にゃんこのBL徒然日記

BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

Zwei :かわい有美子

4344826655Zwei (リンクスロマンス)
かわい 有美子
幻冬舎 2012-11-30

by G-Tools

刑事と検事の再会もの。
じわりと満足感が広がる1冊でした!
【Zwei/かわい有美子/やまがたさとみ/リンクスロマンス(2012年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!
捜査一課から飛ばされ、さらに内部調査を命じられてやさぐれていた山下は、ある事件で検事となった高校の同級生・須和と再会する。彼は、昔よりも冴えないくすんだ印象になっていた。高校時代に想い合っていた二人は自然と抱き合うようになるが、自らの腕の中でまるで羽化するように綺麗になっていく須和を目の当たりにし、山下は惹かれていく。二人の距離は徐々に縮まっていく中、須和が仕事で地方へと異動になることが決まり…。

【あらすじ・感想など】
高校時代、意識し合いながらもすれ違ったまま離れてしまった親友・須和祐介と、仕事で再会した刑事の山下暁。
交わした約束通り検事となり、年を重ね、以前とは違う顔を見せる須和に、山下の心は揺れる。
須和が今でも自分を想っている事に気付いた山下は、臆病だった過去を繰り返さないよう、須和に手を伸ばした。
けれど、想い合っているはずなのに、須和の心は遠くて…。
という再会もの。
高校時代は、惹かれ合いながらも一線を越えていません。
言葉にすらしていない、意識の中だけのプラトニックな関係。
一緒の大学に進学したものの、取り巻く世界が変わったことで、山下はその関係から自ら飛び出していった。
でも、社会人となり振り返ってみると、須和と過ごした高校時代の思い出は甘酸っぱくて、大切な日々だったと気付きます。
再会は山下に罪悪感とも喪失感ともつかない感情を呼び起こし、今でも自分を想っている須和を、山下は遠ざけられずにいる。
一方、須和は再会を喜びながらも、友人という関係以上は期待していません。
惹かれているけれど、行動に移そうとは思っていない。
自分の中だけで恋愛感情をあたためているのと、相手に伝えて形にするのって、同じ「好き」でも全然違いますよね。
高校生の時はふたりともその壁を乗り越えることなく、その結果手放して眠らせてしまった想いが、再びふたりの心を揺るがせることになります。
いろいろな出会いと経験を積み重ねてきた今だからこそ、自分にとって本当に大切な物が何なのか気付く事が出来る。
山下は今度こそ手放すまいと、行動に移します。
でも、須和は大切だからこそそれによって傷つくことを恐れていて、山下に求められながらも過剰な期待をしないようにしている。
そんな気持ちのズレをゆっくりと埋めていく過程が、静かだけど誠実でよかった。
後悔していた過去の別れを、再会してやり直すチャンスが巡ってくる事なんて滅多にないですよね。
物語の中とは言え、羨ましく思ってしまいました。
積み重ねてきた日々によって、過去の自分を冷静に振り返り反省して、気持ちを伝え合うことが出来たふたり。
特別派手な演出があるわけではないし、話自体はシンプルですが、じわりと胸にくる話でした。
同時に進行する山下の仕事の話も、上手く絡んでいます。
警視庁の刑事部が舞台で、内部調査を命じられる刑事…なんて、大事になる予感満載の展開ですよね。
でも、この真相の行方よりも、山下が刑事としての覚悟や生き方を決める過程が軸になっていました。
恋愛においても、仕事においても、30歳を過ぎてしがらみや閉塞感を覚えるようになり、自分がどうあるべきかを決断する時が迫っている事を感じる時期。
山下と須和の、年齢相応の気持ちの変化や決断がいいバランスでまとまっていて、恋愛面ではどちらかと言うと地味な話ですが面白かったです。

濡れ場も美味しかった!
言葉で伝えるより先に暗黙の了解で身体の関係が始まっているのですが、こういう受が嬉しいけど未来に期待せず受け入れている状況っていいですね…!
萌える。
須和にベタ惚れしているのが伝わってくる山下の様子も萌える!
それにしてもこのふたり、須和は大人しくて山下は無骨そうなキャラなのに、意外とちゃんとデート的な事を積極的にやっています。
30過ぎの男同士の割にいちゃいちゃしてるなぁという印象でしたが、高校の頃の事を考えると、その延長線上でのこのノリは自然なのかもですね。
微笑ましい。

ちなみに、挿絵は違いますが、他の作品と舞台がリンクしています。
「天使のささやき」と「甘い水」で登場した独身寮・平河寮に山下は住んでいて、脇で峰神兄弟や篠口が登場していました。
話は全く絡んでいないので他の作品未読でも全然問題はありませんが、知っていると少し楽しみが増します。
相変わらず篠口が気になる存在…。

ということで、かわい先生の新刊は刑事と検事の再会ものでした。
警視庁内で事件が起こったりしつつも、穏やかな読後感。
ふたりの気持ちの変化が年齢相応の葛藤を経ていて、私自身が同じ世代だからという事もありますが、身近に感じられました。
やまがた先生の挿絵も雰囲気に合っていてよかったです。
話も挿絵も、シンプルだけど心が動かされる。
じんわりと満足感が広がる1冊でした!

■平河寮シリーズ
「天使のささやき(全2巻)」 峰神×名田(挿絵:蓮川愛)
「甘い水」 神宮寺×遠藤(挿絵:北上れん)
「甘い水 (2)」
「Zwei」 山下×須和(挿絵:やまがたさとみ)
「墨と雪」 黒澤×篠口(挿絵:円陣闇丸)

天使のささやき (リンクスロマンス) 天使のささやき 2 (リンクスロマンス)
甘い水 (リンクスロマンス) 甘い水 2 (リンクスロマンス)
Zwei (リンクスロマンス) 墨と雪 (リンクスロマンス)
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