にゃんこのBL徒然日記

BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

冬の星座(上・下) :山藍紫姫子

完全版 冬の星座完全版 冬の星座
山藍 紫姫子

コアマガジン 1995-07

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両性具有作品の中の一作。
(他は「虹の麗人」「アレキサンドライト」
正確に言うと両性具有とはちょっと違うかも知れませんが。
【冬の星座/山藍紫姫子/小林智美/白夜書房(1995年)】

オススメ: どう評していいのか分からない…

↓ネタバレあり、caution!!

【あらすじ・感想など】
アイシス・ギッシング(25歳・受)は名門ギッシング一族現当主の長男。
ギッシング家は名門だが、事業は不振続きで経済的には窮地に立っていた。
アイシスは経営の立て直しを図ろうとしていたが、そんな中、融資を申し出てきた銀行があり、アイシスは交渉のためにアメリカへ。
しかし、そこに待っていたのは、かつて学友であったカルロス・アベル・バランタイン(25歳・攻)だった。
交渉のためにカルロスの島に滞在する事になったが、カルロスはそんなアイシスを自分のものにするため、アイシスの身代わりを事故に見せかけて殺害、そしてカルロスの妻になるために性転換させられてしまう。
カルロスは学生の頃から、自分が完璧である事を妨げたアイシスに対して憎しみを持っていたのだ。
逃げ出さないために下半身のみ女性という不完全な体にされたアイシスは、サヴォウーとしてカルロスの妻となった。
カルロスに陵辱される日々が続くが、「医学的には男性に戻る事は可能だ」という医師の言葉を信じていた。
カルロスが仕事のためにアメリカへ行くのに同行したアイシスは、淫らで従順な態度を取り、さらには我が儘で独占欲の強い妻を演じる事で、カルロスの執着から逃れようとしたが、あえなくそれはカルロスに見破られ、失意のアイシスは1人島へ帰る事に。
しかし、カルロスはその後飛行機事故で行方不明に。
突然憎む相手を失い動揺していたが、さらに、遺言の内容を知り、心が揺れる。
カルロスは、自分とギッシング家に財産を残そうとしていたのだ。
複雑な思いを抱え苦しむが、カルロスは帰ってきた。
しかし、事故の後遺症で体は不自由になり、男性としての機能も失われていた。
カルロスに思いを寄せているキャサリンが世話をすることとなり、カルロスに求められない日々が続いたアイシスは、酒に溺れていくが…

あらすじが長い…(^_^;)
他にも書くべき点はたくさんあるかもしれませんが、書き切れません。
アイシスはカルロスに相当弄ばれています。
卵を入れられたり(後ろではないが)、貞操帯つけられたり、象牙で出来たモノを使われたり……
そっちの描写も多いです。
山藍作品的には特別凄い内容ではないと思いますが(苦笑)。

とにもかくにも、一番理解しがたいのはカルロスでしょう。
アイシスに対して相当憎しみを持っているのですが、その理由が
「学生時代に成績で勝てなかったから」
とのたまっております。
読み終わって考えると、それはアイシスに惚れていたのに相手にされなかったため、“愛しさ余って憎さ百倍”となってしまっただけなのでは?と思うのですが、カルロス自身はそれに気づくはずもありません。
プライド高い男ですから。
愛情が憎しみにすり替わって、アイシスを無理矢理自分のモノにしたカルロス。
さんざんいいように扱っておいて、いざ自分が色々なものを無くしてみると、超弱気になってます。
「妻は淫乱で冷酷なうえに、本当は男で、俺を憎んでいる。唯一俺を愛してくれた女には去られ、その上王位までも失った。(中略)何もかも、うまく行かなくなった。アイシス、君の御陰で、俺の運を変えたのは君さ。君を手に入れてから俺はツキを失った」
負け犬の遠吠え?
まあでも、ここにきてようやく、カルロスは自分の犯してきた罪を認め、アイシスを愛していると告げる事が出来ます。
全てはアイシスを愛していたからこその行動だとはいえ、かなり酷い男ですね、カルロスは。

