にゃんこのBL徒然日記

BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

4344806387夜明けには好きと言って (幻冬舎ルチル文庫)
砂原糖子
幻冬舎コミックス 2005-09-15

by G-Tools

「センチメンタル・セクスアリス」が面白かったので、他の砂原作品を読んでみました。
ホストモノ…と思いきや、意外な展開でした。
砂原先生うまいなぁ。面白かったです。
【夜明けには好きと言って/砂原糖子/金ひかる/ルチル文庫(2005年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!!
白坂一葉は、交通事故に遭ったのをきっかけに顔を整形、名前も変え別の人間として生きることに。ホストクラブで働き始めた一葉は、同級生だった黒石篤成と再会。かつて一葉は黒石に告白され、夏の間付き合っていたのだ。同僚となった黒石は、一葉に好きだと告白する。つらい過去を思い出しながらも再び黒石に惹かれていく一葉は…。


【あらすじ・感想など】
白坂一葉(25歳・受)は、自分の顔にコンプレックスを持っている。
幼い頃から義母に「醜い」と言われ続け、卑屈に育った一葉は、人の目を見ることができずいつも俯くばかり。
「自分の醜さを周りは笑っているのではないか」と感じてしまい、学校では周りにとけ込むこともできず、いつも一人だった。
社会人になってもそれは変わらず、リストラされてしまった一葉は再就職先を探すがうまくいかない。
鬱屈した思いが限界を超え、一葉は無意識のうちに車のアクセルを踏み込み事故を起こしてしまう。
この事故によって顔に大けがを負った一葉は顔を整形し、新しい自分になろうと名前を変え上京。
ホストクラブで働くこととなったが、そのホストクラブのナンバーワンホストは中学の同級生・黒石篤成(25歳・攻)だった。
中学時代、篤成に告白された一葉。
同性ではあったが自分を好きになってくれたのだと素直に嬉しかった。
「友達から…」と中学2年の夏の間一緒に過ごし、自然と篤成に好意を寄せるようになったが、篤成は転校していってしまう。
そして、黒石の告白が実は罰ゲームでしかなかったことを知り、それから卒業まで、一葉は「ホモ」だとからかわれ続けることに。
自分を裏切っていた篤成を貶めたい。そんな思いで一葉はがむしゃらに働き始める。
そんな一葉に、篤成は「好きだ」と言ってきて…。

「容姿なんて重要じゃない」なんて言っても全然説得力なんてないですよね。
誰だって、少なからず外見で判断してしまう。
そして、自分がどう見られているかを気にしてしまう。
一葉は幼い頃から自分を疎んでいた義母に「醜い」と言われ、「自分は醜い」と思い込んでいる。
そして、卑屈な性格は人との関わりを恐れ、どんどん内向的なネガティブ思考になっていってしまいます。
そんな性格では、外見が醜くなくても、人に好かれるはずがありません。
いろんな事がうまくいかないのはそんな性格のせいなんでしょうが、一葉はひたすら「自分が醜いからダメなんだ」と思い続けている。
もう外見じゃなく心が醜くなってるんですよね。
中学時代の篤成との出来事はそんな一葉を変えるチャンスだったのですが、ちょっとしたボタンの掛け違いで、結局これがきっかけでイジメを受けることになってしまい、篤成への憎しみだけが残ることに。
うまくいきませんね。
一葉が実際身近にいたら「いい加減もっと前向きになりなよ」といらつくだろうなとは思うけど、容姿にコンプレックスを持っている一葉が、そんな性格になってしまったのも理解できる。
幼い頃のすり込みや、中学時代の精神的な傷。
そういったものは周りや自分が思っている以上に心に残り続けるんですよね。

人生を新しく始めようとした一葉ですが、篤成に再会してしまったことで、過去に向き合わざるを得なくなります。
でも、「『顔』が好きだ」と言われた一葉は、篤成に惹かれつつも素直に受け入れることができません。
まあ、当然ですよね。
でも篤成は『一葉』だから好きなのだと伝えたいのです。
そんな篤成の真摯な態度に、次第に一葉も変わっていきます。
そして一葉は篤成の想いを知り、自分が『一葉』だとようやく自分の口から言うことができる。
自分を否定ばかりしていた一葉は、ようやく自分を肯定し、受け入れることができるようになります。
本当の意味で、新しい人生を始めることができたのでした。

あ、篤成について全然触れてませんね。
彼も結構苦労人です。
親の借金問題で、大人の汚い部分、人間の弱い部分を見てきている。
でも、だからといってそういった部分を受け入れられる訳じゃない。
ホストという華やかな仕事をしているのに、孤独を抱えてます。
真面目だけど不器用。
もっと器用だったら、中学時代に一葉を救ってあげれたかもしれない。
でもそんな不器用で一途な篤成だからこそ、一葉は好きになったんでしょうね。

人の印象って、外見によって少なからず左右されてしまう。
でも、外見の印象なんて、容姿よりも内面性が表に出ている部分の方が大きいですよね。
明るく前向きな気持ちでいれば、自然と姿勢も良くなる。
洋服だって、自信を持って着れば似合って見える。
一葉に足りなかったのは、自分に自信を持てるだけの努力だったんじゃないかな。
待ってるだけじゃ、誰も助けてはくれません。
後ろ向きに生きていると、周りの人間の気持ちまで見えなくなってしまう。
それによって失うものがあるんですよね。
この話は極端な例ですけど、似たようなことは誰にだってあると思う。
身につまされるお話でした。
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2006.12.01 10:56 | 砂原糖子 | trackback(1) | comment(2)
            

こんにちは~
砂原さん 初読みでした。
どうなるんかなぁってずっと思いながら読んで、最後そう来たか!

って感じでした(笑)

白坂が自分に自信付けられて良かったです。これからは今までの分取り戻すくらい、幸せな人生を送ってほしいですね~

TBさせていただきました
ではまた!!

2006.12.20 13:58 URL | Jura #l/VZmCVM [ 編集 ]

Juraさん、こんにちは~。

砂原先生、私も最近読み始めたんですけど、かなり好みでした。

やっぱりこのオチは驚きましたよねー。
そう来るか!と、私も思いました(笑)
でも、別にムリがある展開でもなかったし、このオチだったからこそ白坂は自分のことを好きになることができたんだから万々歳ですよね。

ホント、白坂にはささやかでも幸せな人生を送って欲しいなぁと思いました。

TB&コメント、ありがとうございました。
ではでは。

2006.12.20 17:28 URL | にゃんこ #fwkSvwQ6 [ 編集 ]













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夜明けには好きと言って【砂原糖子/illust 金 ひかる】
うむ…なかなか良い話だった。多分始めての砂原糖子さん作品です。既に続編というか、リンク作品も出ているので今更~な感は否めませんが、ううん、いいのだ。義理の母に『気持ちの悪い顔』と言われて育ち、容姿に...

2006.12.20 13:53 | kotonone::詞の音

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