にゃんこのBL徒然日記

BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

FRAGILE :木原音瀬

4048670026FRAGILE (B-PRINCE文庫 こ 1-1)
木原 音瀬
角川グループパブリッシング 2008-04

by G-Tools

ヒーエー…。
木原先生、容赦なし。
【FRAGILE/木原音瀬/高緒拾/B-PRINCE文庫(2008年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!

【あらすじ・感想など】
大河内友巳(35歳)は、ある日部下の青池達郎(31歳)に社内で襲われる。
以前から、優秀であるがために目障りで、虐げてきた青池の凶行。
大人しい性格の青池の行動に驚きながらも、退職に追い込む理由が出来たことを喜んでいた大河内。
しかし、辞職した青池によって、大河内は自宅に監禁されてしまい…。

大河内は順調に出世街道を歩んでいますが、それは実力があるからではなく、世渡りが上手いから。
清潔感があり温厚そうな外見で、接待などの裏工作で部下の仕事を売り込むことが上手く、上司からの受けも良い。
同じ部署で働く社員たちには性格の悪さを知られていますが、どこ吹く風。
青池はそんな大河内の部下ですが、仕事の出来る青池に危機感を持っている大河内は、ひたすら陰湿なイジメを繰り返し行っています。
青池はストレスで体調を崩しながらも素直に従っていたのですが、ふとした切っ掛けで自分がゲイであることを大河内に知られてしまい、社内にばらされてしまう。
それによって青池は怒りが爆発し、大河内を襲うことになるのですが、結局自分が退職に追い込まれただけに終わってしまいます。
そして、大河内への恨みを募らせた青池は、大河内を監禁するという行動に出るのですが…。
大河内の性格の悪さは相当なので、青池による復讐には「それ見たことか!」と思ってしまいますよ。
それだけのことをされて当然なことを大河内はしてる。
でも、青池の異常さが読み進めるとどんどん怖くなってきますね…。
BLでこの手の展開だったら、普通まずは強姦なんじゃないかと思うのですが(それもどうなんだ)、青池の攻め方はそうじゃないんですよ。
人間性を貶めて、精神的に追い詰める。
私は割と大丈夫なので普通に読みましたが、スカトロ苦手な方は読まない方が良いかもしれません。
すごすぎる…。
イッちゃってるよ、青池さん…。
これにどう「ラブ」を絡めるんだと不安に思っていましたが、どうやら青池の行動の根本には愛情があったようです。
愛情と憎悪は背中合わせの関係で、執着という部分では同じ。
好きになった切っ掛けは些細なことでも、相手にされない苛立ちから引くに引けなくなり、過度の執着が一気に憎悪という形で爆発してしまった青池。
可愛さ余って憎さ百倍。
青池の大河内に対する「可愛さ」の度合いは普通の人よりも大きいので、その反動も相当大きい。
どうしてこんな大河内に惚れてしまったんだとも思いますが、気持ちが通じない相手、性格の悪い相手にばかり惚れてしまう人は実際沢山いますよね。
そして、「好き」という気持ちに囚われ周囲が見えなくなってしまう事だって、誰にだって起こり得ること。
ただ、普通の人はこの暴走を理性で抑えるんでしょうけどね…。
大河内は火に油を注ぐような言動を無自覚にしてしまうのですよ。
普段大人しい男がキレると大変です。
好きなのに酷い行動をしてしまう自己矛盾は次第に青池を追い詰めるのですが、大河内の卑しさを目の当たりにすると苛立ちを抑えられず、自分をを止められません。
行き着くところまで行き着いた青池の執着ですが、結果的に青池の粘り勝ち。
最後には大河内は青池を受け入れていて、無自覚ながらも「好き」という感情も抱いてます。
ドロドロした執着の行き着く先としては、意外にもあっさりした結末。
閉鎖的ではあっても、一応ハッピーエンドですよね。
でも、抵抗することに疲れた大河内の心が、自己防衛反応的に受け入れることを選んだだけなんじゃないだろうかと思わずにはいられませんよ…。
…理由なんて無意味かもしれませんが…。

