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花がふってくる :崎谷はるひ

4861342627花がふってくる (DARIA BUNKO)
崎谷 はるひ
フロンティアワークス 2008-05-13

by G-Tools

崎谷先生にしては珍しく、しっとりした話ですね。
今先生が崎谷先生に負けないくらい個性的なのだと改めて感じさせられました。
【花がふってくる/崎谷はるひ/今市子/ダリア文庫(2008年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!

【あらすじ・感想など】
蓮実秋祐は大学の昆虫学研究室の助手として働いている。
世間離れしていて生活能力もなく、実家からの反対もあった秋祐は、4年前からいとこの袴田涼嗣のマンションに居候をしていた。
他人にドライに接する涼嗣だが、秋祐にだけは甘い。
密かに涼嗣に好意を抱いている秋祐は、そんな優しさに痛みを覚えながらも拒めないでいた。
しかし、涼嗣に結婚話が持ち上がったことで、その気持ちに区切りをつける決意をするのだが…。

田舎の大地主である袴田家の次男である涼嗣と分家筋の秋祐は、同い年だということもあり、幼いころから兄弟のように育てられます。
頭も良く、体格も良い涼嗣は子供のころから大人びていて、秋祐にとっては憧れでありコンプレックスの対象でもある。
複雑な感情はいつしか恋愛感情へと変化していくのですが、最悪の形で自分がゲイである事を知られてしまったことで、秋祐は涼嗣と距離を置くようになります。
それから6年経ち、諸事情から東京で生活を共にすることになった二人。
昔から危なっかしい秋祐を弟のように甘やかしてきた涼嗣は、秋祐の傷を知ってから離れてしまった二人の関係を修復したくて、何かと世話を焼く。
今でも密かに涼嗣に想いを寄せている秋祐は、そんな優しさに痛みを感じているけれど、嬉しく思っている自分もいて、結局拒めません。
でもそんな日常も、涼嗣の結婚を機に終わりにしなければいけない。
無自覚に優しさで縛ろうとする涼嗣に気持ちを伝え、区切りをつけようとする秋祐ですが…。
涼嗣はこの時になってようやく、自分が傍にいたいと思う相手が誰なのか、今まで何故秋祐の世話を焼いていたのか気が付きます。
涼嗣は頭が良すぎるんですよね。
だから何事も理性的に判断し、行動するのが当たり前になっているのですが、秋祐に対する自分の行動がその範疇を超えていることに気が付いていません。
理由を考えるより先に、そうすることが当然だったから。
良い意味でも悪い意味でも、何事にも秀でていた涼嗣は無自覚に傲慢なところがあって、秋祐の事も自分が守るものだと思っている節があります。
結婚をすることで秋祐を失う。
そんな当たり前の事を涼嗣は失念していて、失うことを目の当たりにして漸く、理性の中に埋もれていた欲望に気が付く。
多少ドライすぎるところはあるけれど、頭も良く誠実であるように見える涼嗣が、実際は交際相手の理名に対しても秋祐に対しても無自覚に不誠実な行動をとっていた、という構図が皮肉だなぁと思う。
一見完璧な男が、思わぬ事態に遭遇して右往左往する姿っていいですね。
…それも束の間、あっという間に秋祐をリードしてますが。
どこでそんなテクを…(笑)

紆余曲折を経て二人が恋人同士になるまでが、表題作の『花がふってくる』。
その後、二人が田舎に帰省する話が『夏花の歌』です。
表題作は涼嗣の本編で、秋祐にとっての本編はここからですね。
全てを捨てて秋祐を選んだ涼嗣は、破談によって理名を傷つけて今の関係があることや、田舎の親や親類に対する後ろめたさを抱えていく覚悟を決めています。
でも、涼嗣への想いが突然実ってしまった秋祐は、まだその重さを抱えきれないでいる。
そんな秋祐が、帰省で涼嗣の想いを知り、不安定になりながらも涼嗣と生きていく覚悟を決める話。
澄さんとのやりとりに、思わず涙が溢れました。

状況的には閉鎖的なラストだけど、ちゃんと前を向いて強くあろうとする二人の姿がとてもよかったです。
崎谷先生は気持ちの揺れを掘り下げて読ませる作家さんで、今回も読み応えのある作品でした。
でも、いつもより情感が溢れていたと感じるのは、今先生の挿絵があるからかな。
挿絵によって作品の雰囲気が違ってくることはよくあることだと思うんですが、今先生は特にその傾向が強いなぁと今回改めて思いました。
崎谷先生も結構個性的な作家さんなんですが、その崎谷作品までもが今市子カラーに染まってる。
すごい影響力だなぁ。
まあ、この作品もそうですが、絵師さんが決まっている(希望がある)状態で書かれているからそうなるという事ももちろんあるんでしょうが。
今先生の場合、特に受が、挿絵だけで今市子キャラになってるんですよねー。
植物的でどこか浮世離れしている雰囲気。
私はこういう受が大好きなので、今先生の挿絵は当たる確率が高いのです。
この作品に出てくる秋祐も植物的なニオイのするキャラでしたが、静かな中にも凛とした強さを感じられて、とても好き。
読む前は「崎谷作品に今先生の挿絵?」と不安に思っていましたが、読んでみると全く違和感なく、面白かったです。
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2008.05.20 00:29 | 崎谷はるひ | trackback(1) | comment(2)
            

こんばんは、にゃんこさん♪

花がふってくる、崎谷さんの文章と今さんの絵が本当によく合ってましたよね!
こう言うのを相乗効果って言うんでしょうか?
読みながら、静かなのに、淡々としているのに、溢れてくる何かに心が強く揺さぶられるような気持ちになりました。
私的にもスゴク良かったです!

…ハタと気が付いたのですが、もしかしてちゃんとしたコメントをさせて貰ったのは、これが初めてでしょうか?
キャーーーー!!って感じです。
これからもよろしくお願いします。

すみません、お願いついでと行ってはなんですが、TBもお願いします。m(_ _)m

2008.05.21 00:55 URL | 游 #- [ 編集 ]

游さん、こんにちは~

こちらでは初めてなのですね!
こちらこそよろしくお願いしますm(_ _)m

崎谷さんは結構アクの強い作家さんだと思うのですが、今回は今市子カラーに染まっていて吃驚しました。
相乗効果!
まさにそんな感じですね。

TB&コメントありがとうございました!
それではまた~

2008.05.22 10:19 URL | にゃんこ #fwkSvwQ6 [ 編集 ]













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