にゃんこのBL徒然日記

BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

言ノ葉ノ花 :砂原糖子

440352169X言ノ葉ノ花 (新書館ディアプラス文庫 169)
砂原 糖子
新書館 2007-09-10

by G-Tools

砂原先生らしい、切ないけど優しい雰囲気の作品ですね。
この設定はやばいと分かっていたけど、案の定泣かされました…。
【言ノ葉ノ花/砂原糖子/三池ろむこ/Dear+文庫(2007年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!!

【あらすじ・感想など】
3年前のクリスマスイブ、余村和明(29歳・受)は突然不思議な力を手に入れた。
“人の心の声が聞こえてしまう”
人間不信に陥った余村は日常生活さえままならなくなり、ひとりマンションに籠もっていた。
しかしそんな生活を続けることにも限界を感じ、契約社員として家電店の販売員として働き始めた余村。
相変わらず相手の心の声は聞こえてくるが、それを受け流す事が出来るまでにはなっていた。
そんなある日、今までほとんど会話も交わしたことの無かった同僚・長谷部修一(24歳・攻)の声を聞いてしまった余村だが、その声は自分への好意に溢れていて…。

“人の心の声が聞こえてしまう”というのは便利そうですが、自分でコントロールできず、聞きたくない声まで聞こえてしまうとなると大変です
どんな人でも表には出さないだけで、大概心の中に負の感情がありますよね。
それが聞こえてしまう余村は、他人の言葉を信じることが出来なくなり病んでしまいます。
元々の性格もあって何とか社会復帰するものの、周囲の人間に心を許すことは出来ない。
そんな余村の前に現れたのは、余村に好意を寄せる長谷部。
長谷部は余村にアプローチしているわけではないのですが、余村はその気持ちを知ってしまい動揺します。
そして、どんどん長谷部が気になる存在になり、余村は自分から近づいていくのですが…。
元々全然気にもとめていなかったけど、相手の気持ちを知った途端意識してしまう。
これは余村のような力が無くてもよくあることですよね。
でも余村はハッキリとその気持ちを知ることが出来るので、駆け引きとかではなく、確信的に相手に迫ることが出来てしまいます。
裏表が無く誠実な長谷部がよせる好意は心地よく、余村はその気持ちに流されるように関係を持ってしまいますが、自分の気持ちはハッキリしません。
そんな中、ある出来事を切っ掛けに余村は自分の力を打ち明けることになります。
ここですんなりハッピーエンド、という展開になりそうでならないんですねー。
二人が分かり合うまでには、この先一山も二山も乗り越えていくことになります。
心の声を聞かれてしまう長谷部の困惑。
そして、突然心の声が聞こえなくなってしまった余村が新たに直面する問題。
非日常的な設定ですが、最終的に二人が見つけた答えは普通の恋愛にも通じる部分です。
入り口はファンタジーですが出口はリアルなので、特に後半は感情移入しやすかった。
力を失った後普通の恋人同士になりすべてが収まるのではなく、力を失ったことで新たに浮上した問題を乗り越えることにより、余村と長谷部の間に本当の意味で信頼関係が築かれます。
余村は力によって長谷部の好意を簡単に知ることが出来たけれど、長谷部と心を通じ合わせるまでには多くの困難を乗り越えていかなければならなかった。
そんなところに好感が持てました。
そして泣きそうな設定だとは分かっていたんですが、案の定泣かされてしまいましたよ…。
人と関わることに怯え、藻掻いている余村が切ない。

この『心の声が聞こえる』という設定、意外なところにも影響してましたねー。
余村に長谷部の心の声が聞かれてしまうということは、つまり長谷部のエロい思考まで読まれてしまうことになるわけで…。
意図せず言葉攻めになってます(笑)
絡み自体はそこまで濃くないのになぁ…。
長谷部の素直な心の声に羞恥心を煽られている余村に萌えてしまいました。

あ、余談ですが、後半長谷部が余村のキスを振り払ったのは、今度は長谷部が心の声を聞けるようになってしまったからなんじゃないかと実は思ってましたよ。
だって流石にその行動は余村ショックだろうし、長谷部も動揺してるみたいだったし…。
深読みしすぎました(笑)
答えは意外と普通だけど、それはそれで納得。

雰囲気的には「斜向かいのヘブン」に似てますね。
主人公の設定は非日常的ですが、日常の世界で話は動いています。
二人の間の問題がハッキリするので、意外と普通よりも話に入りやすいかもしれないなぁと思いました。
三池先生の挿絵もすごく合ってる!
面白かったです。

--
ドラマCDにもなっています。
感想はコチラ→「言ノ葉ノ花(ドラマCD)」

■シリーズ
「言ノ葉ノ花」 長谷部×余村
「言ノ葉ノ世界」 仮原×藤野
「言ノ葉ノ使い」 額田×栞名

言ノ葉ノ花 (ディアプラス文庫) 言ノ葉ノ世界 (新書館ディアプラス文庫 240) 言ノ葉ノ使い (ディアプラス文庫)
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2007.09.17 00:58 | 砂原糖子 | trackback(2) | comment(6)
            

