にゃんこのBL徒然日記

BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

Jの総て (1)-(3) :中村明日美子

4872338553Jの総て (1) (F×COMICS)
中村 明日美子
太田出版 2004-06

by G-Tools

この雰囲気、嵌りました。
【Jの総て (1)-(3)/中村明日美子/F×COMICS(2004-2006年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!!

【あらすじ・感想など】
オハイオの片田舎で暮らすJの憧れはマリリン・モンロー。
裕福ではないが温かい家庭で育ったJ。
しかし父親の失業で生活は一変。
そしてアル中の父親との情事を母親に知られてしまったことで、Jは家庭を失うことになる。
孤児院、そして養子となったJは寄宿制の男子校・カレンスバーグへ。
そこで出会ったポールがJの運命を変えることになるが…。

1巻はJの生い立ちとポールとの出会い、2巻はJが高校を飛び出しニューヨークで歌手として生きている場面、そして3巻はポールと再会からクライマックス。
A5版で3冊なので、結構ボリュームがあります。
雰囲気も内容も、BLと言うにはちょっと違和感が…。
JUNEの雰囲気?
うーん、竹宮先生とか萩尾先生とか、24年組のニオイも感じるし…。
題材や表現方法でそう感じるのかなと思うけれど、斬新な部分もあってすごく新鮮ですね。
ストイックな色気が漂ってます。

舞台は1960年代のアメリカ。
ベトナム戦争の頃ですが…私自身その時代背景をしっかり理解できていないので、深い所はよく分からないです。
宗教的な問題も正確に把握できないんですが…。
でもその頃も今も、アメリカで同性愛者の立場は強くないし、KKKのような極右の白人至上主義団体の標的にもなったりするのは変わらないわけで。
自由の国と言いつつ、日本より保守的です。
その辺りもこの話では重要な部分ですね。

凄く深くて面白かったんですが、どう感想を書いて良いのか悩みます。
上手く言葉にならないですよ…。
Jの10歳から40歳くらいまで追ってますからね、どこから攻めたらいいのか…。
Jはゲイというより、今で言う性同一性障害に近いのかな?
当然理解されない事も多くて、幼い頃からJは孤独です。
でも虚勢を張っていて、傷ついてもそんな姿を周囲には決して見せようとはしません。
そんなJの前に現れた運命の人・ポール。
ポールはJに厳しく接しながらも、次第にJに惹かれ、受け入れます。
でもJの過去や自分の過去、そして周囲の反応、そういった圧迫に押しつぶされてしまったポールはJを突き放してしまう。
それに傷つきポールの前から姿を消したJですが、数年後二人は再会します。
Jは受刑者、ポールは司法書生として。
過去に向き合うことになり精神的に不安定になるJをポールは支えようとし、そしてポール自身もJに向き合うことになります。
話の大筋としては二人の関係はそんなに複雑ではないですが、ここに家族の問題や時代背景が絡んでいて、一筋縄ではいきません。
お互いに相手を受け入れるだけでなく、相手を思う自分を受け入れるという部分がこの話の核心だと思いますが、その描写がじっくり掘り下げられていて、読んでいて胸が痛くなりました。
二人が手を取り合えるようになるまででかなり泣かされたので、ラストの幸せそうな姿を見ることが出来てホッとしましたよ…。
何気ないやりとりも微笑ましく感じます。
そして、二人を支える人たちの優しさも泣けました。
…っていうか、もうモーガンに釘付けですよ!
外見に似合わず結構乙女。
モーガンについては番外編の「ばら色の頬のころ」でじっくり触れたいと思います。

…うー、やっぱり大した感想を書けなかったなぁ。(自己嫌悪)

絵も話も個性的。
変化球だとは思うんですが、読み始めると一気に惹き込まれます。
その魅力にどっぷり嵌ってしまいました。
性描写が特別多いわけではないんですが、ちょっとした仕草や視線に色気を感じます。
特に首筋が好き…!
とても読み応えがありました。
大満足です!

4872339509Jの総て 2 (F×COMICS)
中村 明日美子
太田出版 2005-05-17

by G-Tools


4778320093Jの総て (3) (F×COMICS)
中村 明日美子
太田出版 2006-03-15

by G-Tools


■リンク作
「ばら色の頬のころ」
関連記事
            

にゃんこさんはじめまして。相沢といいます。Jの総て、私も大好きでこの作品で明日美子さんにハマりました。
私はJをトランスジェンダーの「女性」としてとらえて読んでいたので、BLというよりは男女の恋愛っぽく読んでいました。
ですので、ほかのみなさんと読み方が違うかもしれません。
この作品は前向きに終わるのでとても好きです。明日美子さんって退廃的な作風なのかなと思って避けてたのですけど、食わず嫌いだったなとわかりました。3巻の18ページと19ページでJが刑務所で弁護士のポールに会うまでのシーンほか マリリン・モンローの絶妙な使い方にひきこまれます。
明日美子さんの髪の毛の毛先のくるんとした描き方やまつげのかき方もお気に入りです。

2007.08.05 23:07 URL | 相沢 #- [ 編集 ]

相沢さん、こんにちは!

