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愛の本能に従え! :樋口美沙緒

4592877381愛の本能に従え! (白泉社花丸文庫)
樋口 美沙緒
白泉社 2015-08-20

by G-Tools

清楚なのに中身は…というギャップに弱い私。
涙あり、萌えありで面白かったです!!
【愛の本能に従え!/樋口美沙緒/街子マドカ/花丸文庫(2015年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!
女であることが至上の一族に生まれ、最後の砦だった性の異形再生にも失敗したハイクラス種ナナフシ出身の歩は、卒業まで性交渉しないと約束させられ、一族を追われる形で星北学園に入学した。目立たないことが取り柄の自分は、誰にも必要とされないと途方に暮れていたそんなある日、ハイクラス種オオムラサキ出身の大和と寮で同室になることに。野性的な大和に憧れていた歩は胸を高鳴らせるが、大和とその従兄弟の寝取りゲームにまきこまれ、強引に体を開かれてしまう。すると、禁忌を破った歩に思いがけない変化が!?

【あらすじ・感想など】
メスしか子孫を残せないヤスマツトビナナフシ一族で、オスとして生まれた七安歩。
女性化するために受けた異形再生にも失敗した歩は、家から出され、ひとりで生きていく事になってしまう。
高校入学と同時に星北学園の寮に入り、唯一の友人である双子・スオウとチグサの存在に助けられながら、静かに生きていた。
そんなある日、荒々しい性格と奔放な性生活で目立つ存在だった村崎大和と突然同室になる事になり、密かに片思いをしていた歩は戸惑うのだが…。
昆虫擬人化ファンタジー(?)シリーズの5作目。
舞台は、人類は隕石の衝突によって生存の危機に瀕した人類が、生命力の強い節足動物と融合し生き延びている世界。
起源種の違いによってクラス分けされ、虫の世界の弱肉強食が、人間世界でも階級となっています。
ヤスマツドビナナフシはナナフシの中では大型なので一応ハイクラスに属していますが、その性質が「目立たない」というところにあるので、周囲から認識されない事も多く、クラスメイトからも忘れられているような存在。
しかも、女系でメスにしか子孫を残せない、ほとんどオスが生まれないナナフシの一族の中で、歩は不要な子供として扱われている。
自分を必要としてくれない世界で、歩はそれでも前向きに生きています。
冷たい態度を取られても「相手にも事情があるのだ」とか、「自分がこうだから仕方ないのだ」と、相手を憎んだりしない優しい男の子なのです。
でも、その心の内は寂しさがいっぱい。
特殊な身体の事情をひとりで抱え、この先ずっとひとりで生きていくのだと思いながら、心の奥では自分だけに向けられる特別な愛情を求めてる。
そんな歩の前に現れた大和は、眩しいくらいに生命力にあふれた野性的なオオムラサキ起源の同級生で、歩のことは全く大和の視界に入れていませんが、歩は中学生の頃から密かに想いを寄せています。
一方、オオムラサキの習性から本能的に性的に乱れた生活を送っている大和。
荒れているのはその本能をコントロール出来ない事に対する苛立ちがあって、不器用だけど実は優しい性格をしています。
全く交わる事のなかったふたりが、ひょんな事から同室となり、ひょんな事から身体の関係を持ってしまい、歩は身体の秘密を知られてしまう。
大和の本能がきっかけとなって始まった関係は、3日に一度セックスをしないといけないという歩の本能を目覚めさせ、恋愛感情は棚上げにされたまま、なし崩しに続いていくのですが…。
身体の関係から入って、しかもこの場合は本人達にはどうにもならない身体の事情があるだけに、そこに愛があるのかが本人達に見えてきません。
大和が実は優しくて責任感が強いというところがまた歩の不安に繋がっていて、好きな人とセックスしているのにどんどん心が沈んでいく。
そんな姿が読んでいて切ない。
大和に悪気は全くないんですよ。
優しいけど、精神的にはまだ未熟。
歩に惹かれている自分の心が、歩に向かう本能的な性欲にかき消されてしまって、全然見えていないし、それに気付いても上手く伝えるとこまでいかない。
もー、もどかしい!!
でも、端から見ていると大和が歩に惹かれている事は一目瞭然なので、そんな不器用さが微笑ましく、憎めないんですよね。
歩の控えめな性格も、イラッとしてもおかしくないくらいの健気さなのですが、そこに至る過程や優しさを知っていると、なんだかもう抱きしめたくなる。
そんなふたりの描写の匙加減が絶妙!
歩が自分自身を見つめ直していく場面、読んでいる私の心にも切り込んできて、思わず泣いてしまいました。
歩は元々いい子だったけど、こうして難題を乗り越え、自分の心の奥にあった嫌な部分を知ったからこそ、さらに成長して幸せをつかめたのだろうなと思うと、胸がいっぱいになります。

そして、萌えエロもたっぷりなのです!
性質的に有り余る性欲を持て余し気味の大和を受けとめるのが、こんな弱々しい歩で大丈夫なのかという心配は必要なし!
大和以上に淫らな子でした、歩くん。
清楚な顔して中身は淫乱、しかも羞恥心はあるという…。
なんというエロい子でしょう、歩くん!!
素敵。
私、このシリーズ感想を書いていない話もいくつかあるのですが、前回書いたのは「愛の蜜に酔え!」で、それも受が無自覚に淫乱な身体という設定でした。
弱いんですよね、この手の受に…。
淫乱受はその匙加減次第で萌えるかどうか別れるのですが、このシリーズの場合、起源種の性質が元になった痴態だったりして、受自身の意志ではどうにもならないところで身体がうずいちゃう〜という設定になるのが美味しい。
ごちそうさまでした!

ということで、ムシシリーズ第5弾は、オオムラサキとナナフシというカップリングでした。
ナナフシなんて、これまた地味なところにいきましたね…と思いましたが、読んでみると萌え設定、泣き設定たっぷりでした。
主役ふたりのキャラもよかったですが、脇の面々、特に歩の友人・スオウとチグサのふたりがいい子で和みます。
大和の悪友である志波や黄辺もなかなか良い味出していたし、この辺りの話も読んでみたいなぁ。
双子の3Pとか…美味しそう。
次作も楽しみにしています!
涙あり、萌えありで大満足の1作でした〜。

■シリーズ
「愛の巣へ落ちろ!」 澄也(メキシカンレッドニータランチュラ)×翼(シジミチョウ)
「愛の蜜に酔え!」 綾人(クロオオアリ)×里久(クロシジミチョウ)
「愛の裁きを受けろ!」 陶也(タランチュラ)×郁(カイコガ)
「愛の罠にはまれ!」 兜(ヘラクレスオオカブト)×篤郎(オオスズメバチ)
「愛の本能に従え!」 大和(オオムラサキ)×歩(ヤスマツトビナナフシ)

愛の巣へ落ちろ! (白泉社花丸文庫) 愛の蜜に酔え! (白泉社花丸文庫) 愛の罠にはまれ! (白泉社花丸文庫) 
愛の裁きを受けろ! (白泉社花丸文庫) 愛の本能に従え! (白泉社花丸文庫)
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2015.08.30 15:02 | 樋口美沙緒 | trackback(0) | comment(0)
            












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