にゃんこのBL徒然日記

BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

渇仰 :宮緒葵

4829625252渇仰 (プラチナ文庫)
宮緒 葵
フランス書院 2012-03-09

by G-Tools

挿絵に目を奪われて初宮緒先生。
ワンコというか、とても……犬でした。
【渇仰/宮緒葵/梨とりこ/プラチナ文庫(2012年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!
人生のどん底で再会した幼馴染み・達幸は人気俳優となっていた。かつて父の愛情を奪われ、事故で夢を失った明良は、彼と二度と会うことはないと思っていた。しかし達幸は、己の成功は明良の「犬」になるためだと縋り付く。ついには身体まで奪われ屈辱に塗れた明良は、すべてを奪われた自分と同じ苦しみを与えてやろうとするが、達幸は明良の傍にあることだけを求めていて…。

【あらすじ・感想など】
家事でアパートが燃え、恋人には浮気相手との結婚を告げられ、仕事も失ってしまった鴫谷明良。
そんな明良の前に現れたのは、6年前姿を消した青沼達幸だった。
達幸は父の友人の息子で、ある事情から居場所のなくなった達也を父が引き取って来て以来、兄弟のように一緒に生活してきた。
達也が心を開くのは明良にだけ。
仲のよかったふたりだったけれど、成長し、達幸が容姿も才能も明良をどんどん追い越していくにつれ、いつまでも明良にまとわりついてくる達也に対し、明良は劣等感を感じるようになっていく。
そんな中、ふたりは交通事故で重傷を負い、それをきっかけに達也は姿を消してしまった。
それから6年、社会人になった明良の前に現れた達也は、青沼幸として活躍する売れっ子俳優となっていた。
強引にマンションに連れ去られ戸惑う明良だったが…。
という、再会もの。
再会ものと言っても、ドロドロした感情が強いので、爽やかさは全くありません。
元々明良と明良の父にだけ心を開き、それ以外の人に対しては関心が全くない達也ですが、高校生の頃は家族で一緒に暮らしていたこともあり、まだその危うさが過剰な兄弟愛くらいで受けとめられています。
明良自身も、劣等感や嫉妬に乱される自分の心の方に手一杯で、達也の過度の執着を鬱陶しくは思っても危険は感じていません。
が、再会後の達也は異常な程の執着を明良に向けている。
大人になって、世間で認められるような仕事をしているのにも関わらず、明良の事に対しては反応が明らかにおかしい。
流石に明良は気付くかと思いきや……。
「不幸の源は達也なんだ」と憎しみを募らせるばかりで、達也の異常さにはそこまで身の危険を感じていないのが吃驚でした。
結局、割れ鍋に綴じ蓋なんですよね。
嫌よ嫌よも好きのうちと言うけれど、まさに明良はその通りで、達也を意識するあまりに心の中のモヤモヤを憎しみという形に変換し、自分を納得させているんだと思います。
そうじゃなかったら、さっさと警察に通報するとかすると思う…。
まぁ、多少の抵抗では結局明良に面倒が返ってきそうですけど。

達也はBLの攻のカテゴリーから言うとワンコ攻です。
でも、そんな可愛いものじゃありません。
ワンコというかまさに「犬」。
相手に対する態度だけじゃなく、行為が犬すぎて吃驚しました…。
私、アニリングスに萌えはないのですが、BLを読んでいると出会う事は多いです。
しかし達也の場合…未だかつてないくらい舐めてます。
犬が相手の犬のお尻のニオイをかいだり、お尻に執着している様子は珍しくないけれど、まさに達也はそんな感じ。
他のシーンでも犬を彷彿とさせる行動がちらほら…。
犬もいろいろな性格の犬がいますが、達也は飼い主が大好きで大好きで仕方ないんだけど、愛情表現の仕方が過剰で盲目過ぎるために、飼い主の手に余ってしまっている大型犬…というイメージです。
そう書くとなんだか微笑ましいように思えますが、まがいなりにも達也は人間なわけで、私にはそんな達也の行動が許容範囲を超えていました…。
明良が自分を必要としてくれる達也に惹かれていて、でも自分の中でそれをなかなか認められなくて振り回されてしまう気持ちは分かります。
でも、達也が明良に執着するのは理解出来ても、その執着を相手に押しつけるばかりなので、人間らしさが稀薄に思えてしまう。
ところで、達也を見ていて、少し性格は違いますが吉田先生の「鬼畜」の攻を思い出しました。
明良を「あーちゃん」と呼んでいたり(「鬼畜」では「ふーちゃん」だった)するところも似ている…。
「鬼畜」の攻のように計算ずくの行動ではないにしろ、相手に見せる態度に幼稚性があるところは一緒。
個人的に、幼い言動をする大人の攻は苦手です。
そんな達也に抵抗がないのであれば、過去のエピソードや明良の葛藤は丁寧に書かれているので、楽しく読める作品なのではないかなと思います。
「鬼畜」は突き抜けすぎていてある意味コメディ(というかホラー?)でしたが、この作品はそこまで異次元ではありません。

濡れ場はとっても濃厚!
アニリングスも多いですが、中出しシーンがすごく多い。
終わったあと太ももに…という描写に萌えるので、中出しされまくる明良はよかったですv
しかしどんだけ達也は絶倫なんだ~。
達也の性格は微妙ですが、エロに関しては「もっといろいろやっちゃえばいいよ!」と全力で応援しながら読んでいました(笑)
ただ、受け視点の文章の中で「胎内」という単語は微妙。
耽美系の作品なら違和感ないですが、菊的な言い方とかならともかく、女性器を彷彿とさせる言い方はちょっと…。
胎内っていうかそこ直腸ですから!と心の中で突っ込んでおきました(笑)

ということで、初宮緒先生。
梨先生の表紙イラストに惹かれて買ったのですが、予想の斜め上をいくワンコ攻で、その犬っぷりに吃驚しました。
正直なところ、達也の思考や執着には……引きます。
まぁ、現実にいたら引くような攻はBLにはたくさんいるので、ちょっとおかしな攻という認識で受けとめればいいのかな。
共感は出来ませんが。
達也にもう少し人間らしさがあって、ちゃんと冷静な思考が出来るキャラだったらもっと面白かったなと思います。
ワンコ攻だとは予想していたけれど、まさかこんなに本気で犬になりたい攻だとは思いも寄りませんでした。
達也を受け入れるなら、明良はちゃんと他人に迷惑をかけないよう達也を躾け直さないとですね!
心も身体もドロドロな話でした。
万人受けはしませんが、執着モノがお好きな方は楽しめる作品だと思います。
2012.06.21 01:57 | 宮緒葵 | trackback(0) | comment(0)
            












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