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BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

渇愛(上下巻) :吉原理恵子

4592870573渇愛〈下〉 (白泉社花丸文庫)渇愛〈上〉 (白泉社花丸文庫)
吉原 理恵子
白泉社 1998-08

by G-Tools

吉原先生らしさ満載。
濃厚な執着愛、読み応えたっぷりです。
【渇愛(上下巻)/吉原理恵子/鳳麗華/花丸文庫(1998年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!
高見和也と、その不肖にして美貌の弟・玲二。数奇な運命のもと、互いに憎み合いながらも離れられないふたりを巡って様々な思惑が入り乱れる。自分に異常な執着を見せる玲二に戸惑いと不気味さを隠せない和也。むごい運命に翻弄されて、相反する兄弟の終わりなき駆け引きが今ここで幕を開ける!真実の愛を描く耽美小説の名作、堂々の文庫化。

【あらすじ・感想など】
中学三年生の時、母親の再婚で高見姓となった和也。
そこへ、父親の前妻に引き取られていた義理の弟・玲二が、その手に負えなくなったと突然高見家にやってくることになった。
その出会いから21歳になった今まで、美貌とカリスマ性を持った玲二は、和也に反発しながらも執着し続けている。
事故で両親を亡くし、ふたりの関係は大きく変わっていくのだが…。
という、義理の兄弟の話。
親の再婚で兄弟になったふたりは、血の繋がりはないけれど、両親亡き後も高見家で一緒に暮らしています。
と言っても、仲がいいわけでは全くない。
真面目な大学生の和也に対して、玲二は他人に関心を示さない冷徹な性格にもかかわらず、その美貌とカリスマ性で男も女も虜にして夜の世界で生きているような男。
タイプが全く違い性格的にも相容れない。
さらに和也と付き合っていた麻美を玲二が奪い、妊娠させた事で益々関係は悪化しています。
でも、玲二が和也に攻撃的な態度を取り続けているのは捻れた執着心の結果であって、麻美に手を出したのも和也に対する当てつけみたいなもの。
和也にしてみれば、嫌がらせをしてくるのに離れる事も許してくれない玲二の態度は当然理解不能です。
そして、我慢の限界で高見家から出ていこうとした和也とそれを許さない玲二のぶつかり合いは、玲二が和也を力尽くで押さえ付けレイプするという事態に発展してしまい、益々こじれていくのですが…。
どこからどう見ても玲二の執着は不器用な男の愛情表現ですよねぇ。
和也しか目に入らない、和也にしか心が動かないその盲目っぷり。
素直じゃなさ過ぎて周囲に迷惑かけまくりですよ!
玲二はおそらく初対面の時に一目惚れしていますね。
端から見たら玲二の一途さは丸わかりですが、まともな和也はそんな発想すらないので犯されても戸惑うばかり。
和也の気の強さがさらに玲二の執着心や征服欲を煽って泥沼化。
玲二本人が執着の根本にあるものを見ようとしないので、「お前はいったいどうしたいんだ」と読んでいてひたすら焦れったかったです。
そんなふたりのキャラに加え暴力的な愛情表現が先行していて、恋愛的には甘さはほとんどありません。
玲二の不器用さは理解出来ても、その言動に共感は全く出来ないのですが……何故かその執着っぷりから目が離せない。
そこが吉原先生の作品の魅力だなと思います。
キャラが掴めないと感じていたのに、いつの間にか話に惹き込まれていました。
そして、終盤の展開は意表を突かれてびっくり!
玲二の性格が変わるとは思えないし、愛の言葉を交わすようなふたりでは全くないので、玲二の執着がどこへ行き着くのかと思っていましたが、そうきたか。
ちゃんとハッピーエンドなのでご安心を!

先ほど書いたように愛情表現が暴力的で、最初は和也の気持ちも伴っていないので、エッチシーンは流血沙汰になっていたりします。
JUNEの頃は珍しくなかったけれど、最近のBLでこんな暴力使って無理矢理強姦ってあまり見かけないような気が…。
和也は受ですが、男らしいタイプで殴られて大人しくするような性格ではなく、その結果抵抗しまくって流血沙汰になるのは当然の流れ。
そんな喧嘩のようなセックスと、最後のエッチシーンとのギャップで萌えました。
これまでの展開とふたりの性格を考えたら、相当気持ち入ってますよね!
玲二が和也の色気や強さに執着する理由が分かる気がします。

ということで、遅ればせながら吉原先生の「渇愛」を読みました!
初出はハードカバー(1994年?)で、この花丸文庫は加筆訂正された文庫版。
ハードカバー版からどう変わったのかはよく分かりませんが、あとがきによると追加された部分も多そうな雰囲気ですね。
文庫版でも1998年発売なので、かなり古い。
でも、吉原先生の作風は今でもあまり変わらないし、最近の作品でも少し古くてクサい言い回しが出てくるので、そこはあまり気にならなかったです(文体より挿絵に時代の変化を感じる…)
吉原作品の、ドロドロした昼ドラ展開や執着愛は今も昔も変わりませんね〜。
現代、兄弟、執着という要素で見ると「二重螺旋」に近く、通じる所があるかな。
和也は尚人のような線の細さや可愛らしさはありませんが、色気ある存在感は共通しているなと思います。
クセの強いキャラに最初は戸惑いましたが、いつの間にか惹き込まれていて、最後まで読み応えたっぷりでした。
今まで吉原作品未体験という方にはオススメしませんが、他のシリアス系の作品が好きな方だったらきっと楽しめる作品です!
ただ、脇のキャラ設定や伏線が回収しきれていなくて、そこが消化不良…。
どうやらドラマCDで続編が出ているみたいですが、それももう絶版だし、私は活字で読みたい!
ここ数年、「間の楔」「影の館」が出直した事だし、「渇愛」もそろそろどうでしょう?
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2014.08.05 00:40 | 吉原理恵子 | trackback(0) | comment(0)
            












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