にゃんこのBL徒然日記

BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

蜘蛛の褥 :沙野風結子

482965449X蜘蛛の褥 (f‐ラピス文庫)
沙野 風結子
プランタン出版 2006-10

by G-Tools

内容もすごいですが、カラー口絵が大変なことになってます…
沙野先生も奈良先生も絶好調ですね(笑)
「蛇淫の血」のリンク作ですが、これだけでも十分楽しめます。
【蜘蛛の褥/沙野風結子/奈良千春/f-LAPIS文庫(2006年)】

オススメ:  微妙だ…

↓ネタバレあり、caution!!
秋霜烈日のバッジに恥じないと評される検事の神谷は、同性の同僚へ恋慕している。それを高校の後輩でヤクザの久隅に知られてしまった。久隅は背中を刻む刺青をさらして「このモンモン見せたあとに抱くと、どいつも締まりがヨくなるんだ」と神谷の体を要求する。黒い嗜虐の笑み…神谷を這い蹲らせるような陵辱…。だが、久隅を畏怖する反面、滅茶苦茶に壊されたがっている自分がいる。神谷は搦めとられて藻掻くことしかできない―。


【あらすじ・感想など】
神谷礼志(29歳・受)は、ある日、高校時代の部活の後輩・久隅拓牟(28歳・攻)に再会する。
神谷は、高校時代久隅の力になれなかったことに後ろめたさを感じていたが、検事である以上、岐柳組の組員となっていた久隅と親しくすることはできない。
しかし、岐柳組と対立している加納組の幹部殺害事件に絡み、久隅から情報提供を受けることになった神谷。
そんな中、神谷は検察事務官である木内に好意を寄せていることを久隅に知られてしまい、口止めの代わりに身体を差し出すことに。
木内への不毛な思いを抱えた神谷は、その思いを忘れるために、次第に久隅の陵辱を求めるようになるが…。

神谷は18年前に父親を亡くしています。
その事件が元で法曹界を目指すことになるのですが、その一方で神谷の心は壊れ、悲鳴を上げ、無意識のうちに自滅願望を抱くように。
そんな神谷の虚ろな心を捕らえたい、壊したいと久隅は感じています。
久隅は知らず知らずのうちに、高校時代から神谷のそんな不安定な心を感じ、惹かれていたのでした。
一方的に陵辱しているようで、その実、久隅は神谷を純粋に愛している。
それが話の端々に感じられるのが良い。
久隅が神谷のことを「神谷さん」と呼ぶのは、ちょっと意外な感じもしますけど、話を読み進めていく程しっくりきました。
とは言っても、この二人の関係は甘くはありません。
神谷の自滅願望と、久隅の破壊願望。
その二つが絡み合い、危ういバランスを保っている。
特に高校時代の二人の衝突はその後の関係の原点となるわけですが、思春期の不安定な心と相まっていて、非日常的だけれど二人の関係を象徴している場面で良かった。

話は意外としっかりしてました。
が、とにかくエロ度高い。
沙野先生らしいと言えばらしいし、個人的には好きだけど。
この展開だと濃いエロでも問題ないですが、どうせならもっと肉体的にも精神的にも痛みを伴う方が合うのでは?(暴力ではなくてSM風味で)
沙野先生と言えば羞恥プレイですが(え、違う?)、これに関しては今回はそこまですごいプレイはないかな?
と言っても、それなりに屋上で…とか色々あるのですが、あくまで今までの沙野作品比で(笑)
それにしても、カラー口絵のアレは軟膏チューブだったのね。
そんなモノ入れて、神谷の身体は大丈夫なのだろうかー?と、一瞬我に返ってしまいました…。

