にゃんこのBL徒然日記

BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

五つの音 :火崎勇

481301030X五つの音 (SHYノベルス)
火崎 勇
大洋図書 2004-08

by G-Tools

オススメして頂いたので、火崎先生に初挑戦。
この作品は…いろいろと痛かった。
考えさせられる部分が多くて、読み応えがありました。
【五つの音/火崎勇/よしながふみ/SHYノベルズ(2004年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!!
優秀なアドマンである鵡川は、大手の広告会社キューブからヘッドハンティングされ、そこで高校時代の同級生である久遠と再会する。かつて、鵡川は恋人としてつきあっていた。だが、久遠の恋を重く感じ始めていた鵡川は、高校卒業と同じに酷い言葉で久遠を切り捨てた、「うぜえからもういらねえんだよ」と。しかし、久遠との再会に鵡川の悪い虫が騒ぎ始める。理屈ではなく、久遠が欲しいのだ。これは新しい恋に発展しないか?距離を保とうとする久遠を、鵡川は少しずつ追いつめていくのだが。


【あらすじ・感想など】
鵡川将人(27歳・攻)は、引き抜かれた先の会社で、高校時代に別れた恋人・久遠葵(27歳・受)に再会する。
高校時代、自分に従順だった久遠とはうまくいっていたが、次第に久遠は『愛している』という言葉を求めるように。
そんな久遠を重く思った鵡川は、「うぜえからもういらないんだよ」という言葉で切り捨てた。
でも、再会した久遠は相変わらず魅力的で、しかも仕事も出来る。
久遠に小田垣という恋人がいる事を知り、さらに久遠が欲しくなる鵡川だが…。

鵡川、かなり酷い男です。
常に醒めた目で世間を見ていて、相手の言葉や気持ちを信じる事が出来ない。
自分が返せないものを求められると、その重さに耐えられず逃げ出す。
そんな弱い男なのですが、その反面、自分が欲しがったもので手に入れられないものはないと思っているような傲慢な男。
鵡川は、本当は弱いのに、その弱さを見せないために虚勢を張って生きているような男です。
さらにタチが悪いのは、そういった自分の弱さに気付いていないところか。

若気の至りだったとしても、酷い言葉を恋人に言い放ち別れた鵡川。
しかも、再会してみると相手はやっぱり好みで、“自分のものにしたい”欲求を押さえきれない。
憎しみあって別れたわけではないし、嫌われて別れた訳じゃないのだから、久遠は再び自分を受け入れてくれるかも知れないと期待してしまう。
でも今は、久遠には小田垣がいる。
必死になって久遠を求めるのはイヤだから、小田垣と別れたときを狙うために近くにはいようとする鵡川。
ずるい男だなと思いますが、その気持ちは分からないでもない。
自分が振った相手に対しては、そんな気持ち持ってしまう事もあります。

一緒に仕事をするうちに、鵡川の気持ちはどんどんふくらんでいく。
でも、久遠は欲しいが、自分の気持ちを整理出来ない。
そんな葛藤を繰り返すうちに、どんどん追いつめられていく。
そして、小田垣はただの従兄弟だという事を知り、久遠の見合いの時間を聞かされた鵡川。
全てを失ってもいい、という覚悟で久遠を見合いから連れ出し、「俺に抱かれてくれ」と土下座をするが…。

久遠は鵡川を受け入れますが、鵡川は久遠の本当の気持ちに気づいていません。
久遠が何故「愛している」という言葉を欲しがったのか。
それは久遠のためではなく、鵡川のためだった。
誰よりも愛を欲していた鵡川に対する、久遠の呼びかけだったのでした。

私、鵡川に対してすごく嫌悪感を抱きながら読みました。
でもそれは、自分のイヤなところを直視することになるから、という所が大きかったと思います。
同属嫌悪?
個人的に、鵡川の気持ちは分かる部分もあるので、読み進めるのが辛かった。
ハッピーエンドですが、私はバッドエンドでも良かったと思う。
過ちに気づいてもどうにもならない事もあるのだと。
久遠と鵡川が別々の道を選ぶというラストでも良かった。

いろいろ思う場面は沢山あったのですが、うまく説明出来なくて申し訳ないです。
火崎先生の作品は初めてですが、心理描写が上手いなと感じました。
痛い言葉も沢山…
最後、久遠が鵡川へ自分の気持ちを打ち明けるシーンが印象的でした。
そして、鵡川が1人泣く場面。
「愛とは何か?」という点がこのお話の重要な部分だと思います。
それは1つの答えがあるわけではないので、二人の求めるものが一致することは難しい。
鵡川が自分に向き合い出した答えを、久遠に伝えることが大事だったのだろうと思いました。
それは久遠も然り。
しかし、ここまで突き詰めて付き合っている人が一体どれだけいるのだろうか…という疑問はありますが…。
少なくとも、鵡川と久遠には必要だったのでしょうね。
久々にこんなに考えさせられました。
火崎先生は既刊本が恐ろしいほどあるのですが(^_^;)、他の作品も読んでみたいと思っています。


☆Acknowledgement☆
華さん、オススメして頂きありがとうございました。

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2006.09.12 10:47 | 火崎勇 | trackback(0) | comment(2)
            

こんばんは、華です。

火崎さんの御本、読んでくださったんですね★
個人的に火崎さんの作品がすごく好きなので、にゃんこさんにレビューしてもらえて、とても嬉しいです(^-^)

『五つの音』は、私も身にしみる話だと思いました。
人間誰しも、ずるい部分や打算的な部分があると思うので、それを目の当たりにしたという感じでしょうか・・・(^^;


火崎さんは本当に心理描写が上手で(例えばノーマルな人が同性に恋するようになるまでの流れなど)、読んでいても自然な感じなんですよね。
このお話以外でも、素敵なお話がたくさんありますので、是非是非読んでみてください(100冊以上ありますが~)
またのレビューを心からお待ちしております♪

2006.09.13 01:14 URL | 華 #L8AeYI2M [ 編集 ]

華さん、こんにちは。

火崎先生をお薦めして頂き、ありがとうございました。
手始めに、よく読んでいるSHY NOVELS、さらによしなが先生のイラストという事でこの本を読んでみました。
いやもう、ホントに痛くて途中で辛くなりましたが、良い作品でした。
読んでよかったです。

他の作品も読んでみますね!
レビューは気長にお待ち下さいませ(笑)
コメントありがとうございました。
ではでは!

2006.09.13 11:45 URL | にゃんこ #fwkSvwQ6 [ 編集 ]













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