にゃんこのBL徒然日記

BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

君を殺した夜 :夜光花

4199004181君を殺した夜 (キャラ文庫)
小山田 あみ
徳間書店 2006-11-25

by G-Tools

すごくよかった。痛いけど前向き。
今までの夜光花作品の中で、この作品が一番好きです。
【君を殺した夜/夜光花/小山田あみ/Chara文庫(2006年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!!
「ここから飛び降りたら、お前を好きになってやる」。10年前、幼馴染みの聡(さとし)の告白に幸也(ゆきや)が出した条件だ。何においても優秀な聡が妬ましくて、酷く傷つけたかったのだ。そんな幸也が勤める中学に、聡が新任教師として赴任してきた。聡は「お前に罪の意識があるなら、身体で償え」と、幸也に強引に迫る。けれど、聡は辛辣な言葉とは裏腹に、優しく幸也を抱きしめてきて…!?


【あらすじ・感想など】
吉井幸也(25歳・受)は、彼女もいて、生徒からも人気がある中学教師。
年上の先輩教師である那美とは、特別盛り上がりがあるわけではないが順調で、数年後には結婚して穏やかな家庭を作るのだろうと思っていた。
そんな中、英語教師として赴任してきた樋口聡は幸也の幼馴染みだが、中学時代、ある事件をきっかけに連絡を取ることもなく今に至っていた。
自分は聡に恨まれていると恐れる幸也。
そんな幸也に、聡は過去をちらつかせ身体の関係を迫るが…。

幸也は聡が目の前に現れたことで、過去の事件に対する罪の意識に苛まれることに。
聡に反発しながらも、逃れることはできません。
以下、かなりネタばれしますのでご注意くださいませ。

かつて母子家庭の樋口親子は吉井家の隣人で、同い年だった幸也と聡はいつもいっしょにいた。
子供の頃は幸也の方が体格も立場も上だったが、成長するに従い、幸也は聡にどんどん追い越されてしまう。
それでも聡は幸也を慕ってついて回るが、幸也はそんな聡に対して劣等感を抱き、素直になれずにいた。
そして、幸也の父親が聡を褒めるたび、そんな苛立ちは増していく。
そんな気持ちは、ある日、父親の裏切りを知ったことで爆発。
幸也のことが好きだと言う聡に、「ここから飛び降りたら好きになってやる」と言ってしまう。
聡を傷つけ、嘲笑うつもりが、聡は本当に飛び降りてしまい…。
その後二人は言葉を交わすこともなく幸也は引っ越し、10年間二人は会うこともなかったのでした。

思春期、体も心も先に成長していったのは聡。
聡は幸也を好きだと告げますが、幸也は聡の苦悩を理解することができません。
そんな中起こった大人達の感情のぶつかり合いを目の当たりにしてしまった幸也は、感情に振り回されることを恐れています。
そんな感情を持つことで、醜い自分をさらけ出したくない。
大人になった幸也は、何に対しても執着を持つことができなくなっていた。
幸也は過去から抜け出すことができずにいるのです。
一方、幸也よりも精神的に成長していた聡は、この事件にしっかりと向き合っていた。
だからこそ、幸也に対する気持ちが失われなかったんでしょうね。
先に成長してしまった聡は、幸也が自分を愛してくれないということも分かっている。
でも離れることはできない。
「飛び降りたら好きになる」という言葉が真実でないことは分かっているけれど、ここから飛び降りたら自分は幸也の心に居続けることができる。
そんな想いで聡は飛び降りたのですが…。
子供って残酷です。
そして、向き合うことを拒絶してしまった幸也は、大人になった今でもそんな聡の気持ちに気付くことはない。
再会後、聡は少しでも幸也を自分に向かせたくて身体の関係をもったのですが…。
どうしても、幸也の心に触れられない。
聡のもどかしさが痛い程伝わってきて切ないです。
でも、こんな聡のひたむきさが、結果として幸也を変えます。
自分が何故こんなに聡に劣等感を持つのか、何故聡に心をかき乱されるのか?
幸也は自分の醜さを直視し、ようやくそれに気付きます。
でも、ここで安易にハッピーエンドとならなかったのがよかった。
聡の気持ちに流されている訳じゃなく、幸也は自分の意志でちゃんと聡を受け入れるのだという事が大切だから。
聡に再会することがなかったら、幸也はずっと無意識に過去のトラウマを抱え、穏やかだけれども空虚な生き方をしていたんでしょうね。
聡が幸也を求めてくれて本当によかった。

