にゃんこのBL徒然日記

BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

てのひらにひとつ :夕映月子

4403523102てのひらにひとつ (ディアプラス文庫)
夕映 月子
新書館 2012-08-09

by G-Tools

切ないけど幸せな気持ちにさせられる話でした。
夕映先生好きだ!
【てのひらにひとつ/夕映月子/三池ろむこ/Dear+文庫(2012年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!
経営学部生の和音は、塾講師のバイトをしている。そこへ社会人の日下部が、医学部受験のために入塾してきた。本来の志望進路もゲイである己の恋心も、すべてを諦めてきた和音。誕生日の夜、胸にしまい込んだその秘密を、和音は日下部に吐露する。現実的ではない夢のためにひとり戦う日下部は、ただ黙って話を聞いてくれた。そんな年上の男に、和音の心とからだはやがて惹かれてゆき…?優しい年の差ロマンス。

【あらすじ・感想など】
大学の友人に叶わない想いを抱いている宮下和音。
ある日、バイト先の塾で担当することになった日下部拓道は、医学部を目指しているという和音よりひとまわりも年上の社会人だった。
穏やかで優しい日下部と親しくなっていった和音は、酔った勢いでゲイであることや友人への恋が終わった事を話してしまう。
そして、そんな和音を拒絶することなく受けとめてくれた日下部に、いつしか惹かれていくのだが…。
という、年の差のあるふたりの話。
親の離婚やピアニストを目指している弟がいる環境がいつしか和音に諦観を植え付けていて、和音はゲイである自分は誰かと幸せになれるわけがないと思っています。
だから友人への恋心も形にすることなく秘め続けていたのですが、ある日、その友人の彼女が妊娠してしまった事を知り和音は自分で思っていた以上に動揺してしまう。
そんな和音を心配した日下部の優しさに、酔った勢いもあり心が弱っていた和音は今まで誰にも言えなかった内面を吐露する。
それが、和音の心に大きな変化をもたらします。
友人に抱いていた恋心とは違う、心も身体も止められないような感情を日下部に抱いている自分に、和音は戸惑いどうしていいか分からない。
和音が初めて沸き起こった恋愛感情を目の当たりにし、振り回されている姿が切なくてたまりません。
自分の欲望や臆病さに逃げ出したくなっているのに、日下部を好きで好きでどうしようもない気持ちは止められない。
今までずっと欲しいものを諦めていた和音が、日下部だけは諦めることが出来ない。
和音がそんな自分の感情を肯定出来るようになる過程がしっかり伝わってきて、私まで一緒に胸が締め付けられ、そして熱くなりました。
一方の日下部ですが、いかにも公務員然とした真面目な人で、元々はゲイではないので和音は恋愛対象ではありません。
でも、周囲から無謀だと思われている30歳を過ぎての医学部受験を、和音だけは一緒に頑張りましょうと言ってくれた。
意識してではなく、自然とそんな言葉をかけてくれた和音に人として好感を抱いていたのが、和音がゲイだと知り、そして和音の純粋でまっすぐな感情に触れ、好感は恋愛感情へと変わっていきます。
後半は日下部視点の付き合い始めてからの話なのですが、年の離れた和音に対する感情の変化や、和音をいとおしく想う気持ちが無理なく展開していて共感出来ました。
元々の性格もあると思うけど、年上の日下部が和音の初々しいペースに巻き込まれていて微笑ましかったです。
私も一緒に巻き込まれて胸がきゅんきゅんしちゃいました。

付き合い始めてからすぐに遠距離恋愛になって、こんなふたりにもちょっとした気持ちのすれ違いから衝突が起こっています。
衝突と言っても、好き合っている中での事なのでそこまで深刻ではありません。
でも、付き合い始めの頃の熱は永遠に続くものではないし、和音の真っ直ぐで一生懸命だからこその繊細さを気にかけながら読んでいたのでハラハラしっぱなしでした。
この段階で家族の反対や周囲の悪意に晒されるような重い問題が起こったら、和音が押し潰されてしまいそうで…。
和音の家族は理解ありそうなのでいいとしても、日下部側の親が出てきたらつらい。
そんな不安を感じながら読んでいたので、読み終わってホッと一安心。
危機を乗り越えてふたりの関係が前進し、こんなふたりなら大きな問題が起こっても大丈夫ですね。

エッチもしっかりしていますよ!
普段真面目なふたりだからこそ、エッチシーンの盛り上がりは美味しい…!
日下部が草食系に見えるのに意外とがっついていて益々好感度上がりました(笑)
メガネ外すと大人の男の雰囲気がグンと増してかっこいいです。
そして、恥ずかしがりながら翻弄されている和音がかわいい。
激しいのもいいけれど、ゆるゆるとしたセックスもエロくて萌える!という事を再確認させられました。
肉体的にだけじゃなく、精神的も満たされて感度が高まっている和音に萌える!

ということで、大学生と社会人の、年の差があるとは言えそれなりの年齢のふたりの話でしたが、初々しさに心あたたまる話でした。
切なさもたっぷりで思わず何度か泣かされましたが、その分感動も大きかったです。
読後感がとてもよかった!
ふたりからあふれ出る「好き」に私まで幸せな気持ちにさせられる1冊でした。
11月に出た新刊を読んで未読の既刊本を読もうと思い立ったのですが、デビュー作が2010年だったので何冊か出ているのだろうと思ったら、これ1冊なのですね。
と言うことは、もしかしなくても次の新刊は当分先なのかしら…?
すっかりファンになったので、次作が待ち遠しいです!
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2013.12.16 01:16 | 夕映月子 | trackback(0) | comment(0)
            












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