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ムーンライトマイル :一穂ミチ

4403523110ムーンライトマイル (ディアプラス文庫)
一穂 ミチ
新書館 2012-09-08

by G-Tools

単体で読めますが、「オールトの雲」のスピンオフで10年後の物語。
昴が自分の気持ちに気付いていく過程が好きです。
【ムーンライトマイル/一穂ミチ/木下けい子/Dear+文庫(2012年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!
上映中のプラネタリウムで彼女に浮気を咎められ派手に振られた大地。学芸員の昴にきつい皮肉を浴びるものの、なりゆきで科学館でアルバイトをすることになる。昴は大人しげな見かけに反して気が強く厳しい。そんな彼に最初は苦手意識を持つ大地だが、天文一筋で誠実ゆえに偽りのない昴を知るほどに惹かれてゆく。その視線の先に別の誰かがいると気づいた時にはもう後戻りできないほどに―。年下攻星屑ロマンス。

【あらすじ・感想など】
彼女と行ったプラネタリウムで修羅場を演じ、去り際に学芸員に「ヤリチン」と言われてしまった高梨大地。
その学芸員・迫原昴とバイト先で偶然再会し、何故か泥酔した昴を自宅に連れて帰ることになった大地だったが、そこで昴が兄・太陽の友達である流星の高校の先輩である事を知る。
そして何故か昴に勧誘され、大地は科学館でのバイトを始めることになった。
真面目で厳しい昴と喧嘩しながらも、次第に惹かれていくのだが…。
という、プラネタリウムのある科学館を舞台にしたストーリー。
昴は28歳の科学館の真面目な学芸員で、大地は20歳のフリーターです。
初対面の場面が修羅場で、しかも大地の下半身の素行が原因なので、昴の大地に対する第一印象は最悪。
でも、大地は性格が悪いわけじゃなくて、ただ八方美人で下半身が緩いだけだから(それもどうかと思うけれど)、悪い人ではありません。
明るくて人当たりがよく、バイトに対する姿勢も真面目なので、あっという間に科学館に馴染んでいき、昴も口にはしなくてもちゃんと認めている。
大地も昴の人柄を知って好感を持つように。
そうした中で大地の気持ちが恋愛感情に変化したきっかけは、真面目な昴にずっと想っている相手がいるという事に気付いた事です。
意識するようになるけれど、昴の想い人は亘という幼なじみで、共有した時間も男としての大きさも勝てそうに無い相手。
そんな亘と昴の関係の決着を経て、大地と昴は恋人同士になります。
まぁ、片想いはしていても行動に移しているわけではないし、昴にとっては心の支えみたいなものだったのかなと思いますが。
どんな形にせよ、次に進むためのステップがあったからこそ、昴は大地を受け入れる事が出来たのではないかな。
しかし、雑誌掲載分と書き下ろしの二本で構成されているのですが、このふたりの本当の意味での山場は、前半の恋人同士になるまでではなく、後半の昴が自分の気持ちを自覚する部分でした。
昴は真面目な理系男子で、恋愛の経験値も低い。
研究に対するのと同じようなモードで大地との恋愛関係を自己分析している所があるのですが、自分の心の動きは把握出来ていません。
いや、本人は把握出来ていると思っているから余計に問題なのかな。
昴と大地は、好き合っていても「好き」という感情の処理の仕方が全然違う。
大地は感覚でいく所が強いけど、昴は自分の感情を頭で考えているからなかなかそれを実感出来ないんですよね。
端で見ていると気持ちは明らかなのに、本人は気付いていない。
当時は気付いていなかった感情を後になって理解するという経験は、度々あります。
気付いた時には手放してしまっている事も多いのですが。
昴はなくしてしまう前に気付いてよかった。
こうした、自分の感情が脳に伝わるまでの時間差に対する共感が、私にとって一番の読み所でした。

ということで、「オールトの雲」のスピンオフでした。
「オールトの雲」の主人公は太陽と流星というふたりの高校生でしたが、今作品はその太陽の弟・大地と、流星の高校の先輩である昴が主人公です。
スピンオフと言ってもストーリー的にはそこまで重要な繋がりではないので、この作品単体でも十分に理解出来るし楽しめるので大丈夫。
前作に登場していた大地は小学5年生だったので、10年後の話ですね。
前作を読んでいる方にとっては、太陽と流星のその後が垣間見ることが出来ます。
流星が無事日本の大学に進学していてホッとしました。
それにしても、私は名前で少し惑わされましたよ…!
太陽と大地は兄弟なので似てるのは分かるのですが、流星と昴は系統が一緒なのに他人なんですよね。
前作を読んでから時間が経っていることもあって、繋がりがなかなか頭に入りませんでした(汗)
ちなみに、「オールトの雲」は私が一穂先生に嵌まる切っ掛けになった作品です。
切なくてひたすら泣きまくった思い出。
そんな思い入れのある作品のスピンオフという事で、今回過剰に期待してしまった事は否めません。
昴にはかなり共感しましたが、大地の印象がぼんやり…。
いくら性格よくても下半身緩い20歳のフリーターという部分がどうも受け付けなくて、この性格の設定なら高校生でよかったんじゃないかなと思いました。
せめて保育士になるために努力し始めるくらいの描写があればよかったのに…。
その辺りにモヤモヤが残りましたが、昴を中心に考えるなら面白かったです。
木下先生の挿絵もピッタリ。
一穂先生の魅力の一つでもある、言葉の選び方の秀逸さ、作品全体からあふれ出ている透明感は今回も存分に感じることが出来ました。

■シリーズ
「オールトの雲」
「ムーンライトマイル」

オールトの雲 (ディアプラス文庫) ムーンライトマイル (ディアプラス文庫)

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2012.09.24 00:48 | 一穂ミチ | trackback(0) | comment(0)
            












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