にゃんこのBL徒然日記

BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

エス -残光- :英田サキ

4813011381エス 残光 (SHYノベルス170)
英田サキ
大洋図書 2006-10-27

by G-Tools

ついに完結です。さみしいなぁ…
二人がようやく安らげる居場所を得ることができ、私もホッとしました。
「残光」を読む前に、前作を復習することをオススメします。
【エス-残光-/英田サキ/奈良千春/SHYノベルズ(2006年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!!
警視庁組織犯罪対策第五課、通称「組対五課」の刑事である椎葉は、拳銃の密売情報を得る、言わば拳銃押収のスペシャリストだ。その捜査方法はエス(スパイ)と呼ばれる協力者を使った情報収集活動に重点がおかれている。ある日、大物ヤクザであり椎葉のエスでもある宗近が何者かの銃によって倒れた。宗近を守るため、ある決意のもと宗近から離れた椎葉は、五堂によって深い闇を知る。複雑に絡まり合う過去と因縁。錯綜する憎しみと愛。奪われた者は何で憎しみを忘れ、奪った者は何で赦しを得るのか。この闘いに意味はあるのか?闇の中でもがき続けた男たちの鎮魂曲。


【あらすじ・感想など】
宗近が何者かに襲われ負傷、そして、一方の椎葉は五堂の指金により監察に追われる身となってしまった。
宗近への想いを胸に、椎葉は復讐を果たすため、一人五堂の元へと向かう。
五堂は宗近を狙ったことを認めたが、姉の殺害は否定する。
憎しみを抱えながらも、椎葉は五堂の巧みな話術に心が揺れてしまう。
宗近を救うため、椎葉は五堂に囚われることに。
発作的に自殺を考えてしまう程、精神的に追いつめられる椎葉。
五堂の命令で、宗近にも別れを告げた。
そんな生活の中、言葉を失っている少女・紀里と五堂の関係、そして五堂の過去を知ることとなった椎葉は、五堂の抱える闇にのまれそうになるが…。

以下、かなりネタばれしているのでお気を付けくださいませ。

宗近を襲い、姉を殺した五堂は、椎葉にとって憎むべき相手。
しかし、五堂の闇を知る程に、椎葉の心が揺らいでしまいます。
そんな中、五堂に取り込まれていた東明は、五堂に対して不信感を抱くように。
一方五堂に心酔している東明は、兄・宗近に心を開きたいと思っているが、過去に捕らわれ憎しみをぶつけることしかできない。
追いつめられた東明は椎葉を攫いますが、そこに現れた宗近と激しくぶつかりあい、そうして宗近の心を知った東明は、ようやく前を見ることができたのでした。
そして、再会することができた椎葉と宗近。
二人はようやく“エスと刑事”ではなく、お互いを求めていることを認めるが、それはしかし、元の関係を捨てることでもある。
ーーー五堂は密造工場と共に炎の中へ。
拳銃の密造事件は解決し、椎葉も過去を昇華させた。
そして、新たなスタートを切るため、椎葉は宗近を待つのでした…

椎葉、宗近、五堂、東明、そして篠塚。
皆、暗い過去を背負っています。
特に今回の事件の中心人物である五堂。
五堂の心の闇は深く、同調してしまう人間をも巻き込みますが、彼自身、その闇を振り切ることができないために、破滅願望を抱えている。
憎しみの連鎖は五堂が生まれる前からすでに始まっていて、それは椎葉の姉をも巻き込んでいきますが、最終的には五堂は自分の死をもって断ち切るしかなかった。
悪役ですが、憎みきれないです。
五堂自身どうにもならない負の力を抱えていて、一番苦しんでいたのは五堂かもしれないなぁと思うと切ない。

