吉原先生のラブコメは苦手だったということを忘れてました。
でも思いがけず最後には楽しんでいる自分がいた…。
【陽だまりに吹く風/吉原理恵子/織田涼歌/ダリア文庫(2008年)】
オススメ:
↓ネタバレあり、caution!
【あらすじ・感想など】
千堂一真が中ノ澤高校に入学して一ヶ月。
一真はふとしたことから同じ学年の有名人・神奈木辰巳に気に入られ、毎日追い回されていた。
容姿も行動も目立つ神奈木の愛情表現にうんざりしている一真だが、冷たくあしらうことも出来ず、ズルズルとなし崩しに一緒にいることが多くなっていた。
中学時代からの親友・津寺聡史と高槻隼人、そして親の離婚で離ればなれになってしまった弟の彬。
周囲の人間と共に、一真の毎日は次第に変化していくのだが…。
シリーズの1作目でプロローグ。
まだ何も始まっていなくて、主要人物の立ち位置の説明が話の中心です。
一真は、小柄で特別整った容姿をしているわけではないのですが、人と群れず、声をかけにくい雰囲気を出していて、妙に存在感があります。
そんな一真の中学時代からの親友が、津寺と高槻。
津寺は一見冷静沈着で他人に無関心な二枚目ですが、父親の影響でかなり腕が立ち、キレると恐ろしい男です。
一真と津寺は他人との距離の置き方や価値観が似ていて、お互いに認め合っているから、高校に入っても一緒にいることが多い。
もうひとりの親友・高槻は、中学からバレー部に所属していることもあって、体育会系で元気いっぱいの男。
一真と津寺とは正反対の明るい男だけれど、裏表のない真っ直ぐな性格が二人と上手くかみ合って、高校に入っても仲良くやってます。
そんな三人の中に(というか、一真に一直線だけど)、高校入学早々突然飛び込んできたのが、神奈木。
神奈木は津寺のクラスメイトで高槻と同じバレー部員です。
甘いマスクで女子に人気があって、バレーの実力でも中学時代から名を知られる存在だった神奈木。
嫌みなほどパーフェクトなんですが、常識外れな行動を連発するから憎めない。
そんな神奈木が何故か一真に懐いて、恥ずかしげもなく名前を連呼したり抱きついてきたり…。
一真は神奈木の派手な求愛行動(?)にうんざりしながらも、結局強く拒絶することも出来ずズルズルと懐かれています。
うーん、動物に例えると、一真は野良猫、神奈木はラブラドール、津寺が山猫で、高槻は柴犬…といった感じかな。
ハッキリと個性が分かれてます。
一応一真が主人公のような感じですが、一番最初が神奈木のモノローグということは、神奈木が主人公?
本編に入る前にこの4人のモノローグがあるのですが、それを読むとこの先の巻もかなり人物描写が続きそうな予感…。
早めに色気のある展開をしてくれないと、私は挫けそうですヨ。
とりあえず神奈木×一真はあるとして、他は一真を挟んだ三角または四角関係を経て、最終的に津寺×高槻だろうか。
個人的には津寺×高槻が気になります。
あ、この4人の他にもくせ者っぽいヤツがいましたね。
一真の弟・彬。
彬はひとつ年下の弟だけれど、県外に住んでいて5年近く会っていません。
ブラコンのニオイがプンプンします。
会わないうちに兄の自分より男らしく成長した弟に迫られる…なんて、ありそうで美味しそうな展開じゃないですかー。
…兎にも角にも、プラトニックな駆け引きを延々とやられるのは辛いので、肉体関係を適度に挟みつつ話を進めて欲しいです。
キスとかかきあっこ止まりじゃなくって、ちゃんとしたエッチを求む!
私、吉原先生は好きなんですが、吉原先生のラブコメは実は苦手…。
「子供の領分シリーズ」は、確か最初の1,2冊は出た当時(もう10年以上前…)に読んだ記憶がありますが、それ以来苦手意識が強くて手を出していませんでした。
元々文章にクセのあって好みの別れる作家さんだと思うのですが、ラブコメになると更に読み手を選ぶような気が…。
文体もだけど、言葉の選び方も独特。(バブルのニオイがする…と思うのは私だけだろうか。って、私もその世代じゃないんですけどね)
そんなこんなで苦手意識がありながらも、今回は続き物じゃない新作だったので、なんとなく手に取ってみました。
戦々恐々としながら読んだのですが…。
意外にも読むにつれて面白くなってきて吃驚!
文章も吉原先生にしてはクセ抑えめで、比較的(あくまで吉原作品比)読みやすいんじゃないでしょうか。
ただ、このまま延々と群像劇を展開されると厳しい。
ダリア文庫だし(個人的にエロ濃いめの印象)、エロ方面も絡めて話を進めていただけると嬉しいです。
私、多分次の巻にキスすらなかったら、その先は買わない…。
しかしコレ、いろんなフラグ立ちまくりで、長期戦は確実?
私はこのシリーズより、「二重螺旋シリーズ」の続きがそろそろ読みたいですよ、吉原先生!!
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