にゃんこのBL徒然日記

BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

眠り王子にキスを :月村奎

4813012817眠り王子にキスを (SHYノベルス313)
月村 奎
大洋図書 2013-12-02

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泣かされた…。
切なさと甘さが絶妙な塩梅で、心あたたまる作品でした。
【眠り王子にキスを/月村奎/木下けい子/SHYノベルズ(2013年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!
デリのオーナー兼シェフの堀篤史には、気になるお客がいた。人懐こい笑顔にスーツがよく似合うサラリーマンと思しき男だ。週に二回ほどやってくる彼とかわす会話が、最近の密かな楽しみだった。彼の人懐こい笑みを思い浮かべると胸の奥に小さな火が灯るのだ。でも、傷ついた過去の経験から、篤史はもう一生恋愛をしないと決めていた。それなのに、彼──宮村に料理を教えることになって!?

【あらすじ・感想など】
小さなデリと料理教室をひとりで切り回している堀篤史。
ゲイである事に負い目がある篤史は一生恋愛をしないと心に決めているけれど、時々デリにやってくるサラリーマン・宮村周平とのちょっとした会話を密かに楽しみにしていた。
そんな宮村と思いがけず距離が近づき、胸が高鳴りながらも後ろめたさを感じていた篤史は、自分がゲイである事を告げてしまう。
宮村は驚きながらも、篤史の友達になると言い出すのだが…。
という、シェフとサラリーマンの話。
中学生の頃母親にゲイである事を気付かれ、病院に連れ回され、家庭環境は悪化し、クラスメイトにまで知られてしまい、学校にも家にも居場所を失った篤史は、それ以来ゲイである事を負い目に感じながら生きています。
周囲を不幸にした自分が幸せになる資格はないと思っている。
だから恋愛はしないと心に決めているのですが、ときめく心はコントロール出来ず、宮村とのやりとりを密かに楽しみにしています。
でも、思いがけず相手の方から行動を起こされ、距離が近づいてしまう。
彼女に振られたばかりだと言う宮村はノンケで、恋愛感情を持たれているわけではないと分かっていても、その言動に心が揺れてしまう篤史。
耐えきれずにゲイである事を告げるのですが、宮村は離れるどころか「友達」として今まで以上に関わってくることになります。
その時点で、宮村は篤史に恋愛感情を抱いているわけではありません。
でも、篤史との時間は楽しく、もっと知りたいと思っている。
その気持ちは次第に大きくなっていくのですが、臆病な篤史は宮村の優しさに幸せを感じると同時に不安もどんどん大きくなっていきます。
もう、焦れったくて仕方ない。
好きな人にこんなにアプローチされているのに…。
篤史が何故そんなに逃げ腰なのか、最初はよく分かりませんでした。
家族の理解を得られなかったからと言って、「一生恋愛はしない」なんてちょっと大袈裟なんじゃないかと。
でも、篤史の生い立ちを知り、心の傷を知ると、そうならざるを得なかったのだと分かって悲しくなりました。
ゲイである事が悪ではないと分かっていても、家族から否定され、自分の存在が今でも迷惑に思われている事実がある限り、篤史は自分を肯定する事なんて出来ないんですよね。
家族に受け入れて貰えないのは、何よりつらい。
いくら擁護されても、やっぱり自分の性癖に責任を感じてしまうでしょう。
その心の傷は深いです。
そんな篤史の前に現れた宮村は、まさに王子様。
篤史の閉ざそうとする心に一生懸命アプローチしている宮村を、いつの間にか応援しながら読んでいました。
そして、この親にしてこの子ありな宮村の母親。
母親の言葉に胸を撃ち抜かれて涙が出ました。
痛みを知っているからこそ優しくあろうとする姿が素敵ですね。
篤史も痛みを乗り越え、自分を追い詰めるのではなく、前向きに生きて欲しい。
終盤、篤史の気持ちが動く過程がすごくよかったです。

ということで、月村先生の作品です。
実は発売当初は全然読む気がなくてスルーしていたのですが、今年の「このBLがやばい」にランクインしていたのを見て気になっていたので手に取ってみました。
読んでみるとランクインに納得!
面白かったです!
この作品、木下先生のマンガ(月村先生原作)と連動していて、マンガの方では脇で登場するデリの常連客の漫画家が主役になっています。
そちらのマンガの方は以前読んでいたので、「ここに繋がっていたのか〜」と思いながら読んでいました。
でも、マンガの方では篤史がいかにも伏線がありそうな存在感だったのに対して、こちらの小説では漫画家の存在感は薄いです。
両方読むとなお良しですが、小説だけでも十分楽しめると思います。
派手さはないけれど、切なさと甘さが絶妙な塩梅でキャラもよく、心あたたまる作品でした。
大満足!

■関連作
4813030378いつも王子様が (H&C Comics)
木下 けい子
大洋図書 2013-12-02

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2014.12.28 15:28 | 月村奎 | trackback(0) | comment(0)
            












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