にゃんこのBL徒然日記

BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

アイズオンリー :一穂ミチ

4813012671アイズオンリー (SHYノベルス299)
一 穂 ミチ
大洋図書 2013-02-28

by G-Tools

抱えている問題が切なかったです。
それにしても、私は叔父が気になるのですが…!
【アイズオンリー/一穂ミチ/小椋ムク/SHYノベルズ(2013年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!
CGオペレーターの仁科縁はある事情から人と関わることを避けて生きてきた。ある日、上司であり叔父である訓の誘いを断りきれず参加した飲み会の席で縁は編集者の岩崎数真と出会う。数真には、子どものように何でも触って確かめる癖があった。それは子どもの頃、目が見えなかったことに起因すると告白する数真。その話を聞いた縁は過去に出会った「かず」のことを思い出す。縁が壊してしまった幸福な時間と共に―。

【あらすじ・感想など】
自宅で仕事をしている仁科縁。
滅多に外出しない縁が外で会うのは、仕事で関わっていて、縁を理解してくれている叔父の訓くらい。
ある日、訓に連れられ出版社の編集者・岩崎数真と会うことになった縁は、数真が子供の頃交流のあった「かず」だと気付く。
でも、当時目の見えなかった「かず」は縁がその時の相手だとは気付かない。
何も言わず、数真との関係を続ける縁だったが…。
という再会もの。
ただ、手術で今は目が見えるけれど、縁と出会った頃は目が見えなかったので、数真は仲良くしていた「ゆかりちゃん」の顔を知らないし、女の子だと思っています。
最後に会った日の事が苦い思い出となっている縁は、再会しても何も言わずにいる。
数真はそれ以降も何故か縁を食事に誘ってきて、縁は戸惑いながらも断ることが出来ず、次第に数真との時間を心地よく思うようになり、そして数真の誘いを受け入れて身体の関係まで持つように。
恋愛感情を持ちだしてくるわけではなく、セックス込みの友人のような関係を続けていて、それは自分の望むものであったけれど、次第に縁は苦しくなってきます。
結局、子供の頃の出来事と、自分自身の問題をそのままにしたままでは、縁は数真と一緒にいられない。
分かっていても、縁はどんどん数真に惹かれていきます。
そしてついに、隠しきれない自体が起こってしまい…。
自分にはどうにも出来ない問題があって、それを他人に理解して受け入れてもらう事が難しいことが分かっているけど、でも好きな人の手を自ら離すことも出来ない。
そんな縁の不安と葛藤と諦めと希望が入り交じった感情が、とても切ないです。
臆病な縁の気持ちが痛いほど伝わってくる一方で、数真はきっと受け入れてくれるのは読んでいて分かるので、もどかしい気持ちでいっぱいでした。

以下、重要な部分をネタバレしています。
序盤で分かる事ですが、あらすじには書かれていないので念のため。
未読の方はご注意下さいませ。

縁の問題は、人の顔を認識出来ない「相貌失認」という障害。
子供の頃は「杖を持っている子供」という大きな特徴があったから分かったけれど、それがないと縁には数真の姿を判別出来ないので、再会後の数真と一緒にいてもいつも不安がつきまとっています。
私は人の顔と名前を覚えるのが苦手で(認識出来ないわけではなく、その原因が人に対する興味の薄さだという自覚はある)、仕事で懇親会のような場所に行くのがとても億劫で不安です。
相手は覚えているのに、私は相手の名前も顔も覚えてないというのは、特に立場が上の人に対しては相手に不快な思いをさせそうで怖い。
相貌失認が実際どんな感覚なのか私には想像しか出来ませんが、私が感じている不安どころではないのかと思うと、かなりのストレスに晒されているのだという事は分かります。
しかも、家族や好きな相手でさえ認識出来ないのは、精神的に相当つらい。
外見では分からない障害で、しかも理解してもらうのが困難だと分かっているから、縁は限られた小さな世界で生きています。
そんな縁が、奇跡的に再会して、自分に好意を持ってくれた数真との関係を自ら切れるわけがない。
強がったって、やっぱりひとりは寂しい。
身体の関係が始まって、距離が縮まれば縮まるほど追い込まれていくのに、それでも気持ちが止められない縁が愛おしくて切なかった。
認識か視覚かの違いがあっても、「相手の姿が分からない」という意味ではふたりとも同じ経験があって、そのつらさも知ってる。
だから、きっと数真相手なら、時間が経てばきっと縁は後ろめたさや引け目を感じないようになるんじゃないかな。
ハンデも個性のひとつだと、縁が思えるようになったらいいなと思います。

ということで、一穂先生の新刊です。
原因に違いがあるものの、ふたりとも相手の外見じゃなく中身で好きになっているんですね。
外見に惑わされず内面を見てちゃんと好きになっているから、このふたりならこれからもうまくやっていけそうです。
いろいろ乗り越えてようやく恋人同士になれたふたりなので、この後のラブッとしたところをもっと読みたかったなぁ。
あと、話としては面白かったけれど、もう少し数真の側の気持ちが分かるともっと感情移入出来てよかったかなと思いました。
ところで、私は最後まで叔父の訓が気になっていたんですが、訓の縁に対する優しさは結局家族愛なんですか?
私にはそれ以上の気持ちがあるように思えて仕方ないんですけど!
スピンオフあってもいいと思います!
関連記事
2013.03.12 00:45 | 一穂ミチ | trackback(0) | comment(0)
            












管理者にだけ表示

トラックバックURL↓
http://macnyanko.blog22.fc2.com/tb.php/1184-1264e00d

最近の記事

プロフィール

Author:にゃんこ
漫画も読むけれど、やっぱり小説が好き! 小説を中心にBL本の感想を書いています。

このBlogについて:Read me

日記&一言感想
→ にゃんこ雑記
お知らせ用twitter
お知らせ
中の人はこちら
つぶやき

Twetter

RECOMMEND

参加させていただいています!

【このBLがやばい!2019年度版】
(漫画中心に小説、CD含めBL全般)

【はじめての人のためのBLガイド】
(ほぼ漫画のみ)
はじめての人のためのBLガイド

作家さん別感想記事リスト

Comment

Trackback

サイトリンク

BL Novels TB

BL Comics TB

BL×B.L.People


お役立ち


with Ajax Amazon

メールフォーム

基本的にレスは雑記の方でしています。数日経っても応答がない場合は送信エラーの可能性があります。「取扱説明書」を参照してください。

名前:
メール:
件名:
本文:

RSSフィード

| ホーム |