にゃんこのBL徒然日記

BL:ボーイズラブ本の感想ブログ

愛とは言えない (3) :榎田尤利

479971077X愛とは言えない 3 (B-BOY NOVELS)
榎田 尤利 / 町屋 はとこ
リブレ出版 2012-02-17

by G-Tools

コミックスサイドで先の展開を知っているだけに続きが気になります。
早くふたりの幸せな姿が見たい!
【愛とは言えない/榎田尤利/町屋はとこ/BBN(2012年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!
もう恋愛はしないと言うサガンを、追い続ける橘高。父の死をきっかけに少しだけ心が近づいた2人は、避暑のため軽井沢に行く。些細な行き違いがもとで発熱し倒れた橘高を前に、恋心を自覚するサガン。だが、頑なに愛を拒むサガンは、その想いを封印し別れを切り出す。互いを想いながらもすれ違い、サガンはかつての不倫相手の負の気持ちに引きずられるが!? (表紙裏あらすじより)

【あらすじ・感想など】
実業家の橘高と、大学の准教授で人気の恋愛心理学本の著者でもあるサガンは大学の先輩後輩という間柄。
大学時代、サガンが付き合っていた妻子ある教授との関係を橘高に知られた事をきっかけに、ふたりはセフレのような関係だったけれど、その後サガンが橘高の前から消えてからは関係が途切れていた。
10年後、再会したサガンに橘高は再びアプローチをかけ、その気持ちは次第に本気の恋愛感情に変わっていく。
一方のサガンは橘高と離れていた間に結婚し、その妻との死別していた。
自分を責め、恋愛はもうしないと心を閉ざすサガンだけれど、橘高との再会で少しずつ心が揺れはじめる。
そんなふたりが、橘高の会社の別荘で休暇を過ごすことになり…。
という、学生時代にセフレだったふたりの再会から始まるストーリー。
10年の間にお互いにいろいろと人生経験を積んで処世術も身につけているので、学生の頃とは違い、表向きは上手く立ち回っています。
でも、一見平穏そうに見えても、昔とは違い様々な事情を抱えている。
サガンの場合はそれが亡くなった妻の事で、それについての詳細は1,2巻に書かれていますが、結構重いです。
面と向かって相手から不満をぶつけられていたならここまで引きずることもなかったんでしょうけど、何も打ち明けられず、謝ることもできないまま妻は亡くなってしまったので、サガンはその罪をずっと背負っていこうとしています。
事情が事情なだけに、簡単にはサガンの心を解放することは出来ないのだけれど、でもそれを乗り越えないとサガンは幸せにはなれないんですよね。
でもサガン本人がそれを望んでいないからどうにもなりません。
橘高はそんなサガンを手に入れたくて、頑ななサガンにアタックをかけています。
それは最初はプレイボーイの我が侭みたいなものだったけれど、その奥には本人も自覚していないような隠れた心理があって、次第に橘高はサガンに本気で惚れている自分を自覚するようになっていく。
でも、橘高が本気になればなるほどサガンは逃げていき、この3巻でついにサガンは橘高に別れを告げます。
お互いに惹かれ合っていて、それをふたりとも感じているのに、恋人として付き合うという選択にはならないのが切ない。
ここに至るまでに、ふたりはいろいろな事を考えています。
相手に対する恋愛感情だけじゃなく、自分自身の心を見つめているから、感情移入してしまって読んでいて胸が痛かった。
「悲しみを乗り越えるためには、自分の悲しいという感情を受け入れないといけない」という言葉がジワジワと効いてきました。
私自身身に覚えのある事ですが、歳を取るにつれ、心を乱さないために自分の感情に鈍感になっている人は多いんじゃないかなと思います。
それは真正面から受けとめるよりも簡単かもしれないけれど、結果として現実から目を逸らしているだけ。
橘高のように、そうしてすり替えていた感情に矛盾が生じる事態に陥ったとき、余計に苦しむ事になる。
サガンも、自分の心の奥にある感情を抑えつけているから苦しいんですよね。
サガンの場合は自ら押さえつけようとしているわけですが。
でも、「さみしい」気持ちから目を逸らすなんて無理なんですよ!
いくら強がっても、人間は弱いから「さみしい」を無視するなんて無理。
不器用なサガンが藻掻いて泥だらけになって、ようやく…という3巻でした。
しかしふたりがグルグルしている間に、何だか妙な方向に事態が動いていますよ!
橘高さん………。
そこには癒やしがあるけれど、そこはダメです…!

