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街の灯とおく :一穂ミチ

4344823761窓の灯とおく (幻冬舎ルチル文庫)
一穂 ミチ
幻冬舎 2011-11-15

by G-Tools

「街の灯ひとつ」のスピンオフですが話は独立しています。
一穂先生らしい、丁寧な描写が光る1冊でした!
【街の灯とおく/一穂ミチ/穂波ゆきね/ルチル文庫(2011年)】

オススメ:

↓ネタバレあり、caution!

【あらすじ・感想など】
ある朝、出勤途中に出会った灰谷新は、偶然にも真向かいの部屋の住人だった。
他人と関わり合いにならずに生きてきた葛井築にとって、強引に近づいてくる灰谷は迷惑な存在だったけれど、次第にその存在が大きくなっていき…。

遺伝子の研究をしている築は、人とのコミュニケーションが苦手だけれど、それに悩むわけでもなく、ひとり淡々と生きてきた。
そんな築の前に現れた灰谷は、築のストレートな発言にもめげず近づいてきて、いつしか一緒に時間を過ごすようになっていく。
お互いに一緒にいて楽だと感じていたふたりは次第にその心の内を見せるようになるのだが、灰谷に思い人がいる事を知った築は何故か戸惑う。
その気持ちがどこから来るのか、築は気付くのだが…。
という、上手くあらすじ書けていませんが、一見性格的にも職業的にも接点の無さそうな社会人ふたりが出会い、その交流が恋愛に発展していく話。
築は少し人と感性が異なっていて、端から見ると無表情でズバズバ歯に衣着せぬ発言をするようなタイプの理系男子です。
遺伝子の話を持ち出して、感情論をバッサリ切り捨てるような発言も多い。
まぁ、理系だからというよりそれは性格によるところが大きいんじゃないかと思いますが…(私は大学も仕事もずっと理系だけどそんな理論整然とした思考は出来ない…って、それは理系と思い込んでいるだけなのかも?・汗)
普段は周囲から一線置かれる原因になっていますが、築のそんな冷静な発言が、時には悩んでいる人の気持ちを軽くすることもあります。
灰谷もそのひとり。
正義感ある優しい好青年の灰谷は人になかなか明かせない悩みを抱えていて、適度に距離を保って自分に踏み込んでこない築との時間を心地よく感じています。
だから灰谷は少し強引に築と親しくなるけれど、程良い距離を置いていて、築も灰谷を受け入れていく。
そこから恋愛に発展していくまでには大きな壁があるように思いますが、本人たちも気付かないような些細なやりとりによる心の動きによって、ゆっくりと、着実にお互いの間にある空気が変化していきます。
他人とのコミュニケーションに慣れていない築は、自分の変化に気付くのが遅いけれど、経験がないからこそ先入観もなくて、自覚してから受け入れるまでが早いです。
その瞬間の心の動きがとても築らしい。
相手にぶつける前に自分の気持ちは成就しないと思っている築ですが、先回りして諦めているというような後ろ向きの印象ではありません。
これまでの築の性格や行動を考えたら、吃驚するくらい前向きな行動に出ています。
自分の恋愛感情だけに囚われていない、灰谷を大切に思うが故のその行動。
最初の頃の築からは想像出来ないですよね。
遺伝子の話や、蚕のエピソードが話の流れに合っていて、全体をうまくまとめているなぁと思いました。
あ、恋愛とは全然関係ないですが、築の母親が好きです。
後半に出てくる築と母親の会話シーンの距離感がいいなぁ。

濡れ場は多くないですが、本編のあとに収録されている『鍵の音ちかく』のエッチはすごく萌えました…!
さり気なく濃くて美味しかったです。
淡泊そうな受の性欲が垣間見えるとドキドキ!

ということで、一穂先生の新刊は「街の灯ひとつ」のスピンオフでした。
と言っても、時系列や登場人物は被っていますが、話は独立しているので前作を知らなくても全然大丈夫。
「街の灯ひとつ」に登場する初鹿野の同僚が築で、こちらにも「街の灯ひとつ」に出てくるエピソードが登場していたりします。
穂波先生の挿絵でタイトルも似ているので繋がっているのだろうなぁと思って読んだものの、あらすじ読んでも築が一体どんなキャラだったのか思い出せませんでした。
蚕のエピソードはポイントになっていましたが、築はそのくらいの存在感(笑)
でも、そんな築の中身はなかなか個性的でしたね。
ストーリー的には派手な展開があるわけではありませんが、築が灰谷を「好き」だと自覚するまでの心の動きや、色のなかった日常が変化していく様子が丁寧に描かれていて、好感度の高い作品でした。
穂波先生の挿絵もピッタリ。
一穂先生らしい1冊です。

■シリーズ
「街の灯ひとつ」
「街の灯とおく」
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2011.11.22 01:56 | 一穂ミチ | trackback(0) | comment(0)
            












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