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アンフォーゲタブル :一穂ミチ

434483061Xアンフォーゲタブル (幻冬舎ルチル文庫)
一穂 ミチ
幻冬舎 2014-02-17

by G-Tools

新聞社シリーズの新刊。
思いがけない展開にドキドキしながらも、穏やかな萌えに浸れる作品でした!
【アンフォーゲタブル/一穂ミチ/青石ももこ/ルチル文庫(2014年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!
ある夜、新聞社勤めの冬梧が証明写真を撮っていたボックスに見知らぬ青年が闖入、身も世もなく泣き出してしまう。お詫びをと連絡してきた製薬会社勤務の望と交流を重ね、冬梧はデートめいて心地いい時間に戸惑う。やがて懇願される形で体をつなげ、すでに惹かれていたのだと観念した冬梧だが、望はその日から「もう会えない」人になっていた―。

【あらすじ・感想など】
新聞社で働いている和久井冬梧は、ある日、酔っ払いの青年に絡まれた。
翌日、直接お詫びしたいと電話してきたその青年・有村望は製薬会社に務めるサラリーマンで、それ以来、ふたりは時々食事に行く仲になる。
望が同性愛者だと知り戸惑いがありながらも、それ以上に望と過ごす時間を手放したくないと思うようになっていた冬梧。
望に抱いて欲しいと求められ身体の関係を持ったふたりだが、その日を境に、望は冬梧の前から姿を消してしまい…。
というサラリーマン同士の恋愛で、「is in you」から続いている新聞社を舞台にしたシリーズの1冊。
一面を飾るスクープを取りたいという夢を持ち、社会部の記者として現場に出ていた冬梧は、自分の性格が招いたトラブルで整理部に異動させられてしまいます。
現場に復帰できるのか分からないまま、忙しい日々が続いていく。
苛立ちや無力感などで凹んでいる中で仕事で繋がりのない望と知り合い、ふたりですごす時間に癒され、楽しみにするようになります。
大人しそうな印象の望が時折見せる熱い一面に驚いたり、言い合いをしたりする中で、自分自身の事を見つめ直していくことに。
今まで女性が恋愛対象だった冬梧は望との関係に恋愛を持ち込む発想がなかったのですが、望が同性愛者だと知り、そして身体の関係を求められた事で自分の中にあった望への想いがどんなものだったのか気付きます。
でも、それに気付いたと同時に、望は冬梧の前から姿を消してしまう。
望が自分に託したものの大きさと覚悟、そして望がどんな想いを抱えていたのかを知った冬梧は、望と会うことが出来ないだけでなく、今までの関係の痕跡すら消さなくてはいけない現実をつきつけられます。
衝撃を受けながらも、託されたものを形にするため、自分の夢を叶えるため、冬梧は奔走する事になるのですが…。
今回は製薬会社で働く相手との恋愛だし、新聞社が絡んでいるのはシリーズものだから特に気にもとめず読んでいたのですが、予想以上に新聞社である事が大きく話に関わっている話でした。
好き合っているのに会うことも、連絡を取ることも出来ず、相手と過去に繋がりがあった事すら隠しておかなくてはいけない。
お互いのためにそれを貫き通さなければならない状況になってしまい、ここからどう事態を動かして話をまとめるのだろうかと心配になりながら読んでいました。
社会的な立場を捨てれば再会出来るかもだけど、シリーズ的にも一穂先生の作風的にそれはなさそうだし…。
最終的にはハッピーエンドです。
なるほどそうきたか、と驚きがありつつも納得の展開。
逃げ出さず目の前の現実と戦い乗り越えてきたふたりだからこそ、手に入れることが出来た関係がとてもいいなと思いました。

以下、ネタバレ含みますのでご注意下さいませ。
未読の方は回避推奨。

心身共に追い詰められた冬梧の状態にドキドキしながらページをめくったら……「17年」という文字が目に飛び込んできて、一瞬何が起こったかよく分からず何度も読み返してしまいましたよ!
でも確かに、望が携帯を持っていなくて珍しいなと思ったし、「off you go」に登場する静の名字のくだりで違和感を覚えていたけれど…まさか17年前だったとは。
シリーズ既刊に登場する静や西口が冬梧の先輩として活躍していたので、普通に現在だと思って読んでいました。
17年。
自分の17年前は既にBL(JUNE)読んでいたし、25歳も42歳もBL的にどちらもいける年齢だなと考えると17年は長いのか短いのか(笑)
25歳から42歳までの17年間って、社会人としてバリバリ働き、様々な経験を積んで成熟していく期間ですよね。
このシリーズは最初の「is in you」以外は年齢層が高めなのですが、成熟した40代だからこその落ち着きや穏やかさ、そしてそうした態度の裏で心の中では情熱が静かに燃えていて、そんな奥深さがじわじわ胸にきて好きです。
飄々としているようでいて臆病さが隠れていたり、一途に想い続けていたり、そんな姿がかわいくて仕方ない。
今回、気持ちが近づき、大きな波に呑み込まれていく前半の話も面白かったですが、後半、年を重ねたふたりの話がとてもよかったです。
ふたりとも、ちゃんと周囲に理解者がいてホッとしました。

ということで、一穂先生の新刊は新聞社シリーズ(シリーズ名これでいいのかしら?)でした。
静や西口も登場しているので繋がりを知っているとより楽しめますが、既刊未読でも話は分かると思います。
一穂先生の、ちょっとした言葉や情景から心の動きを捕らえていく描写が好きです。
今回は地味な話かと思いきや予想外に大きな事件や展開がありましたが、そうした中でも一穂先生の魅力を存分に味わえる、穏やかな萌えに浸れる作品でした。
後半のふたりの関係が好き!
にしても、この新聞社、特に静周辺がどんどん男同士で落ち着いていて、ちょっと心配になりますね(笑)

■シリーズ
「is in you」 圭輔×一束
「off you go」 良時×密
「ステノグラフィカ」 西口×碧
「アンフォーゲタブル」 冬梧×望

is in you (幻冬舎ルチル文庫) off you go (幻冬舎ルチル文庫) ステノグラフィカ (幻冬舎ルチル文庫) アンフォーゲタブル (幻冬舎ルチル文庫)
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2014.03.02 00:24 | 一穂ミチ | trackback(0) | comment(0)
            












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