にゃんこのBL徒然日記

BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

4773002611明日が世界の終わりでも (CROSS NOVELS)
榎田 尤利
笠倉出版社 2003-02

by G-Tools

文句なくおもしろかった!
結構重いストーリーですが、読後感は暗くなくてイイ感じ。
榎田先生、短編も上手いなぁ。
【明日が世界の終わりでも/榎田尤利/茶屋町勝呂/クロスノベルズ(2003年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!!
他の男に抱かれえる恋人を「見る」こと―それが、玲治が望に求めたセックスのやり方だった。毎回違う男に組みしかれて乱れる望を、ただ見つめるだけの玲治。自分では指一本触れない残酷な愛し方に傷つく望だったが、身体中に絡みつく熱を孕んだ玲治の視線は、どんな愛撫よりも望を蕩けさせた。快楽と哀しみに翻弄されながらも、望は玲治を愛することを止められない…。人生を変える運命の恋を描いた表題作他、二編を収録。


【あらすじ・感想など】
大学生の辻堂望(19歳・受)は、どこか謎めいている御厨玲治(26歳)と付き合って半年。
玲治が自分を好いてくれているのは感じるし、自分も玲治を愛しているが、玲治が望に触れる事はない。
他の男に抱かれるのを見ているだけの玲治に、次第に不安を覚える望だが…。

表題作と、それにリンクした短編2話収録。
私は序盤で、「まさかエイズ(キャリア)なのか?」と予想してました。
だから、「今はこんなに遠い僕ら」というモノローグで、まさか死ぬのか?!なんて先走ってしまって、これは絶対痛いよ…と戦々恐々としながら読み進めていたのでした…。
その展開は免れましたが、予想通り痛かった。
でも、救いようのある展開で良かった…。

いつもは割とネタバレしてしまうのですが、今回は伏せておきます。
この短編を堪能して欲しいので。

玲治との関係に不安を覚え、息苦しさを感じていた望は、つい他の男と寝てしまいます。
しかし、それは玲治の知るところになってしまう。
望としては玲治の愛情を測っていた部分もあって、怒られればそれで安心だったのですが、玲治はそれを許さず別れを告げる。
失ってみてその大きさに気づいた望は、自暴自棄になり、見知らぬ男について行ってしまい、事件が起こります。
本当に深みにはまる事を恐れていたのは玲治のほうで、事件をきっかけにその思いは爆発してしまうのでした。
破滅に向かってしまう二人でしたが、望はそんな玲治を待つ事を約束します。
「たとえ明日が世界の終わりでも、僕はきみを待ち続けている。」

100ページほどの短編ですが、この重みはいったい…。
最後の展開は結構衝撃受けました。
この作品、短編という事もあってか、結構Juneっぽい雰囲気ですね。
(といっても、Juneという設定自体曖昧なので、個人的な印象ですけど。)
生活感の感じられない二人の描写や展開の暗さも、まさにそんな感じ。

続く短編は、表題作に出てきた玲治の親友・城下の話。
『約束』
玲治の事件から6年後。
美容師の城下(32歳・攻)は、真剣につきあえる相手を見つけられず、身体だけの浅いつきあいを繰り返す日々を送っていた。
そんなある日、客として出会った中学教師・森野悠一(25歳・受)に興味を持ち、付き合う事に。
純粋で真面目な悠一を落としたつもりが、実は自分の方が落ちていた事を認めたくない城下は、つい浮気をしてしまうが…。

タイトル通り、テーマは「約束」。
これはこの本全体のテーマでもあるのかな。
城下は「毎晩電話をする」という約束を、浮気が原因で守る事が出来なかった。
それが原因で悠一は城下と別れます。
些細な「約束」が、悠一にとっては城下との絆を感じる手段だった。
玲治との約束を果たそうとしている望と話す事で、城下はそれをようやく理解する事が出来る。
そして自分の気持ちに正直になった城下は、悠一への思いを再確認するのでした。

『集い』
城下と別れてから約半年。
悠一は、2週間に一度のペースで送られてくる城下の手紙に返事はしないが、城下を忘れる事は出来ないでいた。
教え子の病気がきっかけで点訳に興味を持った悠一は、その教室でアシスタントをしていた玲治と出会う。
玲治と話すうち、悠一も城下へ向き合おうとする。
城下は「約束」を守る事が出来なかったが、悠一も城下を信じる事が出来なかった。
そんな自分に気づき、二人はようやく結ばれるのでした。
そして、玲治と望も…。


あぁ、よかった。
明るいラストで、心底ホッとした!
表題作は望視点、そして他の2作は城下視点と悠一視点。
城下と悠一を通して、玲治と望のその後も描かれます。
あとがきにあるように、ヘタに話をふくらませるより、これでよかったと思います。
玲治視点が入っていたら、もっと重い作品になるのは必至。
二人のその後の葛藤は、垣間見るだけでも充分伝わりますしね。
城下と悠一を絡めながら、「約束」というテーマでまとまって、そして未来のあるラストで大満足です。
うぬぬー、榎田先生短編も上手い!
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2006.07.27 10:30 | 榎田尤利 | trackback(1) | comment(0)
            












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明日が世界の終わりでも
他の男に抱かれえる恋人を「見る」こと―それが、玲治が望に求めたセックスのやり方だった。毎回違う男に組みしかれて乱れる望を、ただ見つめるだけの玲治。自分では指一本触れない残酷な愛し方に傷つく望だったが、身体中に絡みつく熱を孕んだ玲治の視線は、どんな愛撫より

2006.11.16 22:51 | 霖雨の彼方

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