にゃんこのBL徒然日記

BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

4344804481至福の庭~ラヴ・アゲイン~ (リンクスロマンス)
六青みつみ
幻冬舎コミックス 2004-08-28

by G-Tools

設定からして大好き。
切なさと萌えが詰まってます。
【至福の庭~ラヴ・アゲイン~/六青みつみ/樋口ゆうり/リンクスロマンス(2004年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!

【あらすじ・感想など】
対人恐怖症を患っている鈴木佳人(26歳・受)。
横浜の自宅でカウンセラーとして働く兄の元で暮らしている佳人は、ある日、患者としてやってきた藤堂大司(26歳・攻)と出会う。
性的な魅力に溢れ、体格の良い藤堂に対して恐怖も感じてしまう佳人だが、それと同時に惹かれてもいた。
優しい藤堂に会う度に佳人の胸は高鳴る。
しかし、それによって胸の奥に眠っていた記憶が呼び起こされようとしていた…。

6年前、佳人はある事故によって記憶の一部を失っています。
それと同時に対人恐怖症を発症し、特に自分より体格のいい男性に恐怖を感じるようになってしまう。
カウンセラーである兄の仕事を手伝ってはいるものの、外に出ることもなく、他人と触れあうこともない生活を送る日々。
そんな中出会った藤堂に惹かれる自分を自覚しながらも、自分に自信がない佳人は何も出来ません。
藤堂はそんな佳人との距離を辛抱強く縮めようとするのですが、佳人は藤堂とのやりとりで過去を思い出してしまい…。

藤堂との出会いは偶然ではなく、佳人の過去に関係しています。
以下、かなりネタバレなのでご注意くださいませ。

二人は中学の頃からの親友で、恋心を抱いていた佳人が高校の卒業式に告白したことを機に付き合い始めます。
でも、大学生となり派手な生活を送るようになった藤堂にとって、いつまでも変わらない佳人は退屈な相手。
興味本位で付き合っただけだという認識の藤堂は、自分の招いた事態で性的暴行を受けた佳人が助けを求めても取り合いません。
「お前には飽きた。もう別れる」と切り捨てられた佳人は深く傷つき、これが切っ掛けとなって記憶を失い、対人恐怖症を発症してしまった。
失ってみて初めて気が付いた佳人の大きさ。
自分がどれだけ佳人を好きだったのか、藤堂はようやく自覚します。
藤堂の行動はもちろん酷いです。
でも、自分が藤堂のようにならないとは限らない。
高校時代は真面目な優等生だったのが、家を出て都会の大学に通うようになって生活も性格も一変するなんてことはよくあることですよね。
熱に浮かされたように背伸びして勘違いして、周囲のいつまでも垢抜けない人たちを見下す態度を取ってしまったり。
時間が経って冷静になったとき、自分の未熟さに恥ずかしくなるという経験は多くの人が持っているんじゃないかな。
私もあります。
藤堂と同じように、私も大学生になってかなり変化があった人なので、なんだか他人事とは思えませんよ…。
ただ藤堂の場合、これがほろ苦い思い出所の話ではなく、取り返しのつかない結果を招いてしまいます。
その代償は大きくて、6年かけてようやく再び佳人と会話をし、触れ合い、素直な気持ちで接することができるまでになる。
そして、佳人は記憶を取り戻し、藤堂への気持ちも自覚するようになるのですが…。
後半の書き下ろし分『ツートン・ハート』は、そんな二人が本当の恋人同士として幸せになる話なのかと思いきや、厳しい現実が待っていて吃驚しました。
最後にはもちろんハッピーエンドですけど、佳人の心は予想以上にトラウマを抱えていて、一筋縄ではいかないのですよ。
藤堂の苦悩は続きます。

やけに藤堂に感情移入してしまいましたが、佳人もすごく好みのキャラでした。
というか、まず設定からして萌えツボつきまくりなんですが!
トラウマもちで発作を起こす展開は、転げ回るほど好きです。
しかも記憶喪失なんですよ。
美味しすぎますよ。
本人が自覚している以上に心が受けたダメージは大きくて、藤堂を好きな気持ちと、藤堂に対する不信感や警戒心が佳人の中に共存しています。
特に後半では、好きなのに自分の心を巧くコントロールできなくて苦しんでいる佳人の様子がとても切ない。
「許す」と言葉にすることより、相手の行為に対する気持ちをきちんと自分の中で処理するということがいかに大変か。
一度壊れた関係を築き直す事は容易ではありませんよね。
佳人と藤堂は遠回りをしてしまったけど、その分、きっとお互いを理解し、尊重しあえる関係を築くことができるんじゃないかなぁと思います。

