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BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

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眩暈 :五百香ノエル

4883864081眩暈(めまい) (Holly NOVELS)
五百香 ノエル
蒼竜社 2012-03-24

by G-Tools

今先生の挿絵がピッタリな雰囲気、大好きです!
ダメな男の弱さが愛おしくなってきました。
【眩暈/五百香ノエル/今市子/Hollyノベルズ(2012年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!
幼馴染みの圦也と澄は小五の夏休み、戯れに口づけを交わした。圦也は意地悪で、綺麗で愚かな澄に惹かれていたが、噂をたてられるのを恐れた澄は圦也から離れていく。疎遠になったまま澄は女を、圦也は男を知り、圦也は曖昧な感情でしかなった同性である澄への欲情をはっきりと自覚する。高二の夏、久しぶりに家族旅行で澄と顔を合わせた圦也は、快楽に弱い澄を抱き、いったんは手に入れる。しかし圦也に囚われることを恐れた澄は圦也を裏切り―。大幅加筆訂正&大量書き下ろし付きの新装版。

【あらすじ・感想など】
家族ぐるみの付き合いをしている隣家の同級生・塚田澄に、冷たい態度を取られながらも付き従っていた苅田圦也。
そんな小学生時代のある日、避暑地で衝動のまま交わしたキスを人に見られてしまい、それ以降圦也は澄に避けられ疎遠になってしまう。
高校生になり女性に恋愛感情を抱けない事を自覚するようになった圦也は、街で誘われるまま、年上の大鹿と関係を持つように。
大鹿との関係により澄に抱いていた感情が何だったのか、そしてその大きさを目の当たりにしていく圦也。
そんな中、家族旅行先の海外で、澄の戯れから自分の気持ちを知られてしまった圦也だったが…。
同性に惹かれている事から逃げた男と、その世界で生きていく事を選んだ男。
あらすじを読んで、私は英映画「モーリス」を思い浮かべていました。
この映画、BLに嵌まる以前、ひとりで悶々としながら何度も見返した思い出が…。
読んでみると、ベースが似ているだけで映画とは経過も結果も違いますが。
映画を見た時のもどかしくて切ない、そんな気持ちを思い出してしまい、ドキドキしながら読んでしまいました。
自覚するのはずっと後になってからですが、澄と圦也は子供の頃からお互いに惹かれ合っています。
澄は圦也に対して抱くモヤモヤとした気持ちから目を逸らすため、攻撃という形で吐き出していて、澄はそれでも側にいようとする事で満たされようとしている。
主従関係のように見えて実は幼いなりに危ういバランスで成り立っていたふたりの関係は、ニアミスを経て一旦崩れます。
自分の中にある感情を恐れた澄は女性と付き合うようになり、行き場のない想いを抱えた圦也は大鹿と出会いマイノリティの道へ進んでいく。
こうして異なる道を選びますが、惹かれ合う気持ちから逃れることは出来ず、別れと出会いを繰り返すふたり。
関係が変わっていく背景にある、それぞれの性格や資質、環境などが話を支えていて、ふたりの気持ちを理解しやすいです。
圦也は元々自分が欲しいものに対して揺るぎなく、良く言えば努力型、悪く言えばストーカー気質で、それは子供の頃から変わっていません。
一見ドライで冷静そうに見えるけれど、澄が絡むと途端に粘着質な部分が出てきたり、危うさが見え隠れしています。
一方、澄はプライドが高く自己中心的な性格で、子供の頃は神童とちやほやされるも中学で凡人となり、益々扱いづらい性格になっている。
それでも人の目を惹く容姿なので付き合う相手には困らず、圦也に対しても上から目線の態度をとり続けていたのですが…圦也の気持ちを弄ぼうとした澄は思いがけない形勢逆転にプライドを打ち砕かれてしまいます。
まさかの下克上。
そして澄は快楽に流される自分や受けとめることが出来ないほどの圦也の気持ちが怖くなり、逃げ出してしまう。
とにかく澄は弱い人間で、その弱さ故に圦也は何度も裏切られます。
序盤は読んでいて澄の自分勝手さに苛々してしまいました。
でも、何故か憎めない。
澄に振り回される健気な圦也に感情移入する話かと思いきや、意外にも澄の逃げ出してしまう気持ちが切なくて胸が痛かったです。
我が儘放題だった澄が圦也との事で自分の弱さを目の当たりにし変わっていくのですが、分かっていても簡単に強さが身につくわけじゃない。
自己嫌悪と諦めの中で悶えている澄が哀れで、なんだか身近に感じてしまいました。
17歳の未熟な澄が圦也の重すぎる愛に怯えるのは当然。
そんな弱さも含め圦也は好きなのだろうなと分かるからか、読んでいるこちらも臆病でおばかさんな澄が愛おしくなってくるのが不思議。
ダメな相手ほど愛おしい。
割れ鍋に綴じ蓋なふたりが最後には落ち着くところにおさまって、ホッとしました。
澄の娘・里紗も含め、圦也が澄のすべてを受けとめる場面が好きです。

エッチシーンは割と多めかな?
快楽に流されている澄がかわいくて萌えました。
17歳の頃のツンツンプライドの高い澄が堕ちていくところも、すっかり弱気になっている澄が愛されて満たされているところも、どちらも美味しい。
ジワジワきます。

本編後に収録されている短編『惑い』と『色紙の裏側』は後日談。
『惑い』は里紗が中学生となって、3人の関係に少し変化が起こるエピソード。
『色紙の裏側』は『惑い』より少し前、引越をする際のエピソード。
いつまで経っても自分に自信の持てない澄が、恋愛関係ではないが特別な存在ではある大鹿に嫉妬し、普段は隠れていた面倒な性格が暴走していきます。
圦也はそんな澄の性格を分かっているんだけど、基本的にマイペースでドライな性格なので深刻にはなりません。
適当にかわしているようでいてそうじゃない。
圦也と澄は歳を取ってお爺さんになってもずっとこうして一緒にいるのだろうなと感じられる話で、幸せな気持ちになりました。

ということで、五百香先生の過去作品を手にとってみました。
初出は1998年のアイスノベルズで、2012年にHollyノベルズから新装版で出ています。
性格の悪い男が痛い目にあって改心するという展開は珍しくありませんが、そのダメさが愛おしく感じる作品は多くありません。
むしろその弱さに共感してしまう部分もあり、胸にグイグイきました。
JUNEっぽい雰囲気がとても好み。
今先生の挿絵がピッタリですね。
面白かった!!
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