にゃんこのBL徒然日記

BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

片思い :木原音瀬

4799712616片思い (ビーボーイノベルズ)
木原 音瀬
リブレ出版 2013-03-19

by G-Tools

ボリュームに負けない位の読み応えと萌えが詰まっていました。
切なさはあっても痛くないので安心です。
【片思い/木原音瀬/伊東七つ生/BBN(2013年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!
「俺、結婚するから」高校の時の友人、三笠の突然の告白に吉本は驚く。彼はずっと、自分と同じく男が好きだったからだ。取り残された気持ち以上になぜか三笠の結婚を素直に喜べない吉本は思い余って酔ったふりをして…!?超鈍感男を好きになった負けず嫌いのツンデレ青年のこの恋の行方は?吉本と三笠の友人、門脇と数学講師・松下の静かな恋を描いたもうひとつの片思い「あのひと」も全て収録した新装版。書き下ろしも収録。

【あらすじ・感想など】
ビブロス時代のBBN2作品が、大幅改稿&それぞれに書き下ろし追加で1冊の新装版になっています。

『片思い』『恋は盲目』
吉本智が大学生になった今でも親しくしている、高校時代からの友人・三笠高志と門脇尚史。
いつものように3人で飲んでいると、高校生の時からゲイだと公言し、何度も男相手に惚れては玉砕する事を繰り返していた三笠が、女と結婚すると言い出した。
その告白に、吉本は激怒し反発するのだが…。

吉本は容姿に恵まれ女に不自由する事がないけれど、実は同性愛者。
吉本にとっては誰にも言えなかったその性的指向を、三笠はカミングアウトし、毎回玉砕しながらも堂々と男に対して行動を起こしている。
そんな三笠を疎ましさや羨ましさが入り交じる複雑な気持ちで見ていた吉本だったけれど、ある時自分が三笠に惹かれている事に気付いてしまう。
そうした中での三笠の結婚報告にショックを受けた吉本は、ある行動を起こします。
こんな事するくらいなら、真っ正面からぶつかったらいいじゃない!と思うような行動なのですが、吉本は冷静な判断が出来ない位動揺しているんですよね。
そもそも、吉本のツンデレっぷりは相当なレベルなのです。
好きな気持ちが強すぎるがあまり攻撃に出てしまい、それによってさらに苦しむ羽目に陥る吉本の不器用っぷりは、端で見ていて痛々しいほど。
素直じゃないうえに攻撃的だし、プライド高いし、吉本は友達としてもかなり付き合いにくいタイプだと思います。
門脇はドライだし、三笠は明るくて鈍感な性格なので、吉本がツンツンしていても気にすることなく友達づきあいしてますが。
吉本の性格は少々度を超していますが、どうでもいいプライドが捨てられず素直になれない吉本の姿に、私はなんだか自分を見ている気持ちにさせられました。
吉本はほんと面倒な人ですよね。
こんなに素直になれないと、吉本自身も大変そうです。
素直になれないあまりに捨て身の行動を起こし、そして最悪の結末を迎えてしまった吉本が一体どうなってしまうのか。
痛い展開をよくする木原作品なので、絶望を味合わないとこの天の邪鬼な吉本の性格は変わらないんじゃないか?簡単に幸せになるわけないよね?と、その先の展開が怖くて仕方なかったです。

結果から言うと……。
今回はマイルドな木原先生でした…!
吉本、相手が三笠でほんとよかったね。
三笠は一見脳天気なくらい鈍感な男ですが、吉本のほぼツンで構成されているツンデレっぷりを受けとめてくれる懐の深い男でした(ドMとも言う)。
素直になれない意地っ張りな吉本には、下手に出てても何だかんだ言いつつ自分の気持ちをぶつけてくる、頑固さと強引さを兼ね備えている三笠みたいなタイプがピッタリですね。
吉本が主導権を握っているけれど、三笠が自覚している以上にその存在が吉本の気持ちを動かしている。
吉本の、強気な女王様だけど中身は繊細というギャップが魅力的でした。
面倒な男だけどそこがかわいいなぁ。
特に、『恋は盲目』では付き合い始めて10年経った頃のふたりが第三者の視点で書かれているのですが、吉本と三笠のバカップルっぷりに顔がニヤけました(笑)
吉本のツンデレっぷりと三笠の惚れ込みっぷりが熱い!