そして…。
六青先生の作品はこれで3冊目なのですが、今回ようやくアノ展開に出会えました!
「輪○や強○」がついにキター!
断片的にしか出て来ませんが、待ちに待っていたものが来たことでテンション上がってしまいました。
腐りきっていてすみません。
ここまでまともな感想を書いていたのが台無しですね…。
でもいいんです。
素直に叫びますよ!!
トラウマや発作の絡んだエッチも萌えました。
苦しい中で僅かに垣間見える、快楽の芽みたいな描写も好きです。
ただ、惜しむらくは本当の意味で心が通じ合ったエッチがなかったことでしょうか。
ボリューム的に無理があるので仕方がないのですが、幸せな二人の様子がもっと読みたかったです。

長々とすみません。
好きな作品ほど語ってしまいますよ…。
今までに読んだ「リスペクト・キス」「夕陽と君の背中」と同様、今回も二人が幸せになるまでの苦労が半端じゃありませんでした。
藤堂のように、構図としては責められる立場にある人物にもちゃんと感情移入できるので、余計に辛くなってきますね。
恋愛を含めた人間関係の難しさをグイグイ掘り下げていく六青先生の作品は、読んでいてとても痛くて切ないのですが、そこがとても読み応えがあって好きです。
今回も大満足でした!
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2008.04.16 01:12 | 六青みつみ | trackback(0) | comment(4)
            

はじめまして!。コメントとか初めてするパソコン初心者です。失礼がなければよいのですが…。

にゃんこさんの書評を読みまして初めてこの作家さんに手を出しました!。以前雑誌でこの作家さんファンタジー世界のを書いていて、私はファンタジーの世界観をつかむのがどうも苦手で、だからずっと読まずにいたのです。

でも読んでよかったデス!!。読まずにいてちょっともったいなかったかも!。

トラウマ抱えてしまって苦しむ受けが可哀想で萌えました!。明るく元気なお話よりこういう切ないお話の方が私も好きです。

これからもにゃんこさんのレビュー楽しみにしてます!。


2008.05.04 22:08 URL | 雪兎 #- [ 編集 ]

雪兎さん、こんばんは!

私もファンタジーは苦手なので、六青さんはどうかなぁとなかなか手に取らずにいたんです。
でも、友人から勧められて、とりあえずじゃあ現代物を読んでみようかなと読み始めたら…。
すっごく好きな作風で、大興奮でした。
食わず嫌いはいけませんねー。
まだファンタジーの方は読んでいないのですが、そちらにも手を伸ばそうかなと思っています。

しかし、六青先生は痛いと分かっているので、読み始めるのに気合いを要します。
先日新刊を買ったのに、まだ手をつけられずにいますよ…。
連休中にじっくり腰を据えて読みたいです。

コメントありがとうございました。
とても励まされます!
稚拙な感想ばかりでお恥ずかしいですが、少しでも参考にしていただければ幸いです。
それではまた~。

2008.05.05 00:41 URL | にゃんこ #fwkSvwQ6 [ 編集 ]

なるほどなるほど・・・
にゃんこさんのブログは私には辞書! 教科書!
興味を感じた作家さんがあれば、すかさず飛んできてチェックです ^-^
にゃんこさん、雪兎さんありがとうございましたっ!

2009.06.20 13:01 URL | はちみつケーキ #A1/W7/qI [ 編集 ]

はちみつケーキさん、こんばんは~

私自身も他のブロガーさんなどのお薦めで読んだことのない作家さんを手に取ったりするのですが、私の拙い感想を同じように参考にしていただけるなんてとっても恐縮です!
好きな作品をこうして知っていただけるのはとても嬉しくて、ブログやっていて良かったなぁと思います。

コメントありがとうございました(*^_^*)

2009.06.22 21:18 URL | にゃんこ #fwkSvwQ6 [ 編集 ]













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