このシリーズは、榎田先生が書くノベルスサイド「愛とは言えない」と榎田先生原作で町屋先生が描く「恋とは呼べない」から成るコラボ作品です。
コミックスサイドの主人公である英と淳平も、この話の重要な役どころを担っていて、2カップルが刺激し合って前に進んでいきます。
コミックスの方ではさらりと過ぎていた別荘でのエピソードは橘高とサガンにとっては大きな転機になっているので、こちらで詳しく書かれていました。
時系列としては、このノベルス3巻はコミックス2巻の中間部分です。
別荘の話が中心になっていて、コミックスの最後の展開についてはこちらではまだ触れられていないので、この先どうなるかを先にコミックスで読んでいる私としては先が気になって仕方ない…!!
3巻で橘高もサガンも障害になっていた部分を乗り越えたと思ったのに、どうしてそうなっちゃうの?!

そんな悶々とした気持ちを抱えながら、その後に収録されていた大学時代の短編『クリスマスキャロルの頃には』を読みました。
2巻に収録されている『past days』の続きとなってる内容で、『past days』が橘高視点だったのに対して、今回はサガン視点です。
10年後のサガンを知っていると、この頃のサガンの恋愛モードがとても新鮮!
上手く立ち回れていないサガンが可愛い。
まぁ、ここでもやっぱり報われないサガンなのですが…。
こんなサガンを早く幸せにしてあげてください、橘高さん!
本編ではふたりの濡れ場はなく、なかなか甘いシーンは出てこないので、過去とは言えとても美味しかったです。

ということで、榎田先生と町屋先生のコラボ企画のノベルスサイド第2弾!
今回はふたりが自分の心に向き合い、乗り越える話でした。
じっくり読ませる心理展開や、所々にハッとさせられる言葉が、流石榎田先生だなぁと思います。
コミックスと同時進行なのでノベルスの方は展開がゆっくり目ですが、軸がぶれず要所要所で心を掴んでくるので、冗長な印象は受けません。
お互いに大切な存在なんだということがすごく伝わってくる。
サガンの普段はツンツンしているけれど本当は不器用で臆病なところや、落ち着いた雰囲気の橘高がサガン相手には余裕なく嫉妬していたりする、そんな様子がふたりを共感しやすいキャラにしていていいなぁと思います。
ノベルスサイドを読んでいると、橘高とサガンの関係についてはコミックスサイドの情報はあまり必要ないかもしれませんが、コミックスも一緒に読んだ方が相乗効果で面白さアップすること間違いなしです!
先ほども書きましたが、私はその後の展開をコミックスで読んでいるだけに、かなりヤキモキしています(笑)
あ!忘れてはいけない重要キャラについて触れてませんでした!
やきのり、今回もちゃんと活躍してますよ!
行動云々ではなく、存在がすごく大きいですよね。
サガンはやきのりいなかったらどうなっていたことやら……。
私も癒されてます~。
次巻で完結するのかな?
早くサガンと橘高の幸せな姿を見たい!

■リブレの特集ページ
http://www.b-boy.jp/hotnews/renai/

■シリーズ
コミックスサイド:淳平×英 / 町屋はとこ(原作:榎田尤利)
「恋とは呼べない (1)」
「恋とは呼べない (2)」
「恋とは呼べない (3)」

ノベルスサイド:橘高×サガン / 榎田尤利(挿絵:町屋はとこ)
「愛とは言えない (1), (2)」
「愛とは言えない (3)」
「愛とは言えない (4)」

恋とは呼べない 1 (ビーボーイコミックス) 恋とは呼べない 2 (ビーボーイコミックス) 恋とは呼べない 3 (ビーボーイコミックス)



愛とは言えない〈1〉 (ビーボーイノベルズ) 愛とは言えない 2 (B-BOY NOVELS) 愛とは言えない 3 (B-BOY NOVELS) 愛とは言えない4 (ビーボーイノベルズ)
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2012.02.25 01:17 | 榎田尤利 | trackback(0) | comment(0)
            












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