沙野先生、今回のテーマは「意味のある3P」だったそうですが。
うーん、萌え的には成功だが、話の流れ的には微妙。
その状況には萌えた。
でも、改めて考えると久隅の行動は納得いかないなぁ。
神谷は無意識のうちに木内に父親の影を重ねていて、自分を支えてくれる木内を全面的に信頼し、好意を寄せている。
木内はそんな神谷の気持ちに気付いていながら、それに応える気はない。
でも好意を寄せられるのは気分がいいから、生殺しにしていて、優しさに甘えていた。
それって、身に覚えのある人は多いんじゃないだろうか。
木内の行動はもちろん褒められたことではないですが、理解は十分出来る。
それに対する久隅の怒りが「3P」に繋がるのですが…。
木内はそこまでされるほど「悪」だったのか?と疑問。
それによって木内を諦めることができた神谷はともかく、木内は結局仕事もやりづらくなり大打撃ですよね。
別に木内は神谷がそこまで墜ちていくのを臨んでいた訳じゃないし(いや、普通はそこまで想定しないだろう)、そもそも、神谷が久隅との身体の関係に逃げたきっかけは久隅が作っているわけだし、この仕打ちはちょっと可哀想じゃないか?
木内は元々普通の男であって、それを勝手に過大評価していたのは神谷。
諦めるための「3P」は神谷と久隅から見れば先へ進むために必要な行為だったのかもしれませんが、冷静に考えると腑に落ちないなぁ。
木内、プライベートはともかく、仕事上は神谷を本気で支えようとがんばっていたのだろうに…。
相手が悪かったと言えばお終いですが…。

エロで強引に進めるのかと思いきや、多少の疑問はあったけど、基本的に展開はしっかりしていて読み応えがありました。
でもここまでエロが濃いなら、もう少し方向性が欲しい。
あと、ラストが安易に感じてしまったのが残念。
神谷の過去は序盤から臭わせていたのに、あっさり昇華しすぎなんじゃないだろうか。
もっと掘り下げるか、もしくは余韻が欲しい。
最後が少し急ぎすぎているように思いました。

辛い意見ばかり出してしまいましたけど、全体としては萌えもあり楽しく読めました。
なんと言ってもキャラがよかった。
神谷のような、精神的に不安定で自滅願望の強い受はかなり好みです。
一見するとしっかりしていそうな所がツボ。
そんな神谷が強気に自分から久隅を求めるのがいい。
その反面、久隅の香水の匂いを精神安定剤とするような所もあって、そのギャップにやられます。
一方の久隅も、ヤクザのくせに意外と優しくて純情。
久隅が神谷を振り回しているようで、実のところ久隅が神谷に惚れ込んで振り回されているのが可愛い。
それにしても、ヤクザと検事ですか。
どう考えても厳しい現実が待っていそうですが…。
その後が気になります。
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2006.10.31 10:20 | 沙野風結子 | trackback(4) | comment(6)
            

にゃんこさん、今晩は。

いつもいつも、にゃんこさんから送って頂いたTBが1回目で受信出来なくてすみません。

お先にお返しTBをさせて頂きますね。

さてさてこの作品。

本当にエロが濃かったですね。(笑)

沙野先生も奈良先生も本当に絶好調でした。

しかし、エロに特化し過ぎたせいか、所々で重要な部分の「核」が抜けていたり、木内の扱いが中途半端だったのは残念でした。(涙)

細かい萌えは沢山あったので、何だかんだと言いつつも、楽しんで読めましたけれどもね。

ヤクザ×検事は、それだけでもイバラ道となりそうですが、続編があったら私も読んでみたいです。

ではでは、長々と失礼致しました!

2006.10.31 19:52 URL | ハスイ #MMIYU.WA [ 編集 ]

ハスイさん、こんにちは。

沙野先生はホントにエロで話を進める作家さんだなぁと、今回は菱沢作品の後に読んだので、特にそれを感じました(笑)
どっちも大好きなんですけどね!
奈良先生とタッグを組んで、今回もまた萌えがつまった作品でした~

続編…どうなんでしょうね?私は読みたいですが。
これは一応シリーズになっているから、またリンク作が出て、そこでこの二人に会えるかもしれませんね。

毎回お手数おかけしてます。TBありがとうございました。さっそく再チャレンジしますね。
ではでは!

