にゃんこのBL徒然日記

BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

天涯行き :凪良ゆう

4199006710天涯行き (キャラ文庫)
凪良 ゆう
徳間書店 2012-06-27

by G-Tools

湿っぽい設定と展開でハラハラしました。
初期の頃の作品に近い重さで、私は好きです。
【天涯行き/凪良ゆう/高久尚子/Chara文庫(2012年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!
名前しか知らない相手と、夜ごと激しく抱き合って眠る―。旅の青年・高知をなりゆきで家に住まわせることになった遠召。戻らない恋人を待ち続ける遠召と、人懐こい笑顔と裏腹に、なぜか素性を語らない高知。互いの秘密には触れない、共犯めいた奇妙な共同生活。この平穏で心地良い日々はいつまで続くんだろう…?けれどある日、高知が殺人未遂事件の容疑者として追われていると知って!?―。

【あらすじ・感想など】
「待ってろよ。すぐ帰ってくる。」
そう言い残し去っていた男を、ひとり待ち続けている遠召結生。
ある日、結生の住む田舎町にふらりとやってきた訳ありそうな男・高知英利を、結生は居候として住まわせる事になった。
何も聞かない、何も言わない、お互いに踏み込まないスタンスで生活していたが、身体の関係を持つようになり、次第に惹かれていき…。
という、事情を抱えたふたりの話。
結生はその雰囲気からして薄幸そうだし、出て行った恋人をじっと何年も待ち続けいているという状況なので、明らかに重そうです。
それに対して、英利は普通に明るくてコミュニケーション能力もそれなりにあって、一見したらかなり健全な人物。
でも、ひとり旅には事情があります。
結生のようにジワジワ自分を追い詰めているような事情ではなく、ハッキリとした形で逃げられない事情。
そんなふたりは、一緒に暮らしていく中で惹かれ合い、それと同時に明るい未来がないことを感じている。
そこからどう展開していくのか、読んでいて不安がいっぱいでした。
とてもシリアスです。
雰囲気的には「夜明けには優しいキスを」に近いかな。
ダメだと分かっていても惹かれてしまう気持ちは止められない。
ふたりの間で交わされる感情よりも、それぞれが自分の傷に向き合い乗り越えていく過程が軸になっているので、切ないというより痛いです。
行き詰まった現実から目を逸らすように刹那的にセックスの快楽を求める姿は萌えますが、決して楽しい話ではありません。

これ以上はネタバレになってしまいそうなので、未読の方はこの先の感想は回避して下さい。

そんなふたりが出会って、傷を癒していった結果、閉ざされている自分たちの未来を乗り越えるには、憎しみや悲しみを抱えていくしかないと気付きます。
それは簡単ではないけれど、ふたり一緒なら出来るのだと知る。
人間、どうにもならないと嘆いていても、自分を客観的に見つめ、いい出会いがあればちゃんと道はあるんですよね。
ひとりでは無理でも、手を取り合う相手がいれば大丈夫。
胸の痛くなるようなエピソードが多かったですが、そう感じられる展開だったので、読後感は悪くなかったです。

それにしても、どこに着地点があるのか、最後まで不安でいっぱいでした。
懸案事項が解決すれば将来的には希望はあるという事は分かっていても、もしかしたら…という不安がぬぐいきれなかった…。
でも、ちゃんとBLだった!
どちらに転んでもそれに見合った描写がされるだろうし、JUNE的なラストでも受け入れられていたとは思います。
それはそれで好き。
とは言え、そうならなくてホッとしました。
でもまぁ流石にそれはないか…。
昔の作品だと時々見かけるけれど、最近はなかなかないですよね。
マンガだと短編であるかもしれないですが。
個人的には、結生が陥っていた共依存の閉鎖的な関係は、ハッピーエンドに繋げるには難しいけれど、萌え的には好きです。
追い詰められるような肉体関係にも萌える。
結生の重い過去エピソードは苦手な方もたくさんいると思うし、現実的には受け入れられる事では全くないですが、こうしたマニアックな萌えを味わうという意味では美味しかったです。
結生のエロさはそんな過去故ですしね!
普段は感情を表に出さないのに、セックスに突入すると積極的になる結生みたいなキャラは萌える…!
被虐的な受大好き!

ということで、凪良先生の新刊は久々にガッツリと重いシリアス作品でした。
楽しいとか、ワクワクするとか、そんな話ではありませんが、しっかり納得出来るまとめ方で、私は好きです。
痛さ故の萌えも美味しい。
キャラもいいし、高久先生の挿絵もピッタリでした。
とは言え、つらいエピソードも多いので、精神的に余裕のない時は避けた方がいいと思います…。
元気な時にぜひどうぞ〜。
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2012.07.14 01:29 | 凪良ゆう | trackback(0) | comment(0)
            












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