こんな事件が起こってしまったのは、親たちの存在が大きいです。
起こるべくして起こったという見方も出来る。
親たちがしっかりと幸也をフォローしていたなら、こんなに遠回りすることはなかったんだろうなーと思います。
大人だから、親だからと言って完璧な人間ではありません。
それは教師となった幸也にも言えることですが。
この辺りは我が身をふり返ってみたりすると…痛いですね(苦笑)

今回、結構絡みの回数は多いです。
学校内が多かったのがちょっと微妙ですが(私はこういった誰が来るか分からないような場所でのエッチは苦手だ)、描写的には萌えエロには違いないです。
ただ、最後の場面はちゃんと布団でして欲しかったなぁ。
落ち着いてラブッとしてください!

夜光花先生はトラウマもちの受が多い。
しかも、結構ヘヴィーな過去な場合が多いですが。
今回もそのパターンでしたが、幸也は最後にはちゃんと過去に向き合います。
ちゃんと自分の醜い部分を直視し、聡の想いに真摯に応えようとする姿が好きだ。
過去は重いですが、幸也には感情移入しやすいです。
程度の差はあれ、誰もがこんな弱い部分を抱えているだろうなと思います。
幸也よりしっかりしてるとはいえ、聡だって自分の思いを押さえきれずに暴走してますしね(笑)
一歩間違えたら聡ってかなりやばい奴ですよねぇ。
全く応えてくれない相手に10年以上片思いして、転職するくらい執着してますからね(笑)
そんな欠陥持ちの二人が頑張る姿がいいです。
幸也がちゃんと聡に「好きだ」と言うことができるようになった頃の二人が見たい。

今までの夜光花作品の中で、この作品が一番好きです。
これからもヘヴィーなシリアス路線でお願いします!
関連記事
2006.11.29 10:15 | 夜光花 | trackback(2) | comment(4)
            

にゃんこさん、こんばんわ^-^

>幸也がちゃんと聡に「好きだ」と言うことができるようになった頃の二人が見たい。
私もです><これはすごく思いました~☆どう変わっていってくれるのか、
そこが一番知りたかったです。

後、私も最後はベッドでラブッとが希望です(笑)

今回うまく書けずに短い感想ですがTBさせてもらいました;x;
またお邪魔しますv



2006.12.25 18:18 URL | ありす #mWt2sFS6 [ 編集 ]

ありすさん、こんにちは!

夜光花先生ご自身も、サイトで“ラブが足りなかった”というような事をおっしゃってました。
その後の二人のラブッとした所を垣間見てみたいですよねー。
もちろん in 布団で(笑)

わたしも書きたいことが頭にいっぱいになってるのに全然言葉にできてない…と、改めて読んでガックリ来ました(苦笑)

TB&コメントありがとうございました~。
ではまた☆

2006.12.26 16:08 URL | にゃんこ #fwkSvwQ6 [ 編集 ]

こんにちは、にゃんこさん。

>程度の差はあれ、誰もがこんな弱い部分を抱えているだろうなと思います。

私はこの作品のココに惹かれたんだと思います。
どのキャラも皆そんな感じでしたよね。
聡の母親も、幸也の彼女も、両親も。
皆、弱くて変な方向に転がってしまった。
その中で、自分に向き合って変えていこうとする幸也がとても素敵だと思えたし、読後感がとてもいい作品だと思いました。

TBありがとうございました。
こちらからも返させていただきました。

2007.01.17 21:12 URL | ナルミ #w6XFEYVU [ 編集 ]

ナルミさん、こんにちは。

皆弱い部分を抱えていますが、そんな部分も人間くさくて良いですよね。
この作品、主人公はかなりネガティブ思考なのですが、最後には前向きに頑張ろうとする姿が好きです。

TB&コメント、ありがとうございました☆
ではでは!

2007.01.18 13:11 URL | にゃんこ #fwkSvwQ6 [ 編集 ]













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君を殺した夜
夜光花/イラスト 小山田あみキャラ文庫2006年11月30日発行STORY      「ここから飛び降りたら、お前を好きになってやる」。10年前、幼馴染      みの聡(さとし)の告白に幸也(ゆきや)が出した条件だ。何においても      優秀な聡が妬ましくて...

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