にゃんこさん、こんにちは!
三池さんの描かれる青を基調とした表紙が、お話の雰囲気によく合っていると思いました。

非日常的な設定なので、手に取りづらい方も多いかもしれませんが、書き下ろしの続編で2人が直面する問題は、恋愛のみならず普遍的な人間関係にも通じるものなので、ぜひ読むのを迷っている方にも読んでほしいと思いました。

でも本当に最後が意味深でしたよね。
想像の余地が残されていて、最後まできっちり書き込まれているお話だと思いました。

TB送らせていただきますね~v

2007.09.17 09:59 URL | 霖雨 #.zLyGMJk [ 編集 ]

霖雨さん、こんにちは~

表紙もステキですよね!
この挿絵で三池さんに惹かれ、コミックスも買ってしまいました。

>書き下ろしの続編で2人が直面する問題は、恋愛のみならず普遍的な人間関係にも通じるものなので
ファンタジーだけれど、話の軸はちゃんと恋愛だったので読みやすかったです。
砂原先生は丁寧に話を進めてくれるので、いつも安心して読めます。

TB&コメント、いつもありがとうございます!
ではまた~

2007.09.18 17:16 URL | にゃんこ #fwkSvwQ6 [ 編集 ]

にゃんこさん こんばんは~!

砂原さん私は前から好きな作家さんなんですけど、今回もやっぱり泣かされてしまいました。
一途で朴訥な長谷部がいてくれて、余村にまた人を信じる心を取り戻させてくれてよかったな~と思うのですが、実際にはこんなに裏表なく人を愛することができる長谷部の存在が1番ファンタジックな気もします(笑)

私はじれったいプレイ大好きなので正直すぎる言葉責めも楽しかったです★

また後日TBに参りますのでよろしくお願いしますね♪

2007.09.18 23:11 URL | ゆちゅらぶ♪ #- [ 編集 ]

ゆちゅ♪さん、こんにちは~

心の準備はしてましたが、案の定泣かされました…。
砂原さんには毎回痛いところを突かれます。

>実際にはこんなに裏表なく人を愛することができる長谷部の存在が1番ファンタジックな気もします(笑)
確かに~!
余村は最初に登場した彼女の心の声を聞いてショックを受けていましたけど、その女の人が特別酷い人だったわけじゃないですよね。
相手のことを好きでも、やっぱり打算的な部分もあると思いますし。
長谷部の存在の方が珍しいです。
で、言葉攻めは私も楽しかったんですが、これがもし長谷部のように純粋な相手じゃなかったらすごいことになってたんでしょうねー。
もっとエロ爆発してそうです(笑)

コメントありがとうございました。
TBお待ちしてます☆
ではでは!

2007.09.19 11:40 URL | にゃんこ #fwkSvwQ6 [ 編集 ]

にゃんこさん、またまたこんにちは!。

自分の砂原先生の2冊目です。
こちらもにゃんこさんの記事とタイトルと表紙の雰囲気で選んで読みました!。
切なそうだなぁ、と思いましたが本当に切なくて良かったです…。
社会人2人、ちゃんと地に足ついてる日常があって好感でした。

そういや他人の心の声が聞こえるって「ナイトヘッド」デスね。古いかな…(苦笑)。

いつもサイトの新しい記事楽しみにしてます!。

ではまた!。

2008.05.18 17:09 URL | 雪兎 #- [ 編集 ]

雪兎さん、再びこんにちは!

「ナイトヘッド」…!
懐かしい~。
当時、あの兄弟にドキドキしてましたよ。
私は「サトラレ」が頭に浮かんでいました…でも実は読んだことも観たこともないんですが(^^;)
この設定は切ないですよねー。
あらすじ読んだ時点で「これは絶対泣くな…」と思ってましたが、案の定泣かされました…。

コメントありがとうございました!
とても励まされます。
それではまた~

2008.05.19 17:46 URL | にゃんこ #fwkSvwQ6 [ 編集 ]













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言ノ葉ノ花
三年前から突然人の心の声が聞こえ始め、以来人間不信気味の余村。ある日彼は、自分に好意を持っているらしい同僚の長谷部の心の声を聞いてしまう。罪悪感を覚えつつも、言葉で、“声”で、一途に注がれる愛情が心地よく、余村も長谷部を好ましく思うようになる。そしてつい

2007.09.17 09:53 | 霖雨の彼方

見エナイ夜モ星ハ瞬ク
言ノ葉ノ花 (新書館ディアプラス文庫 169)砂原 糖子ディアプラスにおける勝率は5割程度…しかし2本に1本は逆転満塁サヨナラホームランくらいでかい一発なので今回も言わせて貰います。ありがとう砂原さん!今回も素敵なキュンをありがとう~!ヾ(≧∇≦)ノ うう、乙女回

2007.09.19 11:57 | 水中雑草園

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