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まばたきを三回 :凪良ゆう

4778112881まばたきを三回 (ショコラ文庫)
凪良 ゆう
心交社 2012-05-16

by G-Tools

すごく面白かった!!
展開の仕方と着地点が上手すぎて凪良先生に惚れ直しまくりでした。
【まばたきを三回/凪良ゆう/円陣闇丸/ショコラ文庫(2012年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!
幼馴染で恋人の四ノ宮 令が事故で亡くなって二年、斎藤一佳は山間の田舎町で一人静かに暮らしていた。一日の終わりには令の住んでいた家に行き、その日の出来事を彼に語りかける。孤独を紛らわす一佳の習慣だった。ある日、いつものように令の部屋にいた一佳は突然大きな揺れに襲われる。そして次の瞬間、驚きに息を呑んだ。目の前に令が立っていたのだ。綺麗で意地っ張りなままの、幽霊となった令が――。

【あらすじ・感想など】
両親を事故で亡くし、窯元が多く集まる山間の町で祖父と暮らしている小学生の斎藤一佳は、静養のために東京から転校してきた四ノ宮令と出会った。
身体が弱くきつい性格の令は、家庭環境もあってなかなか周囲と馴染めずにいたが、一佳はそんな令がずっと気になっていた。
そんな中起こったある事故をきっかけにふたりは急速に親しくなり、一佳の令に対する他の人とは違う特別な想いはどんどん膨らむばかり。
東京に戻ったあとも休みの度に町に戻ってきていた令との関係は、高校生の夏休み、ついに友達から恋人へ変わった。
しかし、大きな会社の御曹司である令と共に生きていくためには、多くの困難を乗り越えなくてはいけない。
高校卒業後、亡くなった祖父の窯元を継いだ一佳。
大学に進学した令は、一佳と暮らすために両親を説得しようとするのだが…。
上側(緑字。裏表紙のあらすじ)あらすじの通り、亡くなった恋人の幽霊との話です。
過去の回想も多く、重要なエピソードがたくさんあるので、出会いからの経緯を簡単に書いてみました。
田舎で経済的に決して楽ではない暮らしをしている一佳と、大きなグループ会社の御曹司である令の住む世界は大きく違います。
学生時代はある程度自由があり付き合う事も可能だったけれど、将来に明るい見通しは全くありません。
打開するために起こした行動の直後、不慮の事故で令を失ってしまった一佳は、その後ポッカリと心に穴が開いたまま生きています。
しかしそれから2年経ったある日、令は幽霊になって一佳の前に現れる。
姿は見えて、会話も出来るけれど、触れることは出来ない恋人。
一佳は令と共に暮らし始めますが、しばらくすると不思議な出来事が起こるようになり、「自分と一緒にいるせいだ」と言って令は姿を消してしまう。
その後、一佳は自分たちの置かれた状況を知り、ショックを受けながらも打開するために令と共に動き出します。
プロローグの時点で既に令が亡くなっていて、幽霊となって再会するところから始まっている事も吃驚ですが、その後どんでん返しが何度も起こる展開にさらに吃驚。
本編は一佳視点なので、新しい事態に遭遇する度に「何が真実なんだろう?」と、読み手も一緒に戸惑わされます。
でも、令が幽霊になっているので、手放しで喜べるようなハッピーエンドを迎えるのはコメディ展開しない限り無理なのでは?という気持ちがずっと離れなかったので、どんどん切なくなっていきました。
映画「ゴースト」然り。
ティッシュを用意し、泣かされる覚悟はしっかりして望みました。
そこからの展開について詳細は伏せますが、ファンタジーだけどしっかり現実を絡めた凪良先生の力に脱帽。
泣きました。
でも、思いがけない経緯で泣かされた。
タイトルの由来を知った時の気持ちが言葉で上手く表現できないのですが、そこまでの様々な展開がそのシーンに集約されていくような、不思議な感覚でした。
兎にも角にも、挿絵を先に見るのはオススメしません!

後半に収録されているのは、その後のふたりのエピソードです。
詳しく書くとネタバレしてしまうのであらすじは省略しますが、令の従兄弟・山背がふたりの前に現れます。
突然の登場で、しかも彼が何をどうしたいのかよく分からず、一体この話はどこに向かっているのだろうと疑問に思いながら読み進めていました。
途中から山背は多分…と分かってきたけれど、そこからの展開がまたしてもやられた感いっぱいです。
そう繋がるのか!
BLでそこに至る作品は多くないですが、勢いだけじゃなく、そうなりたい気持ちが沸いてくる過程がしっかりしていて自然でよかった。
凪良先生があとがきで震災について触れられてますが、身近な経験でなくても、震災でいろいろな話を耳にして「生きている」事について考えさせられる事がたくさんありました。
私にとっての震災のようなものが、ふたりにとって山背だったのだろうと思う。
震災のようなきっかけでなくても、日常の中でも似たような事はありますよね。
私は神様を信じているわけではないけれど、「あの時止まらなかったら…」とか「あの時ブレーキが遅かったら」とかそんな経験はいくつもあって、今自分がこうして生きているのは様々な幸運が重なった結果なのだと感じることは何度もあります。
でもその幸運がこの先も続くかどうかは誰にも分からなくて、ある日突然終わりが来ても不思議じゃない。
それはもうどうすることも出来ない、大きな流れの中の一部なのだと私は思う。
その流れの上でどう生きていくのか。
この話の最後の数ページは言葉のひとつひとつが重くて、そこに込められたメッセージがすごく伝わってきました。

濡れ場は多くないですが、過去の初々しいエッチと現在のじっくり高め合う熱いエッチを堪能できて美味しかったです。
特別な事をしているわけではないし、描写量が多いわけでもないのに、この萌えの充足感!!
ふたりの気持ちが伝わってくるのが萌えに繋がっているのかな。
凪良先生の描写、大好きです!

ということで、凪良先生の新刊は幽霊が登場するお話でした。
幽霊モノと言っても、ラブコメではありません。
幽霊とやりとりしていたりするにも関わらず、ファンタジーの印象より人間ドラマ的な印象に強く、考えさせられる事が多くて何度も泣かされました。
でも幽霊のコミカルなエピソードがあるので、重くなりすぎず読みやすいです。
予想外の展開をするのでドキドキワクワクハラハラさせられっぱなし。
前半の話も後半の話も、展開の仕方と着地点が上手すぎて凪良先生に惚れ直しまくりでしたよ!!!!
凪良先生は割と安定していつも面白いのですが、時々自分でも吃驚するくらい心を持って行かれます。
円陣先生の挿絵もピッタリ!
作品を充分に楽しむ為に、挿絵や文章のチラ見をしないことをオススメします。
この気持ちをうまく言葉に出来ていない事がもどかしくてたまらないのですが、兎にも角にも面白かった。
大満足です。
凪良先生、好き。
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2012.05.22 02:01 | 凪良ゆう | trackback(0) | comment(0)
            












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