『あのひと』『それから』
所属する大学の研究室の講師・松下が自分に好意を寄せている事に気付いた門脇。
21歳になったばかりの門脇にとって、同性で39歳というひとまわり以上も年の離れた存在感の薄い講師・松下は恋愛対象として考えたこともない存在だった。
そんな気持ちを直接伝え、松下も静かにそれを受け入れたが、その後も松下の門脇に対する親切は続いていく。
迷惑に感じていた門脇だったが、同じ分野を専門とし、知識も豊富な松下のマンションに行くようになった事で関係が変わっていく。
心が伴わないまま、いつしか身体の関係を持つようになっていくのだが…。

『片思い』でふたりの友人として登場していた門脇の話。
派手な喧嘩を繰り返しながらも好き合っている吉本と三笠という友人を近くで見てきた門脇ですが、門脇自身は今まで他人に恋愛感情を抱いた事がありません。
冷静沈着で、淡々としている門脇に想いを寄せているのは、影の薄い39歳の講師。
吉本と三笠のような勢いがあるわけではないふたりの関係の変化はゆっくりで、肉体関係は発展しても、門脇の恋愛感情はなかなか伴っていかない。
でも、自覚する事が出来なかっただけで、一緒にいる時間の中でそれはどんどん育っていたんですよね。
門脇の心が伴っていないことを分かっていながらも、好きだからその手を離せなかった松下の気持ちを考えると切なくて、序盤はもどかしくて仕方なかった。
その分、門脇の気持ちが表に出ていた後半の関係が、控えめなふたりながらも甘くてよかったです。
『それから』は一緒に暮らして数年後の話。
このふたり、同棲に至るまでに修羅場を乗り越えてきているので安泰かと思いきや、ふたりとも臆病だから相手に深入り出来ずにいた部分があって、トラブルでそれが表面化していきます。
恋愛がどんな感情なのか分からないと言っていた門脇が、松下への恋愛感情を意識した途端すごい勢いで堕ちていって、そしてその一方でどんどんふくらんでいく不安と戦っている、その一生懸命な姿がかわいい。
一方の松下も、かなり年上だけど恋愛経験が少なく奥手で、しかもちょっと世間知らずなところのある学者なので、スマートにリードは出来ません。
年を重ねて大人の落ち着きがある一方で、若い恋人相手に自分に自信がもてない。
ふたりがそれぞれが悩んだり不安になる中で、それが気持ちのすれ違いに発展したりするのですが、最後には一緒に乗り越えようとするふたりの関係がいいですね。
門脇が自分の気持ちをぶつける場面が好きです。
最後の門脇の弟妹との話も含め、何度も泣かされました。

ということで、2カップルの話が1冊になっていた今回の新装版。
びっくりするくらいの分厚さ…新書ってこんなに分厚く出来るんですね!
このボリュームに圧倒されしばらく積んでいましたが、読み始めたら面白くて一気に読んでしまいました。
元々は1冊ずつ出ていた旧版を大幅改稿&書き下ろし追加で1冊になっています。
私は旧作を読んでいないのですが、『片思い』と『あのひと』だけだったらそこまで印象に残らなかったんじゃないかなと思います。
それぞれの書き下ろし部分が面白かったのと、対照的な2カップル同時に読む事が出来たのがとても効いていました。
喧嘩しながら相手を求め合っている吉本と三笠のカップルと、静かで穏やかな中に情熱を秘めて手を取り合っている門脇と松下のカップル、どちらも好きです。
読み応えや感動は門脇と松下の話の方がありましたが、吉本と三笠のドタバタカップルの話も面白かった。
キャラ単体で見ると、吉本がお気に入りです。
強気な言動は内心の不安の現れ。求められたいけど素直になれなくてツンツンしてしまう吉本がかわいくて仕方ない。
ドSな態度なのに中身は純情で不器用なんて……萌えないわけがない!
萌えもしっかり詰まった、内容たっぷり、読み応えたっぷりの1冊でした。
マイルドな木原作品なので、身構えずに楽しめます。
大満足〜♪
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2013.05.19 11:44 | 木原音瀬 | trackback(0) | comment(0)
            












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