負の連鎖を断ち切り、未来へ歩き出す。
皆、苦しみながらも新たな一歩を歩き出すことになります。
宗近は、東明を支え組を立て直した後、椎葉と表の世界を歩いていくことに。
常に緊張の中生きてきた二人が、ようやく穏やかな生活を手に入れることができそうで本当によかった。
シリーズ全体からみると、この最終巻は突っ走っているかもしれないですが、心理描写がしっかりしているし、じっくり堪能できました。
あまりにもうまくいきすぎだろうと思う人もいるかもしれませんが、私はこんなラストでホッとしています。
もっとヘヴィーなラストでも納得は出来ますが、それだときっと、さらに続編が欲しいと切望してしまうんじゃないかと。
自分の中で「エス」に対して気持ちいい区切りをつける、という意味でもこのラストで良かったなぁと、私は勝手に思っています(笑)

あぁぁ、それにしても「エス」がついに完結…。
椎葉と宗近の、求め合っているけど決してそれを言葉にはしない…、という関係が切なくて嵌っていましたが。
二人がその気持ちを抑えきれず伝え合う場面、すごく好きです。
そして、以前(「裂罅」参照)想いを言葉にできないがお互いを求め合った場所で、今度は未来の約束をすることになった場面。
ベタかもしれないけど、やっぱりこの場面が一番のお気に入りです。
宗近の前では心を晒す椎葉がいい。
虚勢を張っている椎葉がふと気を緩めた時に、しっかりと受け止める宗近も好き。
宗近もまた、決して完全な人間ではなく、過去を悔いていて、そんな不完全さがいい味出してます。
宗近の存在がなかったら、姉の復讐ができたとしても、憎しみという生き甲斐を失ってしまった椎葉の心は救われないのでしょうね。
それにしても、五堂をはじめ、篠塚、鹿目と、脇の存在感が光ります。
安易に五堂や篠塚が椎葉と身体の関係を持たなくてよかった。
このシリーズ、絡みが少ないわけではないです。それなりに濃いと思う。
でも、どの場面でもちゃんと“意味のあるセックス”だったのが印象的。
思い返せば、宗近は椎葉を何度か殴ってますが、いつも椎葉のための行動なんですよね。
“萌え”も大事ですが、「エス」は“萌え”に誤魔化されることなく、しっかり面白かった。
英田先生、ありがとうございました!

小冊子で番外編が読めるのが楽しみです。
二人の喧嘩しつつも甘い生活が垣間見えたらいいなぁ。

■エスシリーズ
「エス」
「エス -咬痕-」
「エス -裂罅-」
「エス -残光-」

スピンオフ
「最果ての空」
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2006.11.02 09:57 | 英田サキ | trackback(1) | comment(2)
            

にゃんこさん、こんにちは。

ついに完結しちゃいましたね~。
それにしても、椎葉の苦悩や葛藤もありましたけど、五堂の強烈なキャラにもってかれちゃった感がありますネ。
私はすごく椎葉という人が好きで、彼への愛だけで色々な部分を補完して読んでました(笑)

>憎しみという生き甲斐を失ってしまった椎葉の心は

ですね。宗近の存在ってすごく大きいと思います。
最初はなんだこのエロヤクザ!(笑)みたいだったんですが、途中からしだいにすごく懐深い人になってましたね。

いくらでも語りたいんですが、まだ小冊子という楽しみが残っているので、そのときにまた語りあえたらと思います。
TBお返しさせていただきました。

2006.11.02 16:56 URL | 秋月 #3VVjZltY [ 編集 ]

秋月さん、こんにちは~

お返事が遅くなってすみません。

五堂、かなり強烈キャラで、しかも悪役なのに憎みきれない…。
美味しい所持って行かれちゃいましたね。
特に宗近は今回影薄かった…。

小冊子で二人のどんな姿が見られるのか、今からかなり楽しみですね!
それではまた~

2006.11.06 11:43 URL | にゃんこ #fwkSvwQ6 [ 編集 ]













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『エス 残光』
「エス -残光-」  英田サキ/奈良千春 大洋図書シャイノベルス (2006.10)【あらすじ】拳銃事犯を取り締まる情報捜査員として働く刑事の椎葉昌紀は、大物ヤクザの宗近奎吾を自身のエス(スパイ)として運用していた。しかし、刑事とエスという立場を越えて結びつく

2006.11.02 16:52 | 月と凌霄花

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