>私はJをトランスジェンダーの「女性」としてとらえて読んでいたので、BLというよりは男女の恋愛っぽく読んでいました。
私も改めて考えると、無意識にその視点で読んでいたと思います。
自分がゲイ(というか、所謂ニューハーフ)とトランスジェンダーの違いを正確に認識しているかどうかは自信がないですが…。
その点でも「BL」というくくりに入れるのは違和感がありますね。

絵が個性的なので、私も食わず嫌いでずっと手に取らなかったのですが、読んでみたら一気に嵌ってしまいました。
細かい部分にまでこだわりやセンスが感じられてステキですよね!

コメントを頂き、ありがとうございました!
それではまた。

2007.08.06 18:02 URL | にゃんこ #fwkSvwQ6 [ 編集 ]

にゃんこさん、こんにちは!

この作品は私も大好きです。「ばら色の頬のころ」と合わせて読むのがベストですよね♪

Jもポールも、性別や自分在り方、価値に悩んでいましたが、お互いに出逢った事で(時間はかかりましたが)、「ありのままの自分」を受け入れる事が出来た事は良かったですね。

自分自身の存在価値を認められないと、他人を思いやる余裕は出てきませんしね。

それぞれに幸福とは言いがたい幼少時代を過ごして来た二人でしたが、漸く手を取り合って生きて行ける相手に巡り会えて良かったなあと思います。

短い文章で感想を述べるのは難しいですが、久々に読み応えを感じた作品でした♪

モーガンの萌えキャラっぷりも凄まじいですしね。(笑)

ではでは、読み難いコメントで失礼しましたが、折角の機会なのでTBさせて下さいね!

2007.08.06 19:04 URL | ハスイ #MMIYU.WA [ 編集 ]

はじめまして^^
かよこんと申します、よろしくお願いします!
私も中村明日美子先生大好きですv
BLではないのですが、「ゴスロリバイブル」という季刊雑誌で中村先生はゴシック&ロリータな女の子(時々男の子)を主人公にした短編漫画を連載なさっていて、その漫画を読んでファンになりましたv
中村先生のBL作品では「コペルニクスの呼吸」というのを読みましたが、かなり退廃的で残酷な描写も多く、絵は好きなのですがちょこっとトラウマになってしまいました^^;
でも、にゃんこさんのレビューを読んで、「Jの総て」を読んでみたくなりました^^

では、また遊びに来させていただきますv

2007.08.06 23:20 URL | かよこん #- [ 編集 ]

ハスイさん、こんばんは!

このコミックスを手に取ったのは、以前ハスイさんやtatsukiさんにオススメしていただいたのが切っ掛けでした。
ありがとうございました!

>自分自身の存在価値を認められないと、他人を思いやる余裕は出てきませんしね。
そうですよね。
他人に向き合うと言うことは、自分に向き合うことでもあるのだなぁということを痛感しました。

モーガン…
序盤はこんなに萌えキャラだとは気が付きませんでした(笑)

TB&コメント、ありがとうございました!
それではまた~

2007.08.07 00:26 URL | にゃんこ #fwkSvwQ6 [ 編集 ]

かよこんさん、こんばんは!

中村先生はBL以外にも描かれているのですね~。
どんなジャンルでも中村先生なら自分のものにしてしまいそうなので、そちらも面白そうです。

>「コペルニクスの呼吸」
かよこんさんの感想で俄然興味がわきました!
読んでみたいです。
「Jの総て」にも痛い描写はありますが、そんな容赦ない部分も全体としてみると大きな役割を果たしているのかなと思いました。
機会があれば、是非こちらもどうぞ!

コメントありがとうございましたm(_ _)m
それではまた!

2007.08.07 00:33 URL | にゃんこ #fwkSvwQ6 [ 編集 ]













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Jの総て 3
【内容紹介】『君とふたりで、生きてゆく』NYでの失踪から1年半、「J」は流れついた刑務所で初恋の人・ポールとの再会を果たす。突然の再会に、戸惑いすれ違うふたりだったが…。運命の恋、カミングアウト、母親

2007.08.06 18:20 | +synapse∞type-bee+

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