しかーし、アイシスも毒されてます。
そんな愛の告白に対して、「一緒にいてやっても良い」と返します。
「好きかどうかは分からない」が、「自分を滅茶滅茶にしてくれる者を待っていたのかも知れない」「歪んでいても、力ずくでも、誰かに愛されたかったのかも知れない」と言うアイシス。
すみません、その心理を理解するだけの度量が私にはないので、いまいち理解に苦しむのですが…。

カルロスは体ばかり大きくなってしまった子供で、自分の思い通りにならない事は許せない。
そんな子供の我が儘に振り回され、性転換させられむちゃくちゃな扱いをされたアイシス。
アイシスは次第にカルロスが哀れになり、その同情が次第に愛情になったのでしょうか?
キャサリンもかなりかわいそうです。
好きな男に尽くしまくったのに報われず、好きでもない男の元に嫁ぐ事に。
応える気は更々ないのに甘えるカルロスに腹が立つのですが…

カルロスはもちろん、アイシスの行動も理解しがたい。
結果的にはハッピーエンドなのでしょうが、“度を超えたお坊ちゃんの我が儘とそれに巻き込まれた人々”という印象がぬぐいきれませんでした。
耽美…ではあると思いますが。
尚、きりがないので放置しましたが、突っ込み所は満載です。


私が購入したのは1995年にコアマガジンから出たハードカバーですが、その前に、白夜書房から1992年に出版されています。
ちなみにこの後、「冬の星座」は改稿されて「愛と憎しみの迷宮」(コアマガジン・ソフトカバー)として再出版されています。
そちらは読んでいないので違いは分かりませんが、小林先生のイラストが美しい、ハードカバー版の方がいいかもしれません。
私は結構イラストの印象に左右されてしまうので…。(未熟者です)
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2006.09.25 10:36 | 山藍紫姫子 | trackback(0) | comment(2)
            

にゃんこさん、今日は。

ついに読まれましたか!

小林先生の美麗なイラストをご覧になられたと言う事は、大変に羨ましいです♪

しかし作品の内容は、「どう評して良いのか分からない…」、その一言につきますね。

私が読んだ「愛と憎しみの迷宮」とは、内容面ではそれ程の違いは無いようですが、イラストが美麗と言うだけでも、こちらの本を読む価値はありますね。

「愛と憎しみの迷宮」は、イラストが(一昔前の)レディースコミック調でキツイものがありましたから。(小声)

更にはこの作品。ある意味では獣並に「ありえねー!」がいっぱいありますね。

「学生時代に成績で勝てなかったから」

そんな理由で性転換をさせられてしまったアイシスも気の毒ですが、ラストがハッピーエンドになってしまう辺り。

「良いのかそれで!?」と突っ込みたくて仕方がありませんでした。

しかし、滅茶苦茶な内容の作品でさえ、「迫力」だけは失わない完成度を維持する山藍先生。

凄い作家さんには違い無いですね。

2006.09.25 14:11 URL | ハスイ #MMIYU.WA [ 編集 ]

ハスイさん、こんにちは

ついに読みましたよ!
「ありえねー!」が沢山ありました…
突っ込み始めたらきりがなく、さらに下ネタばかりになってしまうので自主規制させて頂きましたが(笑)
勢いで読み終えましたけど、「?」が最後まで消えず、どうしていいのか(^_^;)

あらすじを見るとほとんど内容に違いはないようですね。
コアマガジンからバニラ新書として再発行された作品(愛と憎しみの迷宮、イリス、長恨歌など)は、どれもイラストが微妙です。
イラストによって印象が変わってしまう人も多いと思うので、その辺りちゃんと考慮して欲しいなぁと思ってしまいます。
山藍作品は耽美が命ですから…

またまた濃い記事へのコメントありがとうございました(^_^)
ではでは!

2006.09.25 16:34 URL | にゃんこ #fwkSvwQ6 [ 編集 ]













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