にゃんこのBL徒然日記

BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

4883863522さようなら、と君は手を振った (Holly NOVELS)
深井 結己
蒼竜社 2008-06-20

by G-Tools

コミックの方を先に読んでいたのですが、小説はさらに面白かった!
しかし、予想以上に啓介が熱くて驚きました…。
【さようなら、と君は手を振った/木原音瀬/深井結己/Hollyノベルズ(2008年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!

【あらすじ・感想など】
芦屋誠一(27歳・攻)は、ある日従兄弟の啓介(27歳・受)に再会する。
昔と変わらず冴えない風貌の啓介に対して誠一は苛つき、距離を置こうとするが、ふとしたことから手を出してしまう。
中学生の時の夏休み、二人は関係を持っていた。
その時に交わした「迎えに来る」という約束を果たさず、今まで何の連絡もとっていなかったことに負い目を感じていた誠一。
啓介が何も言わない事に安堵した誠一は、啓一の優しさに甘え、身勝手に振り回すのだが…。

誠一は社会人として普通に働いていますが、服や車などにお金を使い、フラフラと自由気ままに遊ぶ日々を送っています。
そこに現れた啓介は誠一と正反対に自分の容姿に無頓着。
誠一は、啓介と一緒に歩くのも恥ずかしいと距離を置こうとするのですが、啓介のふとした笑顔や優しさに、思わず昔のように関係を持ってしまう。
何も言わずいつでも自分を受け入れ、優しくしてくれる啓介。
そんな啓介に甘え、身勝手に関係を続ける誠一ですが、その一方でマリという女に入れ込んでいます。
高嶺の花であるマリを手に入れるために啓介までも利用する誠一ですが…。
失って初めて自分が必要としていたものを誠一は理解しますが、時既に遅し。
啓介の態度にはもちろんちゃんと理由があって、しかもそう啓介が考える原因は過去の誠一の行動にあります。
優しかった啓介の抱えていた想いを知った時、今の自分では啓介の心を手に入れられない事に誠一は気が付くのでした。
誠一はそれなりに格好良くてもてる男ですが、その分プライドが高く、自己中心的な性格をしています。
だから、田舎っぽい啓介を侮っていて、傲慢な態度をとり続けます。
啓介が何も言わないのは、自分に惚れているからだと思って疑わない。
自分を無条件に受け入れてくれる存在に癒されながらも、そんな自分を理解しようとはしません。
自分を弄ぶマリの身勝手な態度に腹を立てるのに、自分がいかに酷い態度を啓介に取っているかには気が付かない。
本音を打ち明けられる友人もいない自分の、人間関係の希薄さにも気が付かない。
外側ばかりに気を遣っていて、中身がスカスカなんですよ。
でも、こうやって誠一の愚かさに苛立っている自分も、我が身を振り返れば同じように鈍感で、思いもよらないところで他人に嫌な思いをさせているのかも…。
人の振り見て我が振り直せ。
肝に銘じておきます…。

ここまでが表題作の『さようなら、と君は手を振った』。
「ergo」でコミカライズされていたのは、ここまでのお話。
ずっと誠一の視点なので、啓介の気持ちは表に出てきた部分しか分かりません。
続く『僕がどんなに君を好きか、君は知らない』では、啓介視点でその後の二人が書かれているのですが…。
最後、思わぬ着地点にちょっと吃驚しましたよ。
予想以上に啓介の本質は濃かった。

紆余曲折を経て再び上京し、誠一と暮らすことになった啓介ですが、5年前とは打って変わって誠実で献身的な誠一の行動に戸惑います。
誠一のことは変わらず好きだし、その行動も嬉しいのだけれど、再び一人にされるかもしれないと思うと、幸せに身を委ねられません。
与えられたものは受け入れるけれど、自分の心はさらけ出さない。
そんな啓介の態度が誠一を不安にさせるのですが…。
別れや裏切りを経験してきた二人が付き合う事になって直面するのは、信頼関係を築く事ができるかどうかという部分ですよね。
今までもこうした展開には出会ったことがあります。
だから、啓介と誠一も一度大きなぶつかり合いをして、理解し合うようになるんだろうなぁと思っていたのです。
いつも一筋縄ではいかない木原先生なのに、今回は王道だなと思ったら…。
そうきますか。
このタイトルは誠一の言葉かと思いきや、実は啓介の言葉でもあるのですね。
ラストで一気に湿度が上がりました。

その二人の行動から派生した番外編が、『空を見上げて、両手広げて』。
父親である啓介とその恋人・誠一の盲目的な愛情を身近で感じ、寂しさを感じている息子・貴之が主人公です。
父親の一番は恋人であると知っている貴之は愛情に飢えていて、無意識のうちに身近にあった温もりに縋り、欲望を愛情にすり替えて心の均衡を保つことを覚える。
その相手はそんな貴之の気持ちには気付いていて、止めなければと思いながらも、ダラダラと関係を続けてしまっているのですが…。
苦くて切ない青春時代の思い出…という所でしょうか。
依存と愛情がごっちゃになっていて、貴之にとって逃げ場であったことは確かだけど、そこには恋愛感情もあったんだろうなと思う。
「好き」という気持ちは曖昧で、思い込みだって多分にあると思うし。
どう転ぶか分からないラストだったけれど、二人が新たな関係を築くことができたらいいなぁ。
しかし、『僕がどんなに~』の最後のシーンも含め、私はひたすら啓介と誠一が大人としてもっとしっかりしてくださいよ!と思いながら読んでましたよ…!
子供の前でエッチはいかんだろう。

ということで、「ergo」で読んて興味を持ち、小説が出るのを楽しみに待っていたのですが、その後の話もたくさんあって嬉しかったです。
これを読んで、端折ることなく、細かい部分のニュアンスまでしっかりとマンガになっていたのだなぁと感心しました。
その後の展開は予想外な重さだったけれど、木原先生ですもんね(笑)
読み応えがあって、面白かったです!
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2008.06.24 17:25 | 木原音瀬 | trackback(1) | comment(0)
            












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さようなら、と君は手を振った/木原音瀬
木原ホリーノベルズ新装改訂版版が出てますが 沙粧は、あえてアイスノベルズ版を読みました。 あ、別に深い意味はないですよ。 さようなら...

2009.03.02 23:10 | 腐ノ煩悩(暴走中)

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