2006.11.01 11:37 URL | にゃんこ #fwkSvwQ6 [ 編集 ]

にゃんこさん、こんばんわ^-^
蜘蛛の褥、1つ1つ細かい所は魅力的でしたが、
全体になるとどこか入っていけない自分がいる・・・
そんな感じのお話でした~☆
残念な事に、意味ある3Pで萌えられなかったのが悲しい(笑)
エロは本当濃かったですね!奈良さんの絵も凄いし@@
こんな私でもちょびっと挿絵にびっくり致しました(笑)

痛みが伴うエロ、良いですね!読んでみたかったです☆

この二人の続編はどうなのでしょ~「蛇淫の血」の続編で登場
するような気もするのですが・・・。

TBさせてもらいました~
それではまたお邪魔します^^



2006.11.01 19:03 URL | ありす #mWt2sFS6 [ 編集 ]

ありすさん、こんにちは。

さすが沙野先生、エロが濃かったですね(笑)
でもちょっと詰めが甘かったのが残念です。

沙野先生のブログにあったのですが、「蛇淫の血」の続編があるかもなのですね?
気になります!

TB&コメントありがとうございました。
こちらからも伺いますね!
ではでは。

2006.11.02 12:09 URL | にゃんこ #fwkSvwQ6 [ 編集 ]

にゃんこさん、こんばんは☆

前作の『蛇淫の血』は、BLにはまったばっかりの時に読んだからか、イマイチお話についていけなかったんですが、あれから私も成長したのか、本作品は大丈夫でした~(笑)
沙野さんて、エロいと言っても、なんか個性的なエロを感じます。
なので、ちょっと中級者以上向けっぽい感じが…。

検事とヤクザって、現実的には絶対無理なような気がします。
検事などのお堅い職業の人って、交友関係とかもすごく厳しく制限されるような…。
でも、3○までしてゲットした神谷を逃すわけもなく…(笑)

TBさせてください♪
よろしくお願いします。

2006.11.04 18:34 URL | 月子 #- [ 編集 ]

月子さん、こんにちはー。

ふふふ、月子さんもどんどん腐に染まってますね!濃い世界へおいでませ(笑)

沙野先生のエロは確かに個性的ですね。
マニアックな羞恥プレイが印象的…。
私は大好きですが、確かに初心者にはきつそうですね(笑)
この個性で突っ走って欲しいなぁと思ってます。

コメント&TBありがとうございました!
ではでは。

2006.11.06 11:48 URL | にゃんこ #fwkSvwQ6 [ 編集 ]













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蜘蛛の褥
【内容紹介】秋霜烈日のバッジに恥じないと評される検事の神谷は、同性の同僚へ恋慕している。それを高校の後輩でヤクザの久隅に知られてしまった。久隅は背中を刻む刺青をされして「このモンモン見せたあとに抱く

2006.10.31 19:40 | +synapse∞type-bee+

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「蜘蛛の褥」  沙野風結子/奈良千春 プランタン出版 f-LAPIS (2006.10)【あらすじ】真実が失われることを許せない、神谷礼志は潔癖なほどに厳しい姿勢で職務に取り組む検察官。ある日、偶然、高校時代に弓道部の後輩だった久隅拓牟と再会する。久隅はヤクザの身内を

2006.11.01 10:15 | 月と凌霄花

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沙野風結子/イラスト 奈良千春ラピス文庫2006年11月10日発行STORY      秋霜烈日のバッジに恥じないと評される検事の神谷は、同性の      同僚へ恋慕している。それを高校の後輩でヤクザの久隅に知ら      れてしまった。久隅は背中を刻む刺...

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沙野風結子(絵 奈良千春)/プランタン出版(2006・10月)【あらすじ】冤罪を憎み、真実を求める神谷は、検事の名に恥じないと評されている。しかし、同性の同僚への恋慕を、高校の後輩でヤクザの久隅に知られてしまった。久隅は背中に刻まれた蜘蛛の刺青をさらし「

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