にゃんこのBL徒然日記

BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

元禄無頼〈上之巻〉 (角川ルビー文庫)
元禄無頼〈下之巻〉 (角川ルビー文庫)

【JUNE再読】
この作品は代表作ではないですが、個人的に時代物にはまるきっかけとなった作品ですし、かなり思い入れがあります。
おそらく、初めて読んだのは12,3年前。
BL(なんて言葉は当時なかったと思いますが)を読み出して間もない頃でした。
今読み返しても、全然古さを感じませんし、やっぱり私の原点はここなのだと再認識させて頂きました。
【元禄無頼(上下巻)/栗本薫/若菜等+Ki/ルビー文庫(1993年)】

オススメ:  傑作!

↓ネタバレあり、caution!!
〈上之巻〉太平と爛熟の元禄時代、旗本たちはあらゆる道楽をやり尽くし退屈しきっていた。色白の美青年、九鬼源三郎も自由を持て余していたが、彼には少年の頃義兄伊織に犯された忌しくも妖しい過去があった…。そんな彼の前に美少年、進之丞が現われ、運命を大きく変えていくが…。
〈下之巻〉数奇な運命を辿り、源三郎のもとに身を寄せる美少年、進之丞。しかし、その背後には将軍への美童献上を企てる時の権臣、柳沢吉保の恐るべき魔の手が…。爛熟の世で、欲望と権力の狭間に彷徨い、破滅へと運命の糸を紡ぐ若者たちの生き様を描く、耽美時代長編の傑作。



時は元禄、5代将軍綱吉の時代、そして太平と爛熟の時代。
旗本の九鬼源三郎、左馬之助、兵馬、主膳、久之助は、若く、家柄と金と健康と暇に恵まれ、いずれも一方の才を持ちながら、太平の世にやり場のない虚無と倦怠を抱いて馬鹿遊びに紛らせている。
色白の美青年・源三郎はそんな毎日を持てあましていたが、義兄・伊織に犯された少年の日々の記憶を密かに引きずっていた。
源三郎、伊織、姉・水江、そして旗本仲間。
それぞれが危うい均衡を保ちながら、日々を送っていたが、ある時、源三郎の前に美少年・進之丞が現れたときから、破滅への運命をたどり…。

耽美で悲劇。
ひたすら破滅へ運命の糸が絡まっていきます。
誰が、何が原因だったのか?
それは源三郎と伊織、そして源三郎と進之丞の出会いか。
最後は壮絶。
涙無くして読めません。

源三郎は、姉・水江の夫となった伊織を慕っていた。
しかし、伊織が結婚をした新の目的は源三郎であり、水江に対しては無関心で、関係を持つ事すらない。
伊織は14歳の源三郎を犯す。
源三郎は、義兄のすさまじい嗜虐の性と酷薄残忍な奇怪な磁力に縛り付けられ、いつも死ぬほど怯え、身体を傷つけられながら、何故か許されぬ恐ろしい恍惚のために離れる事も、逃げる事も出来ない。
とめどもなく発展する伊織の拷問に未熟な身体をゆだねて、この世ならぬ地獄を味わいながら、常に異常な心の高ぶりと、狂気の淵をさまよう日々。
次第にその緊張に耐えきれなくなった源三郎は、逃れるように離れていき、伊織もそれを追う事はなく、表面上は何事もない日々が続いていた。
しかし、進之丞が現れた頃から、その均衡は徐々に崩壊へ。
水江が死に、伊織は討たれ、兵馬は自害。
そして進之丞が捕らえられた事をきっかけに、源三郎は柳沢邸に死に場所を求め討ち入る…。

登場人物、皆それぞれ個性が強すぎて、説明し切れません。
メインは源三郎と伊織の関係。
憎しみ拒絶しながらも、惹かれ、求めてしまう。
源三郎が最期、義兄を求めながら死んでいく場面が痛かった。
そしてそんな源三郎に惹かれている、旗本仲間。
特に左馬之助が密かに思いを寄せ、しかしそれが叶ったのは源三郎が死んだ後だった…というのも泣けた。
皆がどうにもならない思いを抱え、破綻していくのです。
誰が悪いというわけではなく。

進之丞はキーパーソンです。
進之丞は美しい。
しかし、あどけなく可愛いけれども、優れた少年でも、聡明でも、意志強い少年でないという事は、源三郎は分かっています。
自分を破滅に追い込むかもしれない、という予感を持ちつつも、反面それでよいのだとも思っている。
源三郎は常に「死」に向かって生きています。
結果として、その予感は現実になります。
……。
可愛い奴かもしれませんが、私は憎い。
進之丞の弱さが憎い!!
そんな進之丞、ついには阿片によって廃人にされてしまいます。

結局、最期には誰も残りません。
柳沢を討とうとした旗本仲間も死に、進之丞も死ぬ。
他にも、源三郎に惹かれた人たちは皆死にます。
やはりこの運命の元凶は、源三郎の美しさ、そして源三郎が伊織に惹かれてしまった事なのでしょうか。
二人の報われない想いに、心が痛みました。

それにしても死にすぎです。
登場人物、総死です(^_^;)
生き残ったのは、悪者・柳沢のみ…。


(一部訂正・削除 2009.2.28)
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2006.05.05 12:25 | other | trackback(0) | comment(2)
            

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2009.02.26 11:09  | # [ 編集 ]

仰るような側面は確かにあると思います。
ただ、人それぞれ捉え方は違い、正解はない事だと思っています。
貴重なご意見ありがとうございました。

2009.02.26 11:34 URL | にゃんこ #fwkSvwQ6 [ 編集 ]













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