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言いなり :丸木文華

4861348412言いなり (ダリア文庫)
丸木 文華
フロンティアワークス 2015-11-13

by G-Tools

歪んでいるけど、意外にも納得の着地点でした。
萌えもあって面白かったです!
【言いなり/丸木文華/minato.Bob/ダリア文庫(2015年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!
初対面のときから妙に懐いてきた男・剛に大学生の圭一はうんざりしていた。野暮ったい外見で場の空気が読めない剛は、圭一に邪険にされてもにこにこ笑っているので、所属するテニスサークルの仲間にまるで圭一の犬だと陰で揶揄されるほどだ。ある飲み会で、剛は先輩に媚薬を盛られ、公開自慰を強要される。周囲が囃したてる中、剛の熱い視線はただまっすぐに圭一に向けられ…!?

【あらすじ・感想など】
大学でテニスサークル所属している圭一は、小柄で中性的な容姿ながらも、セフレには不自由しない遊び人として周囲から一目置かれている。
一方、同じサークルで同級生の剛は大柄で容姿に無頓着な垢抜けない男で、圭一の言うことを何でも聞く犬として軽く扱われていた。
そんな剛に苛つきながらもその執着にわけもなく不安を感じ、突き放せないままだった圭一は、あるとき酔いつぶれた剛に「ご褒美」としてキスを許してしまうのだが…。
という、執着もの。
圭一はチャラい今どきの軽い大学生という雰囲気で、実際に女性関係も乱れているのですが、実はそれは努力の末に作り上げた姿です。
中学時代のイジメやそれに伴う屈辱的な経験から、自分を変えようと頑張り、手に入れた今の自分。
生まれ変わった圭一はそれなりに楽しく大学生活を送っていますが、いじられている剛を見ていると自分の昔の姿を思いだしてしまい、苛立ちと不安を感じている。
そうした中で、それまで従順な犬だった剛が酔った勢いで暴走し、拒めないまま抱かれてしまったことで一転。
剛との関係の中で、必死に隠してきた弱い自分を見つめ直すことになります。
剛は周囲から軽く扱われたりしても動じず、天然で鈍感力の高い男という印象で、圭一に対するその献身っぷりからしても、ワンコなキャラ。
丸木先生の作品では珍しくない、執着たっぷりの暴走ワンコに追いかけられ、力で押し切られたあげく拒む気力もなくして受け入れるという展開かなと思いながら読み進めていたのですが…。
基本的な流れはその通りでしたが、ふたりの力関係の変化と、圭一の精神的な変化が説得力があって、予想とは違う読後感でした。
剛については、その背景は中盤辺りで見えてきます。
執着モノは嫌いではないけれど、言葉の通じない性格破綻型の攻は私はどうも苦手で、説得しようにも出来ない状態で受が諦めの境地に至って終わるみたいな展開だと、萌えに辿り着かなかったりするんですよね…。
今回、剛もそのタイプかしらと思ったら、そうではなくてホッとしました。
ちゃんと考えあっての行動で、圭一の本質をちゃんと理解していたので、最終的には意外にも好印象。
圭一は元々真面目で大人しい性格で、小柄な転校生ということもあり、思春期の頃の集団生活の中ではイジメの対象になりやすいタイプだったのですが、じゃあそれが人として劣っているのかというと、そうではないですよね。
むしろとてもいい子です。
でも、イジメに遭ったことで、圭一は自己否定に走ってしまった。
その状況から脱却するために「変わらなきゃ」と思う気持ちはとても分かるけれど、本来の自分を否定しすぎて息苦しくなっている。
今はまだちょっとしたモヤモヤで済んでいるけれど、きっとこの先これを続けたら、相当心にストレスが溜まると思うのです。
まぁ、社会人になればその辺りは徐々に折り合いを付けていけるようになるのかもしれませんが。
何にせよ、そんな圭一だったので、剛が現れ介入してきたことで、自分自身を見つめ直すことに。
「何故この人に苛々してしまうのか」と突き詰めて考えていくと、その原因は自分の中にあったりします。
自分の中の嫌で直したいと思っている行動を、目の前で他人にされると苛々する。
それは、本当は自分もそうしたいから嫉妬しているからなのではないか?と気付き、そんな自分にまた苛々する。
というように、苛々の自家中毒状態になってしまったり…。
圭一の場合、現在の自分を否定出来ないので、そうなる前にセックスに逃げ込んだりしているけれど、次第に過去を振りかえざるを得なくなっていきます。
剛との関係が若干複雑だったので半ば強引に身体の関係が始まるのですが、その強引さがまた効果的だったのだろうなぁ。
単純に快楽に流される受に萌えていただけだったところに、そんな背景が絡んできて、ますます楽しくなりました。
快楽で理性を失って自分を解放するという展開、萌えます。

そんなわけで、もちろんエロは美味しいです!
遊び慣れている圭一ですが、男相手で受けとめる側になってみて、それまでと全く違う快楽と満足を得ていることに気付き嵌っていく。
口では咎めていても、あっさり流されていく圭一のガードの弱さが微笑ましい。
剛の執着と性欲に精魂搾り取られていく圭一に萌えました。
個人的には、もっと変態路線でもよかったかな(笑)

ということで、丸木先生の新刊は執着下克上モノ。
丸木先生の作品としては珍しくない執着モノで、受と攻の性格もよくあるタイプだったし、どちらかと言えば苦手な路線な系統かもしれないと思いながら読んでいたのですが、足場がしっかりしている話だと分かって、良い意味で驚きました。
ただの執着&暴走と思いきや、そこにちゃんと冷静で一途な想いがあったことで、説得力のある話に仕上がっています。
剛も圭一も意外と冷静な部分で判断した結果の依存関係で面白かった。
少々黒さを匂わせた終わり方だったのもよかったですね。
そして、圭一の本来の性格がとてもまともで、親しみやすい。
真面目で大人しい性格が作品の中で否定的にとらえられていなくて、私にとっては、それが共感しやすい一番のポイントだったかなと思いました。
ブラックな雰囲気漂う表紙ですが、そこまでブラックではありません。
執着ものというだけでは終わらない面白さがあって、大満足でした!
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2015.11.19 01:08 | 丸木文華 | trackback(0) | comment(0)
            












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