前半の『FRAGILE』は大河内視点、後半の『ADDICT』は青池視点。
どちらも相当濃いですが、大河内にも青池にも感情移入が出来なくて、正直なところ、読んでいて不快感がこみ上げてきました。
木原先生の作品で性格の悪い男、病的な男が主人公であることは珍しくないんですけどね…。
一応ラブがあるこの作品より、ラブレスがテーマの某同人誌の話の方が読みやすかったのは何故だろう…。
大河内も青池も決して特殊な人物ではなく、その辺にいそうだから余計に怖いのかもしれない。

あ、一応二人はセックスしてます。
描写もそれなりにある。
でも、読んでいるとその先にある落とし穴の予感の方が気になってしまって…。
私の萌え心はくすぐられませんでした。
せっかくパイ○ンが出てきたのになぁ…。
コレを生かしたプレイが読みたかったわ…なんて思ってみたり…。あわわ。

挿絵の雰囲気からSMものかなぁとワクワクしていたんですが、見事に期待を裏切られ、予想を超えた展開が待っていました。
私は結構重い話が好きで、執着ドロドロ拉致監禁ものも大好物!…だと思っていたんですけど、今回は許容範囲を超えていましたよ。
自分の好きなドロドロとはベクトルが違った。
木原先生らしい作品ではあると思います。
ただ、一般受けはしないのは間違いないですね。
キワモノ好きな私ですが、今回はギブアップ。
監禁ものでエロ方面に責める話は好きですが、人間性を否定するようなやり方で延々と責めるのは、読んでいて辛くなりますよ…。

それにしても…
B-Prince文庫の路線が全然分からないんですけど。
創刊ラインナップのカラーが余りに違いすぎる。
この話は文庫向きでもないと思うし。
どの辺りを狙ってるのかな…。
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2008.04.11 00:40 | 木原音瀬 | trackback(1) | comment(2)
            

にゃんこさん こんにちは~!

ああ、プレイ的にはにゃんこさんがお好きそうなのがいろいろあるじゃなーい、と思ってたんですが、さすがに萌えなかったですか(笑)
いや、無理もないですよね・・・。

私もドキドキやばい覚悟決めながら読んでたので以外にラスト落ち着いちゃったなーとホッとはしたものの、感情移入は難しいひとたちですよね~。

そしてビープリの行方。
私もまったく予想がつきません。ほんとにコンセプトらしきものが感じられないんだもん・・・。

まあバラバラでも月に一冊くらい読みたい本をだしてくれれば私は嬉しいけど!

TBいただいていきますのでよろしくお願いします。

2008.04.14 17:29 URL | ゆちゅらぶ♪ #- [ 編集 ]

ゆちゅらぶ♪さん、こんにちは~

そうなんですよ、私好みっぽいですよね(笑)
でも今回は使われ方がどうも私の好みではなかったようで…。
スカ○ロも剃○も使い方次第では美味しいのになぁと、残念に思いました(オイオイ)

木原先生だという覚悟を決めて読まないと、これはなかなか難しいのではないかと思います。
…そもそも、木原先生じゃなかったらこのプロット通らないんじゃぁ…。

B-Prince。
とりあえず、見守っていきます。
コメント&TBありがとうございました!
それではまた~

2008.04.15 17:49 URL | にゃんこ #fwkSvwQ6 [ 編集 ]













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FRAGILE~愛が毀れるとき~
FRAGILE (B-PRINCE文庫 こ 1-1) 木原 音瀬 JUGEMテーマ:読書 戦々恐々としながらも待ち遠しかった木原さんのお犬様本です。 雑誌掲載分の「FRAGILE」と書き下ろし「ADDICT」の二本立て。 「FRAGILE」が既読でしたので今回この救いのなさそうなデッドエンドの物?...

2008.04.14 17:32 | 水中雑草園

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